地を這う祈り

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • 徳間書店 (2010年10月1日発売)
4.20
  • (46)
  • (52)
  • (18)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 428
感想 : 71
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198630430

みんなの感想まとめ

衝撃的な現実を描いた本作は、途上国の貧困層の厳しい生活を生々しく伝える写真エッセイです。著者は、ストリートチルドレンや物乞いをする人々の姿を通じて、私たちが普段目を背けている世界の真実を浮き彫りにしま...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 世界の貧困の現実を載せた本作。
    写真が多く、視覚的に訴えるものばかりでした。

    正直、この本のページを捲るのが怖かった…どのくらい怖かったかというと、動物の殺処分の実態を知るときくらい怖かった…

    特に印象に残ったのは、
    マフィアに腕を切断され物乞いする男の子、
    レストランの残飯を手にするストリートチルドレン、
    下半身はだかで路上に横たわる女性。

    写真が脳内に焼き付いて、今後忘れることはないと思います。

    日本の情勢に対して意見がありつつも、この本を見ると日本は本当に恵まれた国だなと思い知らされます。
    平和ボケしている僕ら。
    世界の貧困の現実は誰もが知っておいた方がいいなと思いました。

  • これほど心に強い衝撃を覚える作品はなかなかない。
    僕たちが蓋をしたまま無関心でいる世界の現実を、現場からこれでもかと突きつけてくる。
    悲しすぎて、苦しすぎて、身を引き裂かれるようだ。
    1ページ1ページ、めくるのがつらい。
    知っておくべきでは足りない、経験しておくべき作品だと思う。

  •  途上国の路上生活者など、世界最貧困層をおもな対象とした取材旅を重ねてきた著者が、それらの旅で撮影した写真を集め、文章を添えたフォト・エッセイ集。

     これまで石井作品を読んだことがない人にとっては、「石井光太ワールド」への格好の入門編となるだろう。
     また、過去の石井作品の舞台裏を垣間見られる本でもあるから、石井ファンが読めばいっそう味わい深い。たとえば、『レンタルチャイルド』に登場した全身疣だらけの物乞いや、物乞いをするときに同情を引くために腕を切り落とされたストリート・チルドレンなどの写真も掲載されている。

     写真のみのページも多いのであっという間に読み終わるが、読後感はずしりと重い。たとえば、シンナーを吸って味覚を麻痺させたうえ、水で濡らした新聞紙を食べて空腹をしのぐエチオピアのストリート・チルドレン……などという衝撃的エピソードの連打だからである。

     写真の合間に挟まれた短いエッセイや、巻末の「取材の裏側――石井光太への14の質問」では、石井が自らの取材作法を明かしていて興味深い。
     「石井光太はなぜこんなにすごいエピソードを集めてこられるのか?」という読者の疑問への答えが、ここにはある。たとえば――。

    《私が話を聞きたいと思う人の多くは、一般社会から差別された人々だ。物乞いであり、ハンセン病患者であり、子供兵である。エリートのガイドでは、案内することができない。
     そこで、私は一つの目安として、話を聞きたいと思っている人と同じような立場の人間をガイドにすることにしている。ハンセン病患者であればハンセン病患者をガイドにする。物乞いであれば物乞い、子供兵であれば元兵士や傷痍軍人などに頼むのである。日本だって、ホームレスのことはホームレスが一番詳しく知っているだろう。海外とて、それは同じなのである。》

    《取材というのは、かならず当初の「予想」を覆すものです。たとえば、少女売春婦はイヤイヤながらに売春宿で働かされているんだろうな、と考えて行ってみると、十一、二歳の子たちがあぐらをかいて笑いながら、
    「今日、私は五人もお客さんがついたのよ」
     なんて自慢してきたりする。
     取材とは想像を粉々に壊すためにすることなのです。この大切に抱えていた予想や価値観がひっくり返る瞬間こそが一番面白いところですね。》

    (だからといって、組織的少女売春が肯定されるべきでないのは言うまでもないし、石井もそんな意味で言っているわけではあるまい。為念)

  • とにかくショックな一冊だった

    目をそむけたくなるような写真が多く
    でもこれがまだまだこの世界の現実なのだ

    豊かな国はほんの一握り

    ゴミ溜めの中で生きる子どもたち

    自分の目をつぶされ、腕を切断され物乞いさせられる子どもたち

    歩けないので自分の汚物で垂れ流しの台車の上でくらす老婆

    売春をする幼い少女達

    貧しい世界ではいつも犠牲は子どもたちか
    ひ弱な老人たち

    でも彼らの目は意外なほど力強い

    そんな生活の中でも、しっかりプライドを持って生きている

    生きるエネルギーが伝わってきて
    豊かな世界にいる自分の方がひ弱な気がしてしまうのはなぜだろうか

    作者の石井光太さんは本当にすごい!!

    目を覆わず勇気をもってシャッターをきる。
    ありのままを伝えることに命を燃やしている

    それはこの残酷な現実をたくさんの人に知ってもらいたいという気持ちからだ

    世界の現実を直視せよ!!

    彼のメッセージに、今の自分に何かできることがあるのかを考えさせられた

  • 石井光太さんは、いつも私に「現実」を突きつけてくれる。
    心をえぐられるような感覚と、深い衝撃に襲われる。
    それでも目を見開いて、あっという間に読んでしまう。
    それを見て、私は幸せだ・・・などと安堵することはない。
    むしろ、自分の無知加減に驚き、世界の広さとあまりの違いに言葉を失ってしまう。
    本当にいつも多くの刺激を与えてくれる著者の一冊。

  • 圧倒される。
    世界には、こんなにも過酷な姿がある。
    「貧しい人たちもいる」とか「大変な目にあっている人たちがいる」とか、言葉にすれば平坦になってしまう。
    この本に収められている世界の姿は、そんな平坦な表現・想像を簡単に吹き飛ばす。
    「自分に何ができるんだろう」なんて考えられないほど、ただただ腹を抉るような衝撃の大きさに耐えるしかできない。

  • 貧困地帯を渡り歩き、一般的に忌避される人々への取材を続けている著者のエッセイ&写真集。
    日本では想像もつかないような世界の最貧困層の実態を、余計な感傷を交えることなく捉えた内容。
    より多くの銭を稼ぐために病や怪我や死でさえも利用する物乞いたちの姿に始まり、生きるために性を売りながら果ては路上死を迎えた女性の写真、さらにはシンナーを片手に新聞紙を貪る少年の話まで、読み進めるほどに苦しさが募った。
    時折挿まれる人々の笑顔の写真は、麻痺し始めた現実感をそのつど揺さぶり起こしてきた。
    思いがまとまりきらず、言葉に詰まる。

  • 凄まじい。表現し難い衝撃だ。

    眼を背けたくなる光景。それが日常に溶け込んでいる事実。紛争や飢饉という非日常ではない。日常である。同じ空間に悲惨さが横たわっているのさえ忘れさせる微笑ましい写真もある。アジア特有のまとわりつく埃っぽい空気感とともに、数々の事実を切り取った写真の価値は高い。

    石井氏が自ら語るように、自分の弱さを痛感しながらも使命感から貧民窟を訪問し、写真を取り、文章へ興す。初海外がアフガニスタンというツッコミどころはあるものの、冒頭で語られる少女とのエピソードは彼の強烈な原体験になっている。偽善ではなく問題提起。本書の意義は十分果たしている。

  • <再読>世界の貧困地域で生活する人々の姿と実情を写真と文章で綴る。冷静かつ沈着な視線からありのままを知り、色々と考えさせられる。

  • 配置場所:2F書架
    請求記号:368.2||I 75
    資料ID:W0158595

  • 2019/06/21読了図書

  • 世界にはまだまだ生きていることが奇跡な人々が沢山いることを気づかされる本。
    ストリートチルドレンの子どもたちのその後を知りたい。

  • 今までの著作の裏話的なフォトエッセー。世界の最底辺の人達の取材秘話ですな。写真も豊富で勉強になります。クソみたいな最貧困な人生を当たり前の様に送る人達はいったい何を考えてるのか?とか考えます。ただ生きる事しか考えていないよね。人間だって動物だもの。

  • 諸行無常の響き。

  • 15.oct.15

    『アジアにこぼれた涙』を読んで衝撃を受けたので、二冊目。

    道端で見かけたら直視する勇気がでないかもしれないような写真が大きく載っていたりする。
    文字はそれほど多くないが写真から臭いや砂ほこり、熱気などが伝わってくるようで一つ一つ読むのに唾を飲み込みながらというか、なんというか体力を要した。でも一気に読んでしまった。
    聞いたり読んだりするのよりも、一枚の写真を目にするほうが、圧倒的な衝撃がある。

    筆者も言っていたが、
    暖かい場所で、美味しいものを食べながら貧しい人々のことを上から語ることはしたくないと思った。

    この人たち一人一人が幸せになれるにはどうすればいいのか?すぐに思いつかない。

    比較貧困学という本も借りたのでこちらも読んでみる。今回の本は絶対貧困=経済的に貧しい人々を取り扱っていたが、相対的な視点では日本は貧しい国なのだとか…どういうことなのか想像できなくはないが、興味深い。

  • 衝撃的な写真が多くある。ただこれは世界で実際に起きてること。それと向き合うこの本に出会えて良かった。

  • 写真が多いけど読み応えたっぷり。石井さんへの質問コーナーでの返答、「問題を提起できる人間でありたい」に全て表されてると思う。

  • やはり写真のインパクトはすごい。文章では伝わらないものもある。
    著者の人間性にもとても共感できる。
    何かせねば。と自分も考えさせられる。

  • これまでたくさんの書籍を手に取り
    無数のページをめくってきたが
    この本ほど心が震えたことはなかっただろう。

    写真を直視するのに
    感情の嵐が吹き荒れる思いに陥るのだけど
    目を逸らせてはいけないような相反する感情も沸いた。

    “衝撃”というひとことでは語れない。

  • 市図書館。

    “一般的に”言う「グロ画像」が何点か掲載。
    しかしこれはまぎれもない『現実』であることを本書は証明。

    世の中には答えがある問題はそれほど多くない。

全58件中 1 - 20件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

1977年東京都生まれ。作家。国内外の貧困、災害、事件などをテーマに取材・執
筆活動をおこなう。著書に『物乞う仏陀』『鬼畜の家』『43 回の殺意』『本当の貧
困の話をしよう』『ヤクザ・チルドレン』『ルポ 誰が国語力を殺すのか』『ルポ ス
マホ育児が子どもを壊す』など多数がある。2021年『こどもホスピスの奇跡 短い
人生の「最期」をつくる』で新潮ドキュメント賞を受賞。

「2025年 『最期は一日中抱っこさせて(叢書クロニック)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

石井光太の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×