本日は、お日柄もよく

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 1212
レビュー : 268
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198629854

感想・レビュー・書評

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  • 困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。
    三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。
    二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している。

    両親を交通事故で突然亡くした14歳の久美を励まし、
    伝説のスピーチライターを目指す決意をはぐくんだ言葉。
    久美と一緒に、いつのまにか泣いている私がいました。

    打ちひしがれているとき、こんな言葉をかけてもらえたら、どんなに救われることか。
    そして、苦しみ涙している誰かに、迷うことなくこんな言葉をかけてあげられたら!

    『キネマの神様』では、映画についてのゴウちゃんのレビューだけで
    あきれるほど泣かされてしまった原田マハさん。
    今度はなんと、結婚式のスピーチで、まさかの選挙演説で、こんなに泣かされるとは!

    折りしも、この日は安倍首相の所信表明演説の日。
    う~ん、さっぱり心に届いてこないなぁ。。。
    伝説のスピーチライター久美さんは無理としても、原田マハさんに
    ブレーンとして参加してもらったら、きっと心を打つ演説になったのに、と思ったりして。

    初恋の相手でもあった幼なじみの厚志の結婚披露宴で
    よりによって、彼の大切なクライアントのスピーチの真っ最中、
    睡魔に抗えず、スープ皿に派手な音とともに顔を突っ込んだ、こと葉。
    長くて退屈なそのスピーチの後に披露された久美のスピーチに心奪われ、
    早速彼女に弟子入りして、スピーチライター修業を始めるのですが。。。

    生き生きと動き回ること葉や久美はもちろん、
    影に徹して野党党首を地道に支え続け、家族や知人には
    忘れられない温かな言葉や思い出を遺した厚志の父、今川篤朗、
    気鋭のコピーライターで、与党のブレーンとしてこと葉たちの行く手を阻むと思いきや
    変なところで律儀さを発揮し、救いの手を差し伸べるライバルのワダカマなど
    登場人物も、相変わらず好きにならずにいられない魅力的な人ばかり。

    両親が与えてくれた心と体を大切に育てて
    思いを伝えたい相手の心に届き、温める言葉をかけられるひとになりたいと
    素直に思わせてくれる物語です。

    • まろんさん
      koshoujiさんのレビューで、これは読まなくちゃ!と思っていた本です。
      いつも心に残る本を紹介してくださって、本当にありがとうございます...
      koshoujiさんのレビューで、これは読まなくちゃ!と思っていた本です。
      いつも心に残る本を紹介してくださって、本当にありがとうございます。

      本の中ではもう既に亡くなっている今川篤朗の言葉が、どれもこれも素晴らしくて
      こんな政治家がほんとにいたら、絶対に投票して、ウグイス嬢でもなんでも
      いくらでもお手伝いするのに!と思いました。
      原田マハさんの綴る言葉には、魔力がありますね!
      2013/01/31
    • マリモさん
      原田さんて、文章力や構成力もそうですが、言葉のもつパワーと、その使い方を本当によく知っている方ですよね。
      単純なスピーチ本よりずっと役に立ち...
      原田さんて、文章力や構成力もそうですが、言葉のもつパワーと、その使い方を本当によく知っている方ですよね。
      単純なスピーチ本よりずっと役に立ちそうなので、万一、何かのスピーチを頼まれた日には絶対再読!と思いました(笑)。
      2013/01/31
    • まろんさん
      マリモさん☆

      言葉のもつパワー!うんうん、ほんとうに!
      原田さんの親戚の方々は、きっと結婚式には感動的なスピーチをしてもらえるんだろうなぁ...
      マリモさん☆

      言葉のもつパワー!うんうん、ほんとうに!
      原田さんの親戚の方々は、きっと結婚式には感動的なスピーチをしてもらえるんだろうなぁ、と
      うらやましくてたまりません(笑)
      私も、今年のピアノの発表会の前には、もう一度この本を読んで
      生徒とご家族の前で、感動的な挨拶をしちゃうぞ~!と、今から意気込んでいます♪
      2013/01/31
  • 小畑健、大場つぐみコンビによる漫画『バクマン。』の連載開始を知ったとき、わくわくするような大きな期待感とほんの少しの不安があった。
    『DEATH NOTE』でストーリーの面白さと画力の高さは体験済みだったので期待のほうが勝っていたが、こう叫びたかった。

    「漫画家が、漫画家の漫画を描くなんて、どんだけハードル上げてんだよ!」と。

    画風も方向性も違うライバルたちが複数登場するので描き分けが必要だし、なにより主人公に才能がある設定なので彼らが描く漫画に、そう思わせるだけの説得力がなければならない。
    「漫画を描く」というテーマに着手するということは、漫画家、原作者ともに相当の自信と覚悟が必要だろう。
    結果、やはりきっちりとハードルを越えてきた訳だが。

    そして、原田マハ『本日は、お日柄もよく』
    作家が書く「言葉の力」についての物語である。

    以前読んだ『キネマの神様』には高名な映画評論家が登場した。
    今作には、日本を代表する俳人、天才コピーライター、伝説のスピーチライターらが登場し、歴史に残る名演説まで出てくる。

    物語の最初から、列席者そして読者の心をつかむ結婚披露宴の祝辞が素晴らしい。
    僕と同様に感銘を受けた、主人公の二ノ宮こと葉が久遠久美との出会いを果たすところから話が転がり始めるが、スピーチを通した女性の成長物語だと思っていたら、政権が絡む壮大な話になろうとは。

    国会の代表質問や党首討論が、まさか心に沁みるなんて。
    総理大臣に質問を投げかける今川篤朗議院の姿は、闘技場にて言葉の剣一本で、まさに命を賭してライオンに立ち向かうグラディエーターだ。

    祝辞、弔辞、選挙演説、その他さまざまな名文の数々。
    でもそんな中、メールの「ちょっとは休めよ」の短い一文が胸を打ったりもする。
    言葉の力とはそれだけに効力があるものではなく、それを発する人の人柄や良さを最大限に引き出して伝えるための触媒のようなものなのだろう(僕は「吉原家」の鈴木社長が好きだったなぁ)。

    要所要所で力を発揮する熱のこもったスピーチとダイナミックな展開でぐいぐい読ませ大変面白かった。
    しかしこの原田マハさんの素敵な物語が、結局はファンタジーにならざるを得ない現状が残念でならない。

    • kwosaさん
      うわぁ、円軌道の外さん!
      おひさしぶりです! お待ちしておりました!!

      レビュー冒頭のバクマンのくだりは、確かに面食らいますよね。
      舞の海...
      うわぁ、円軌道の外さん!
      おひさしぶりです! お待ちしておりました!!

      レビュー冒頭のバクマンのくだりは、確かに面食らいますよね。
      舞の海の「猫騙し」みたいな技を使ってしまいました。

      それにしても過分なまでのお褒めの言葉。
      いやあ、恐縮です。

      最初は自分自身の記録のために始めたブクログ。
      みなさんのレビューのおかげで、いままで知らなかった面白い本、素敵な作家さんにたくさん出会うことができました。
      そのうちに自分も「この本面白かったよ、読んでみて!」っておすすめしたいなぁ、なんてちょっと色気が出てきたりして。

      「ご参考までに」と便宜上、★をつけてしまいますが、基本的に「創作者はそれだけで偉い、凄い」と思っています。
      その時の自分にはフィットしなくても、きっとその作品が好きなファンもたくさんいらっしゃると思うので、読んで不快になるようなレビューは書きたくないなぁ、と気をつけてはいるつもりです。

      あっ、なんか自分で書いておきながらちょっと偉そうですね。すみません。

      原田マハさんもブクログのみなさんに教えて頂きました。
      まだ二作しか読んでいないのですが、これから追いかけていきたい作家さんです。

      そして原田宗典さん!
      僕もハマっていましたよ。
      ちょっとだらしない男の憂いや、青年期の焦燥感などの描き方がストライクで、けっこう読みましたよ。
      エッセイは全然テイストが違って、これがまた面白かったですよね。
      かなり脱力した記憶があります。
      2013/04/10
    • 円軌道の外さん

      あっ、分かります!

      その作品が響く響かないは
      その時の環境や置かれてる立場や経験がものを言うし
      タイミングもありますよね。
      ...

      あっ、分かります!

      その作品が響く響かないは
      その時の環境や置かれてる立場や経験がものを言うし
      タイミングもありますよね。

      だけれど自分も
      音楽を作ったり
      歌詞を書いてきた人間だから
      創る側の気持ちも多少なりとも
      分かるんスよね〜


      個人的には
      音楽も小説も映画だって
      個人の合う合わないがあるだけで、
      葬り去られていい作品なんて
      ひとつもないと思ってます。


      だからレビューを書く時も
      自分が好きな作品か、
      自分には合わなかった作品か

      そこをハッキリ書くようには
      心がけてるつもりです。


      あと基本的に
      自分がレビューなどで評価する時は
      好きな作品しか
      書かないことにしています(笑)

      それは嫌いなものや
      合わないものに
      貴重な時間を割くのが勿体無いって考えもあるし、

      不特定多数が目にするネットで
      意見を書くなら、
      責任をとれる書き方をしなきゃって思うのもあるし、

      やはり自分の
      「好き」を精一杯伝えた方が
      見る方だって
      読む方だって
      単純に気持ちいいかなって
      自分は思ったんですよね(笑)


      あとkwosaさんの言うように
      自分には合わなかったけれども
      この作品に救われた人が
      必ずいるハズだと
      どこかで考えるようにはしてます。
      (要は書いた人や作った人に敬意を表するってことです)

      そういう考えを常に持っていれば
      一方的な悪口には
      とられないだろうし、
      トラブルの元になることも
      少ないんじゃないかな。


      言葉はとる側の捉え方によって
      ナイフにだって、
      希望の光にだってなりえます。

      自分は匿名性の影に隠れ
      安全の中にいて、

      悪意を持って
      誰かを批評したり
      貶めたりするのは
      イジメととられても仕方ないと
      個人的には思います。

      言いたいことがあるなら
      外野からではなく、
      実名を出して
      堂々と言うべきやしね(^_^;)


      その点でもkwosaさんのレビューは
      作品への『好き』の気持ちが溢れていて
      読んでていつも
      自然にニヤケてしまうのです(笑)


      2013/04/15
    • kwosaさん
      円軌道の外さん

      コメントありがとうございます。

      僕の場合、結構★の数はその時の気分に左右されるので、あんまりあてにならないんですよね。
      ...
      円軌道の外さん

      コメントありがとうございます。

      僕の場合、結構★の数はその時の気分に左右されるので、あんまりあてにならないんですよね。
      その分、感想で伝えたいなと。

      個人的には低評価のレビューでも「この人はこう言っているけど自分にはあうかも」と思ってしまうほうなので、自分自身が感想を書く時は素直な気持ちを出すようにしています。

      円軌道の外さんがおっしゃるように、やっぱり匿名で書いている訳ですから、悪意を持って貶めるようなことはしたくないですよね。

      ブクログではワイワイやりながら、面白い本を発見したいですよね。
      2013/04/15
  • 尊敬するブクログ仲間さんに、原田マハさんをお勧めしてもらい、いそいそと図書館に予約しに行き、一番初めに届いたのがこの本。
    お勧めしてくれたブクログ仲間さん!感謝します!!

    良かった!
    随所随所で、心をわしづかみにされた感じです。
    最初の久遠さんのスピーチで泣かされ、そのあとの選挙演説でも泣かされるとは・・・
    実際の選挙演説でじ~んときたことなんてないなぁ(まぁ、じっくり聞いたこともないんだけど・・)

    今川代議士が久美にかけた言葉
    「止まらない涙はない。乾かない涙もない。顔は下ばかりむいているわけにもいかない。歩き出すために足はあるんだよ」

    人の心を動かす言葉、言葉の力ってすごいです。
    言葉がこんなに素敵だということを、気づかせてくれた本でした。

    • まろんさん
      noboさ~ん、私も同じところで泣きました!
      まさか自分が選挙演説で泣く日が来るとは思いませんでした(笑)
      大好きなこの本を、noboさんが...
      noboさ~ん、私も同じところで泣きました!
      まさか自分が選挙演説で泣く日が来るとは思いませんでした(笑)
      大好きなこの本を、noboさんが同じ気持ちで読んでくださったと思うと、うれしくて♪

      この本を好きになってくださったなら、『キネマの神様』とか『旅屋おかえり』も
      きっと気に入っていただけると思うので、ぜひぜひ(*'-')フフ♪
      2013/03/05
    • nobo0803さん
      まろんさん

      なんとなんと、図書館で予約していた「キネマの神様」と「旅屋おかえり」の2冊が同時に順番がまわってきた連絡が今日あったんですよ!...
      まろんさん

      なんとなんと、図書館で予約していた「キネマの神様」と「旅屋おかえり」の2冊が同時に順番がまわってきた連絡が今日あったんですよ!!
      これも何かの偶然??
      早速明日に取りに行きます!
      しばらく原田マハさん漬けです!(^^)!
      2013/03/05
    • まろんさん
      きゃ~、もう、運命としか言いようがありませんね♪
      noboさんも本の神様にめいっぱい愛されてるのが証明されましたね(*'-')フフ♪
      どんな...
      きゃ~、もう、運命としか言いようがありませんね♪
      noboさんも本の神様にめいっぱい愛されてるのが証明されましたね(*'-')フフ♪
      どんな感想を持たれるのか、レビュー楽しみにしています!
      2013/03/06
  • 本音と本気と本心は、
    たとえ、どんな言葉を借りて
    人前に現れた、としても、

    必ずや、聞く人の心に届くモンだと思ってた。(てか、思ってる。)

    だから、
    特別難しい言葉を使わなくたって、
    比喩だの、
    言い回しだの、
    面倒な事、考えなくたって

    ただ
    思ったままを、
    見たままを、
    感じたままを、
    ウソ、偽り無く、そのまま伝えられれば、装飾は必要ない。
    シンプル・イズ・ベスト。

    …が、私の「これまで」であった。

    しかし、
    「言葉のプロ」が放った、
    魔法の様に人を惹き付けるスピーチに、
    私は、ただただ息を呑み、我を忘れて聞き入ってしまった。
    ここが「二次元」の世界である、なんて事など、すっかりどーでも良くなって。

    主人公「こと葉」の思いが、この世界の全てであろう。

    >言葉で人を熱し、心を動かしてみたい。

    そんな思いを持つ人にはオススメの一冊。

  •  初、原田マハ作品。おー、何という、秀作。言葉を生業とする人々すべてに読んでほしい作品だ。
     言葉は、人の心を動かす。人の心が変われば、その人の周りが変わり、やがて世界が変わる。なんと底知れぬ力を持っているのだ、言葉というものは・・・

     こと葉が、なぜあんなに久美に可愛がられ、ワダカマに好かれたのか、謎のままだが、彼女が言葉に真摯に向き合う様は魅せられた。千華への結婚式でのスピーチ、あれは素人のスピーチではなかった。普通の素人さんなら、「えー。あー。」って言うよ。むしろ、鈴木社長が普通だよ。
    そこからまさか選挙に移行とは・・・びっくりしたが、たしかに、そこは、スピーチの本領発揮の場だものな。舞台としては格好の場所だ。
     政治家のあの演説。一人で作れない。今までそんなこと、考えたこともなかったけれど、この作品を通してスピーチライターという職業があるのを知って、人の影となり、人の言葉を作ることができる職業があるのを知って、それをかっこいいと思わずにはいられなかった。

     はばかりながら私も、言葉を生業とする職業に就く身だ。問題を提起し気づかせ、集団を、個人を、改善していく業務を担う職業に就く身だ。その際に使うのが、言葉。いかに人の心を掴むか、いかに人を説得するかは、言葉にかかっている。分かっていたつもりだったけど、日常に忙殺されて、最近は、自分の操る言葉と真剣に向き合ってこなかったかもしれない。こと葉の行動を見て、そう感じざるをえない自分がいた。

     個人に向けてにしろ、集団に向けてにしろ、誰かに何かを伝えるということは、とても難しいことだ。言葉で人の心を動かすことは、一筋縄ではいかないことだ。けれど、だからこそ楽しい。止められないほどわくわくする。
     これからも私は、良い聞き手でありたいし、100回スピーチする中で、一人か二人くらいは、人の心を動かしたい。
     文章や言葉で、人は、世界は変わるのだと信じ、文章と言葉を愛し続ける者の一人として、これからも、真摯に言葉と向き合っていきたいと思う。

     次にスピーチするときは、めーっちゃ気合入れて臨んでやるぞ!!

    • koshoujiさん
      コメントありがとうございました。
      最近読んだ「キネマの神様」もなかなかです。
      原田マハさん、今のところハズレなしです。
      話は変わります...
      コメントありがとうございました。
      最近読んだ「キネマの神様」もなかなかです。
      原田マハさん、今のところハズレなしです。
      話は変わりますが「大振り」20巻やっと出ましたね。相変わらず面白い。
      これからは発刊ペースをもう少し短くしてもらい、年に3冊は読みたいですねぇ。
      2012/10/29
    • nico314さん
      >文章や言葉で、人は、世界は変わるのだと信じ

      本当にそうだと思います。「言霊」というくらいですから、計り知れない力があると思うのです。...
      >文章や言葉で、人は、世界は変わるのだと信じ

      本当にそうだと思います。「言霊」というくらいですから、計り知れない力があると思うのです。事柄について深く洞察し、何を相手に伝えたいのかを自分自身が理解していないと、表面的な言葉となって伝わらないまま流れていくのを私自身痛感しています。
      2012/10/30
  • 人前で話すのは子供の頃からあまり得意ではない。
    年齢を経て、経験を積んで多少は慣れたものの、大人になった今でも苦手であることに違いない。
    そんなわけで、冠婚葬祭などで思わず胸を打つようなスピーチを話す人に出会うと、心から尊敬してしまう。
    この小説は、素晴らしいスピーチを考えるスピーチライターの存在が物語の中核をなしている。
    主人公が、ある結婚式場で衝撃を受けるスピーチに出会い、その裏側にあるスピーチライターという存在を知り、自分も他人の心をつかむようなメッセージを作りたいと願う。
    スピーチとは何か、そしてそれを支える言葉とは何か、ひいては、どうすれば人の心に伝わるメッセージを作り上げられるのか。
    読者に対して実に興味深い展開で話は進んでいく。
    その合間に恋話や選挙の駆け引きなどが絡んでくるのだから、面白くないはずがない。
    久々に一気読みした小説だった。
    直木賞候補になった「楽園のカンヴァス」以前の作品ではあるが、原田マハ、さすがである。
    今後どんな作品を世に出してくれるのか分からないが、間違いなく彼女は、次の直木賞受賞者の筆頭候補だろう。

    • koshoujiさん
      まろん様。
      タイトルからはそれほど期待していなかった一冊でしたが、冒頭から引き込まれ、内容は予想以上でした。
      原田マハさん、やはり奥が深...
      まろん様。
      タイトルからはそれほど期待していなかった一冊でしたが、冒頭から引き込まれ、内容は予想以上でした。
      原田マハさん、やはり奥が深い。
      着実に成長していると思います。
      特に人物の設定やテーマに対する着眼点が面白い。
      掘り下げは少し物足りなさがなきにしもあらずですが、読後感も良く、オススメの一冊です。
      是非ご一読ください。
      新刊ラッシュの合間を縫って、私も彼女を追っかけている最中です。
      2012/10/05
    • nico314さん
      同じ本を読んでも、どこが印象に強く残るか、どのような感想を持つか人それぞれでおもしろいですね。kosyoujiさんのレビュー、抑えるべきあら...
      同じ本を読んでも、どこが印象に強く残るか、どのような感想を持つか人それぞれでおもしろいですね。kosyoujiさんのレビュー、抑えるべきあらすじを伝えながら、感じたことを表現されていて参考になります!
      2012/10/08
    • HNGSKさん
      kosyojiさん、いい本を紹介してくださって、本当にありがとうございましたー!!他の本も読んでみます。
      kosyojiさん、いい本を紹介してくださって、本当にありがとうございましたー!!他の本も読んでみます。
      2012/10/29
  • 新卒で入社した当時、コピーライターをしていた。
    出版や広告系の華やかな業界ではなかったけど、言葉遊びの楽しさ難しさ、狙った通りの成果が出た時の営業さんとクライアントの反応、何より自分が書いた原稿が誰かに影響を与える体験には中毒性があった。そのときのわくわく感を思い出した。1年足らずの短い期間だったけど、糸井重里さんら有名なライターたちが産み出してきた言葉を写経してリズムを意識したりもしていたなぁ。

    「本日はお日柄もよく」

    幼馴染で片想いの相手の結婚式。主人公こと葉は、あるスピーチの素晴らしさに胸打たれ、伝説のスピーチライター久遠久美に弟子入りすることになる。

    展開を気にして読むよりも、ひとつひとつの言葉を噛みしめたくて、ゆっくり読んだ。
    額縁に入れて飾りたいような、あたたかくて、気持ちのこもった、宝物のような言葉の数々。
    ジョルジュ・サンドの言葉に沁み入る。
    私も大切な人の門出の際にこんな言葉を贈りたい。
    この本に出会えて良かった。

    極意についてもわかりやすく描かれているのでスピーチ以外にも、プレゼンやディベート、愛の告白、プロポーズ・・・何にでも活用できる実用書になる。これは購入決定ですよ、奥さん。

    今はメールや電話で簡単にすぐやり取りができるけど、その分よく考えもしないで無造作に言葉を放っている自分を振り返って反省した。

    マハさんの本は「普通じゃない」「カフーを待ちわびて」以来3冊目だけど、本当に素晴らしい作家さんだとこの本で再認識した。
    政治は正直あまり興味のわくテーマじゃなかったけど、それでもマハさんの目を、筆を通せばこれだけ魅力的になる。「楽園のカンヴァス」も早く読みたい。

    • koshoujiさん
      ハナマルありがとうございました。
      いやあ「楽園のカンヴァス」があれほど衝撃的な作品だったとは。
      原田マハさんに感服しました。
      是非、お...
      ハナマルありがとうございました。
      いやあ「楽園のカンヴァス」があれほど衝撃的な作品だったとは。
      原田マハさんに感服しました。
      是非、お読みください。稀代の傑作。
      この本も読みたいですな。
      2012/07/26
    • koshoujiさん
      追伸:
      そういえば先ほどテレビを観ていたら糸井重里を久々に見ました。どこかの国への旅行ドキュメント。
      あまり年を取らないね、あの人。
      ...
      追伸:
      そういえば先ほどテレビを観ていたら糸井重里を久々に見ました。どこかの国への旅行ドキュメント。
      あまり年を取らないね、あの人。
      もう少しじいさんになっているかと思っていましたが。
      声は昔のままでした。
      2012/07/26
    • hetarebooksさん
      本棚が溢れそうなので文庫化を待とうかとも思っているのですが待ちきれないかな。

      言葉遊びは脳の体操みたいなものなので、糸井さんも頭の中の...
      本棚が溢れそうなので文庫化を待とうかとも思っているのですが待ちきれないかな。

      言葉遊びは脳の体操みたいなものなので、糸井さんも頭の中の若さが見た目の若さにもつながっているのかもしれませんね。
      「通販生活」という雑誌の今はなき「不朽の駄作」とかいうコーナーが好きで、小学生のころ読みふけっていた覚えがあります。
      2012/07/30
  • 読み始めて20ページでぼろぼろ泣けて、言葉ってすごい、スピーチって奥が深い、原田マハただものじゃない、と興奮して読んでいたのに、政治の世界に話は移り、総選挙戦の話題になって若干トーンダウン。

    すっごくおもしろいのになぁ。
    そっちではなく、トウタカのブランディングの話で読みたかったな。
    ワダカマとの攻防やら恋愛やらを読みたかったのもあるし。(告白やプロポーズの言葉を知りたい!)
    久遠久美さんの伝説のスピーチライターっぷりや、もっとスピーチライターの仕事そのものでこと葉が試行錯誤で成長する様子をよみたかったな。
    二人の師匠もすてきだし、やっぱり政治にいかないほうがよかったよ、と思う。

    なんつーか、実際の「政権交代」を果たしたかの政党の末路を知っていると、白々しくて響かないんだよね。
    原田さんにもこの本にも何の落ち度もないのだけど、実在政党とイメージがもろかぶってしまうことで、もはや「政権交代」にネガティブなイメージしかもてないんだわ。
    選挙戦は確かに言葉かもしれないけど、政治は言葉じゃ変わらないし、むしろ聞こえのいい言葉に騙されてはいけないよねと感じてしまう。
    今川幹事長も厚志くんもすっごい素敵で泣けるんだけどね。

    うん、でも、最初と最後の結婚式のところや、今川幹事長の言葉など、ほんとにすばらしい言葉にもたくさん出会えました。

    • マリモさん
      tiaraさん

      こんにちは!
      私も、この本読んで、政治の方向性はない方がよかったなぁと、同じ感想を持ちました。
      確かに作中の政治家のスピー...
      tiaraさん

      こんにちは!
      私も、この本読んで、政治の方向性はない方がよかったなぁと、同じ感想を持ちました。
      確かに作中の政治家のスピーチは感動的ですが、結婚式のスピーチで、思い出を2倍3倍に膨らませて感動的に装飾するのとは違い、政治家はやっぱり言葉に中身がないとだめですよね。
      スピーチの仕方は、とても参考になったんですけども(笑)
      2013/03/18
    • tiaraさん
      ありがとうございます。

      そうですよね、スピーチや言葉をテーマにしているところはとても興味深くておもしろいのに、少し残念な気がしますよね。
      ...
      ありがとうございます。

      そうですよね、スピーチや言葉をテーマにしているところはとても興味深くておもしろいのに、少し残念な気がしますよね。
      同じように感じてくださってうれしいです。
      2013/03/18
    • kwosaさん
      tiaraさん

      リフォローありがとうございます。

      原田マハさんが書く「言葉のプロ」のスピーチのクオリティの高さには驚きます。

      政治の話...
      tiaraさん

      リフォローありがとうございます。

      原田マハさんが書く「言葉のプロ」のスピーチのクオリティの高さには驚きます。

      政治の話は、たしかに実際の政局が頭をちらついて物語に入り込めないところはありますよね。

      tiaraさんの本棚を拝見しました。
      読みたい本ばかりで、とてもわくわくしています。
      時々おじゃましますので、これからもよろしくお願いします。
      2013/04/09
  • 読み始めてすぐに主人公 こと葉のキャラクターが大好きになってしまった。
    ・・・と同時にわづか30ページ足らずで早くもウルウル。業師ですよ!マハさん!
    それからは随所で、あたかもワサビのすごく効いたお寿司を食べさせられてるような鼻の奥がツーンとして目頭が熱くなること数回。
    またしてもやられました(~_~;)
    スピーチライターというお仕事はお初でしたが
    私が過去にやった結婚式のお粗末スピーチ。。。
    この本を先に読めていれば少しはましなものになったかもと後悔^^;
    言葉の持つ力ってすごい!と思わせてくれたステキな本でした。

  •  製菓会社のOLである主人公のこと葉が、片思いの幼なじみの結婚式で伝説のスピーチライター 久美に出会う。久美に弟子入りし、友人の結婚式で行うスピーチの準備をする中で、言葉の持つ力に目覚め、会社を辞めて自らもスピーチライターを目指す。幼なじみの選挙に関わる中で、仕事を通して成長する主人公の姿がみずみずしい。また、ライバルのイケメン ワダカマとのやり取りも好ましい。

     以前読んだ「舟を編む」でも感じたことだけれど、言葉の持つ力を改めて意識するようになった。伝えたいことがあっても、ただ闇雲に言葉を並べるだけでは相手には伝わらない。伝えたいことを、伝えたい気持ちを自覚して、どうしたらより相手が受け止めてくれるのかを工夫する必要があるんだよね。
     日頃、雑な言葉を並べているなぁと反省。言いたいことをただ言うだけでは、吐き出しただけに過ぎず、一方通行で終わってしまいがち。仕事上だけでなく、日常の会話においても、一考させられた。
     また、主人公を取り巻く家族(厚志君の家族も!)が魅力的。特に、おばあちゃん。この人の描写を読んでいると、お年寄りって、長く生きてきて身につけた知恵や感性があって、一目置くべき存在であるとしみじみ思う。

    • koshoujiさん
      コメントありがとうございました。

      私は詳しいあらすじを書くのが時々面倒くさくなるので、自分の思いのたけを自由に書いているだけです(笑)...
      コメントありがとうございました。

      私は詳しいあらすじを書くのが時々面倒くさくなるので、自分の思いのたけを自由に書いているだけです(笑)
      原田マハ良いですよね。
      最初は単にタケヤガヤケタみたいな変わった名前だなあぐらいしか思ってなかったのですが、ブクログで「楽園のカンヴァス」への評価が高かったので、読んでみたら、感動モノでした。
      これからも目が離せません。
      というより、既に出ている作品をもっと読みたいなと思っています。
      いろいろな作品に対するnicoさんの今後のレビューも楽しみにしています。
      2012/10/10
    • HNGSKさん
      私も、Nicoさんと同じように、この作品を読んで言葉の大切さを再認識した一人です。これからも、良い作品があれば紹介してください。
      私も、Nicoさんと同じように、この作品を読んで言葉の大切さを再認識した一人です。これからも、良い作品があれば紹介してください。
      2012/10/30
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著者プロフィール

原田 マハ(はらだ まは)
1962年東京都生まれ。小6から高校卒業まで岡山で育つ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史学専修卒業。
馬里邑美術館、伊藤忠商事株式会社、森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館での勤務を経て、2002年よりフリーのキュレーターとなる。
2005年小説化デビュー作の『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、『キネマの神様』で第8回酒飲み書店員大賞をそれぞれ受賞。2013年には『ジヴェルニーの食卓』で第149回直木賞候補、2016年『暗幕のゲルニカ』で第155回直木賞候補となる。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞受賞となり話題になった。

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