プラントハンター 命を懸けて花を追う

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 287
感想 : 55
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198631383

作品紹介・あらすじ

「絶対不可能」をくつがえす!いま注目の若き「植物探索者」が語る「人の意識を変える植物の力」。

感想・レビュー・書評

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  • 色々と活躍されているワイルドな西畠清順さん。「花宇」の5代目。

    花宇の歴史が面白かった。代を重ねるごとに時代に合わせて、時代よりも先に変化していかないと、他社に負けてしまうんだろうし、取引相手は全世界なので、それを思うと、とてつもない仕事だと思う。

    樹齢100年の外国の樹、同じく樹齢100年の日本の樹を輸入したり、輸出したり、とても忙しそう。

    でも樹齢100年の輸入も輸出も、何だか勿体ないような気がしてならなかった。そこはきっぱりと仕事、職人魂として割り切らないとやってられないだろう。一瞬の気の迷いや雑念で、樹が(輸送中などに)枯れてしまったら…元も子もない。

    そこできっと父親が「おまえには殺気が足りない」となるのだろう。今でもこういう風に職人が存在しているんだと思うと、何だかうれしい。

    昔の大工はおっかなくって、(決して怒っているわけではない)「3時のおやつです。お茶飲んで休んでくださーい」と言う係(当時、中高生の私)を、やらされた時は、声を掛けられるような雰囲気でなくって…もごもごと言うことしか出来ず、棟梁が放つ殺気に気圧されていたんだと思う。(今、こういう棟梁はなかなかいない)

    花宇もきっと同じ4代目が仕切る世界、そこに入り込んだ後継ぎ5代目、この本でも語られるけど並々ならぬ葛藤なんだろうなぁ…と。

    富士山で遭難は本当に天罰なんだろうと思った。欲張ったり違う道にそれていくと、自然からの警告みたいなものがあるんだろうな…。山菜(きのこ)取りなんかも同じ。自分の体力や帰り、帰宅までのエネルギーを残しておかないといけないし、欲に目がくらんで、ほいどし過ぎると山で迷う。運が悪ければ遭難死だ。来年の株を残して自然に配慮する。根こそぎ、丸ごと採るのはタブーだった。(今はこういう山の掟みたいなのなくなった早い者勝ちの取り放題…。)



    私は多肉植物と観葉植物(寒さに強くって手入れが楽な子)が好き。花はあまり。。。だけど、この本を読んで花瓶に花を挿すのも悪くないかもと思いました。

    若さあふれる楽しい一冊でした。息抜きになりました。

    バナナの和名が「芭蕉」というのにびっくり。松尾芭蕉ってすんごいいいセンスしてるー、とか全然関係ないことを思った私。じゃあ…よしもと芭蕉もありかも…とか変な方向にいってしまいました。(すんません(-_-;))

  • 「プラントハンター」という仕事そのものが面白かったし、著者の成長物語としてもとても面白かった。
    職業につくきっかけ、職人さんやお父さんとの確執、技術そのものの習得過程、海外取引のトラブルなどを経て、腕や目が確かなものとなり、新しい斬新な企画ができるようになり、多くの人の気持ちを動かすようになってきた、という。
    様々な植物の話も面白く、珍しい植物を集めるという欲望にいきついた大富豪の話(ヨーロッパ貴族も同じだ)、桜の開花調整、ご神木、突然変異、新種の名前付けのことなど……。
    この本に出会えてよかったな、と思えた、おそらく今年のベストワンかも。

  • 情熱大陸で紹介されていた西畠さんを見てなんて面白い方なんだろうと思った。花于4代目の父親から『お前には殺気が足りない』と言われたいうエピソードに職人世界の厳しさを感じた。

  • ♪(´ε` )

  • 植物の魅力、そしてそれを扱うプラントハンター(≒植木屋)の魅力、感じながら読めました。こんな関わり方もあるのだなぁと。

  • 世界中からいろんな植物(作者は総称として花)を輸入したり探し出したりする話。
    龍血樹とか珍しい木があることは知っていたけれどそれに対して今現在育てようとしている人がいることとか始めて知った。
    オリーブの木も千年単位で育つとかすごいなと。

    花を求める人はたくさんいるんだから考えたらこういう職業の人がいることは当たり前なんだけれど思い浮かばなくてすごく興味深かった。

  • プラントハンターという職からして私にとってもは大変珍しかったので、表紙買いしたこの本。
    内容は、著者の仕事の中でも印象に残ったエピソードをのせているのですが、植物の可能性や、世の中にこういう職種もあるのかと興味を持って読むことができます。

    世界中を飛び回れて楽しそうだなって印象ですが、
    365日絶え間ない努力と、大変な思いをして今が成り立っていることがよくわかる自伝のようなものです。

    やはりどの職業でも共通していえるのは、
    一流のプロと言われているかたは、その仕事が好きであり、その仕事の意義をしっかりと分かっていて、徹底的にこだわっているということ。

    とても刺激をもらえた本です。

  • 世界から様々な植物を買い付けるプラントハンターの作者が20代から、親の会社を継ぐまでに経験したことを綴っています。

    文章はそんなにギチギチしてないので短時間で読めます。
    中は巻頭と巻末にカラー写真入りで、様々な植物が見れるのが面白いですし、文章中にも白黒で写真が入っており視覚的にも楽しめました。

    植物の卸問屋という業者ならではの悩み(日本の検疫の厳しさ、長期に渡って運ぶことの難しさ、海外の業者のルーズさに悩まされるなど)や、プロの職人の仕事の世界を覗くことが出来て面白かった!

    また、最後の方に出てきた向日葵の新種?が凄かったです
    「ひまわる」って名前もピッタリで、最後の写真を見てびっくりしてしまいました。

  • (01)
    30歳を過ぎた著者が20歳を過ぎてからの約10年を振り返り,「花」を生きたまま採集した数々のエピソードを披露している.「花」というのは,著者の言葉では植物全般を指している.花宇という会社の後継ぎとして育てられた著者が,反抗期もみせながら,稼業ないし家業と一体化していく様子を本書に読むことができる.
    興味深いのは,植物を採集することの罪悪感のありどころである.第三章では「植物は枯らしてもいい」と持論を展開し,植物を消費するものとして位置づけている.そこに資源を保全する感覚がまったく抜け落ちているかというとそうでもなく,栽培や繁殖,在庫や流通のバランスも後半には少し出てくる.また,法律に抵触する採集を行っていたことを包み隠さず暴露している点は,露悪的というよりも,「ハク」をつけ自身をブランド化しているようにも読める.
    危険を冒すこと,命を懸けることとともに,脱法すれすれであることが語られ,こうしたリスクを植物の価値の上乗せに換価しているという商売として本書を読むことができるかもしれない.
    様々な観点によっても,このプラントハンターの行く末は楽しみでもある.

  • 図書館の本棚からなんとなく気になって選び出した一冊。
    読んでいると…。
    「これ!神戸の『世界一のクリスマスツリー』で今賛否両論になってる人だ!」と気付く。
    植物卸問屋『花宇』の跡取りとして不自由なく過ごした青年期。
    そして厳しい職人の世界に飛び込んでからの彼のハングリー精神やチャレンジ精神。
    そして植物への愛と自分を囲む人たちへの愛。
    植物を愛してるからこその「植物は枯らしてもいい」という短い章になんだかとてもたくさんの想いを感じた。
    そして植物園に行きたくなった(^^)

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著者プロフィール

1980年生まれ。明治元年より150年続く、花と植木の卸問屋「株式会社花宇」の5代目。日本全国・世界数十カ国を旅し、収集・生産している植物は数千種類。日々集める植物素材で、いけばな・フラワーデザイン・室内緑化・ランドスケープなど国内はもとより海外からのプロジェクトも含め年間2000件を超える案件に応えている。2012年1月ひとの心に植物を植える活動である、“そら植物園”をスタート。様々な個人・企業・団体と植物を使ったプロジェクトを多数進行中。著書に『プラントハンター』(小社)、『そらみみ植物園』(東京書籍)

「2015年 『教えてくれたのは、植物でした』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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