- Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198631451
作品紹介・あらすじ
第二次大戦後まもないヨーロッパで、腹話術師として旅をしていたひとりぼっちの若者フレディは、ある晩、少年の幽霊と出会った。「ぼくは戦争中、まだ生きていたころ、あなたを助けた。戦争が終わったら恩返しをする、と言ってくれたから、会いに来た」と、幽霊は言った。幽霊の名はアヴロム・アモス。ドイツのナチスの将校に殺されたのだという。この世でまだやらなければいけないことがある、それを手伝ってくれたら、腹話術の舞台を手伝う、というアヴロム・アモスの申し出に、フレディは…?幽霊と孤独な若者のあいだに育つ友情を通して、戦争の傷跡と平和な世界への希求を児童文学の名手が描く、感動の一冊。小学校中・高学年〜。
感想・レビュー・書評
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読み始めは、文章が少し取っつきにくく、入り込めなかったが、慣れてくると物語自体は面白く、先へ先へと読み進めていけた。
短い物語なのに、その中にこれだけの内容を入れ込み、しかも上手く描ききっている。
その後を描かないラストもいい。
好みとは違うのだけれど、良い作品なのだと言うことはよく分かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大好きなフライシュマン。死後に出た作品。
ホロコーストがテーマ。でも暗くない。 -
★★★☆☆
復讐のために、人形師と旅をする。
仕返しだけではなく、思い出とか友だちのためにジョーブツ(ユダヤの幽霊に対して適切でない言葉です)して欲しいなあと思う。
復讐相手の元・軍人が、ステレオタイプに描かれているのも、もうひとつグッと入り込めなかった原因かも。
(まっきー) -
何これ切ない。表紙のイラストから受ける印象とだいぶ違ってシニカル。主人公がなぜあの女性と結婚したがってるのかが一番の謎。
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第二次世界大戦後、あまり売れない腹話術師<天才フレディ>として活動していた青年の前に、ユダヤ人の少年の霊(ディブク)、アヴロムが現れ、“舞台を手伝うから、ぼくのやり残したことを手伝って”と言われ…。
タイトルと表紙からイメージしたものとは違っていたが、ファンタジックで、時にユーモラスな話で、扱うテーマの割に暗くなりすぎず、良い本だった。 -
物語を楽しむだけでなく、ぜひとも「自分と世界のつながり」を考えるきっかけにしてほしい本。作者がどんな思いでこの作品を発表したのか。作者あとがき、訳者あとがきまでしっかり読んで欲しい本です。シド・フライシュマンの他の作品も読みたくなりました。
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物語を楽しむだけでなく、ぜひとも「自分と世界のつながり」を考えるきっかけにしてほしい本。作者がどんな思いでこの作品を発表したのか。作者あとが...物語を楽しむだけでなく、ぜひとも「自分と世界のつながり」を考えるきっかけにしてほしい本。作者がどんな思いでこの作品を発表したのか。作者あとがき、訳者あとがきまでしっかり読んで欲しい本です。シド・フライシュマンの他の作品も読みたくなりました。2012/07/31
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第56回西日本感想画の選定図書・高学年
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それでも。
それでも悪者を作りたくないと思うのは、私が戦争を知らない日本人だからなのかな。
復讐以外の楽しいこと、もっといっぱい経験させてあげたい。
フレディといた、その間に、彼はそんな楽しいことも、沢山経験できたのだろうか。 -
第2次世界大戦が終わったヨーロッパで、元アメリカ兵士だったフレディは
故郷には帰らず、ヨーロッパの国々を渡り歩いて腹話術師として生きていた。
フレディは上手な腹話術師ではなかったが、ユダヤ人の少年の霊ディブクに
取り付かれてからは、大人気の腹話術師になったのだった。
フレディが口を動かさなくても、飲み物を飲んでいても
自由自在に声が出てくるのだ。
もちろんそれはディブクの仕業だったが、ディブクはフレディの
仕事の手伝いをする見返りに、ある頼みごとをしてきたのだった。
『わたしたち人間が過去にどんなことをしたのかを知らなければ、
未来に起こることにかしこく対処できるはずがありません』
(あとがきP.159より)
ホロコーストは残虐な歴史の一つですが、わたしたちはいろいろなかたちで
記憶に留めておかなければならないのですね。