スターバックス再生物語 つながりを育む経営

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  • Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198631505

作品紹介・あらすじ

超ブランド企業を襲った存亡の危機-。名経営者は、なにを語り、いかに実行し、奇跡的な回復へと導いたのか?瀕死の組織に命を吹き込んだ、熱き言葉の数々と再興までの記録。

感想・レビュー・書評

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  • 2年ぶりに再読。
    著者のスターバックスにかける並々ならぬ情熱と、どこまでも自身の直感力と行動力でパワフルにやり切った結果が揺るぎないブランドを作りあげたのだな、と感じた。
    客観的に観てくれる他者のアドバイスをコアバリューに照らして、判断する責任の重さに、自分であったら押し潰されそうだ。とはいえ、状況が好転したのはコスパが良いインスタントコーヒーに参入した事が大きな要因に思える。コアバリューも時代の流れと共に「ものは考えよう」という事か、とも考えた。

  • ハワード・シュルツが、いかに言葉によるエンパワーメントの才に富まれた人なのかを感じる。
    置かれた状況や掲げる理想を卑近なメタファーで言語化する能力が卓越している。
    訳語しか読んでいないが、原書での表現にも目を通してみたいと思わされた。

  • 『スターバックス再生物語』
    ハワード・シュルツ著

    202004執筆
    今回の世界の変化に対して、スタバの意思決定ならびに運営にたいして、スタバ社の文化を感じとった方も多くいらっしゃるかと判断します。

    この書籍は、創業者シュルツさんが執筆しています。
    メッセージと今回のスタバ社の運営の言行一致を観察できる良書です。

    スタバに会えなくて寂しい読者の方は、再会の日までに読了してみるのもありかもしれません。
    きっと、その再会の日に、また新しいスタバに出会えます。


    202001執筆
    創業者としての違和感。業績の▲。
    再登板を意思決定したシュルツ。
    彼の原体験。イタリア/エスプレッソ。風味、店お客様の雰囲気に心動かされ創業。それから40年以上。
    物語を知り店へ。
    別の風景があるかもです。

    アメリカ業績回復後2年ぶり中国視察。
    現地パートナー店長からのプレゼント。
    現地新聞切り抜き。4つ。

    1.創業者シュルツ誕生日
    2.スターバックス上場日
    3.台湾出店日
    4.上海出店日

    この事実がスターバックス物語。

    #読書好きな人と繋がりたい

  • 題名の通り、リーマンショック前後に経営不振に陥ったスターバックスを、
    創業者兼会長がCEOにカムバックし、再生させる物語。

    コーヒーを核とした「第3の場所」提供という、プレミアム路線の追求により
    成功したコーヒーチェーンが、その成長体験を拡大させる中で、どのように
    経営不振に陥り、どうやって再生したのかが余すところなく書いてある。

    特に、性急な拡大の追求(≒戦線の徒な拡大)がいかに本業を見失わせ、
    その成長の背後で、ビジネスモデルの破綻が進むのか、考えさせる内容。

    「店舗を(中略)増やす過程で私たちは多くの決定を下してきた。
     しかし、それはいま思えば、スターバックス体験の質を低下させ、
     ブランドをコモディティ化してしまった。
     こうした決定の多くは、おそらく当時は正しいものだったのだろう。
     また、それ自体が体験の質の低下を招いたわけではない。
     しかし、残念ながら、それが積み重なって有害なものになってしまった。」
    by ハワード・シュルツ(P36-37)


    ■スターバックスの強みの源泉(「ストーリーとしての競争戦略」をベースに)

    ・「自宅(第一の場所)」「職場(第二の場所)」に続く「第三の場所」の提供
     =回転率で稼ぐのではなく、顧客にプレミアムなコーヒーを買ってもらい、
      むしろ長くくつろいでもらう戦略。
    ・そのため、フードは利幅が大きいが、あまり力を入れると「第三の場所」が
     「食事の場所」になってしまうので控えめにし、お店を演出するスタッフの
     士気を高める「パートナー制度」(ストックオプションや健康保険の適用等)を
     導入、そうしたオペレーションを高いレベルで維持するために直営店に拘る。


    ■リーマンショック直前の事業拡大モデル

    ・高いブランド価値を武器に、エンターテインメント(音楽・映画)流通や、
     ぬいぐるみ等の物販を拡大。顧客のニーズに応える形でモーニングの
     サンドイッチも強化。これらにより、既存店の売上を継続的に伸ばすと同時に、
     店舗あたりの利益率を引き上げ
    ・高い利益率を武器に出店を加速し、成長を追求するビジネスモデルを構築。


    ■事業拡大の背後で進んだ課題

    ・既存店売上の拡大を追求する余り、周辺事業であるはずのフード提供や物販が
     主目的となり、コアであるプレミアムなコーヒー体験の提供が疎かに。
     (ホットサンドイッチのチーズが焼ける香りはコーヒーの香りを打ち消す)
    ・サプライチェーンが急激な店舗拡大についてこれず、つぎはぎだらけに。
    ・店舗拡大も、高い利益率を前提に採算を十分吟味しない出店が増加。


    ■リーマンショック後の業績悪化

    ・プレミアムなコーヒー体験劣化に伴うブランドのコモディティ化により、
     マクドナルド等のファーストフードのコーヒーと競合する羽目に。
    ・全米の消費が低迷する中、店舗の高コスト体質、鈍重なサプライチェーンによる
     売上機会の喪失が重なり、業績が急速に悪化。


    ■創業者のCEOカムバックに際し行った施策

    ・コア事業と周辺事業の明確化
     ~サンドイッチ販売の中止(後に復活させるが)
     ~物販、エンターテインメント事業の縮小
     ※こうした試みをサポートするため、既存店売上の前年比の開示中止
      (周辺事業によるコア事業不振の補填を止め易くするため)
     ~ミッションステートメントの再定義
     ~新商品(パイクプレイス・ロースト)の開発

    ・現場の徹底強化・権限移譲
     ~全店舗を閉鎖してのエスプレッソ研修
     ~コーヒー抽出のレベルを高いレベルで安定させ、バリスタが顧客との
      コミュニケーションに意識できるようにするマシン「マストレーナ」導入。
     ~リーン方式を導入し、画一のマニュアルベースの店舗運営から、
      店舗が環境に合わせた運営を行えるよう、権限移譲を実施
      (店舗レベルでの業務改善を促進し、売上ロスを抑制)
     ~店舗運営を支えるべく、店舗運営システムやPOSシステムを刷新

    ・顧客との関係強化
     ~ロイヤルティー・プログラム
     ~マイスターバックス・アイデアドットコム
      (アイデアを参加者に選別してもらい、それをスタバが採用するシステム)
     ~ソーシャルメディアを通じた、スターバックスCSR活動の積極発信と
      共感者の裾野拡大
     ~VIAによるインスタントコーヒー市場への参入
      (スターバックス体験を、店舗外にも広げる)

    ・現場を支えるサプライチェーンの改善
     ~スペシャリストの招聘と、専門家チームの育成

    ・不採算店舗の閉鎖
     ~拡大期に作ってしまった不採算店舗を一気呵成に閉鎖

  • 企業拡大に目を取られ、船が徐々に沈んでいることに気づいた時、トップはどのように行動すればよいのか。スターバックスの創業者がとった行動は、まずCEOに返り咲き、外部からのアドバイスを求め、新しいアイデアを呼び起こし、どれかが当たるまで球を撃ち続けるというもの(行動の中にはレイオフも含む)。さらにスターバックスの在り方、信念をもう一度深く考えて基本に返り、時に道を外れそうになりながらも「信念」という明かりを胸に少しずつ前進してゆく姿には痺れた。古い習慣に縛られず、絶えず変化して新しいものを求め続けながらも、「信念」に沿って行動することの大切さを本書より学んだ。

  • ハワードシュルツの、スターバックス愛を熱く語った一冊でした。
    読んだら、スターバックスが更に好きになり、
    フェアトレードの説明などもあり、
    コーヒーの値段は納得しました。

    ハワードシュルツは、
    パイクプレスローストや、ビアを褒めてたけど、
    好みは、人それぞれですね。

    美味しいコーヒーを提供する上で人の大事さ(パートナー)が伝わりました。

  • 利益と人間性をどう両立していくかという現代社会の大きな課題に取り組んでいる、それを知れて興味深かった。
    著者が経てきた決断、プレッシャー、人との出会いと関わり合いが彼の勇気や根気、行動力を色濃く表していて、一人の人間のなせることの大きさに感動した。スタバのコーヒー一杯が見せかけのものではないということを知る。力づけられる思いになる。

  • 良くも悪くもスターバックスは文化であって、こういう企業が資本市場を生き残ってゆける懐の深さがアメリカがアメリカである所以かもしれない。例えばドトールコーヒーにここまで大仰な物語が語れるか、といったらそうではないと思う。ドトールよりもダンキンドーナツの方が物語性があるかも知れない。そういう物語性と日本のサラリーマン文化は相入れないのかもしれない。スターバックスは日本でも愛されているわけだけど、それも「アメリカ(海外)のもの」という前提があるからかもしれない。

    こういう強力な「文化=ブランド」を生み出す企業は数多くはないし日本には中々ないですね。

  • まずは、拍手!!!
    500pagesにものぼるこの本を、今までで一番短い時間で読み終えることができた!
    それも、集中して!!!

    それもこれも、
    書いてある内容に関心を抱く部分が多かったからやろう。

    率直に言って、
    スターバックスのことをあまりにも知らなかった、と感じた。

    お客が知らないところで、スターバックスは店舗の隅々にまで、空間、空気感、香りにまでこだわり尽くしていること。
    コーヒーを生産している国々への真摯な態度と援助。
    たくさんの自発的なCRS活動や、
    従業員への最大級の感謝。

    知られていないのは、
    それが当たり前のことだと思っているから。
    スターバックスの生みの親、ハワード・シュルツは、とんでもなく情熱的で、まっすぐで、心の清くて広い人やと感じた。

    一起業家の本やから、数字や経営に関することも書いてあって、読んでていろいろ思うことはあった。

    失敗もしてきた、というか、失敗と立ち直りの繰り返しでやっと今のスタバがあるねんなって知った。

    でも、絶えず感動体験を提供することやパートナーに尽くすことを忘れず、
    それに注力した結果、
    少しずつ、周りの小売店が真似るような存在になったり、何かアクションを起こせば話題にあがるようになった。

    ずっとずっと、変わらぬ信念を持ち続けること、それをパートナー全員に伝え、パートナーを通して全世界のお客様に伝えることってむちゃくちゃ難しいと思うが、スタバは今やってのけている。

    そして、完成やと思わず常に新しいことに取り組んで進化する姿勢がすごいと、読んでて感じた。


    たくさんのことを感じて、うまくまとめれません(ーー;)笑

    気になる人は、一読を。笑

  • 僕はこの本を読むまで、スターバックスが経営危機に陥っていたということはまったく知りませんでした。ここに記されている内容は、スターバックスの店で供されるコーヒーのように熱く、濃く、そして苦いものです。

    この本を読み終えるのは本当に骨が折れました。しかし、それ以上に読み終えたときの充実感は言葉には言い尽くせぬものでした。それはまるで、スターバックスで提供されるコーヒーのように、熱く、それでいて濃いものであったと思います。僕はこの本を読むまで、スターバックスがついこの間までいつ倒産してもおかしくないほどの危機に瀕していたとはまったく理解していませんでした。筆者であり、同社の中興の祖であるハワード・シュルツは現状を変えるために引退していた経営からCEOとして業務に復帰するところから物語はスタートします。

    長年ともに働いていた同志との別れ、拡大路線を続けていたツケで、赤字を出していた不採算店舗の閉鎖。そして従業員のリストラをはじめ、彼はさまざまな改革に着手します。その中でも功を奏したものもあれば、逆にヨーグルトを使ったドリンクの失敗など、紆余曲折を繰り返しながら、ひとつの企業の血をにじむような再生劇が繰り広げられていきます。そして、2008年の運命的なリーマン・ショックから来る世界経済危機。この危機で、スターバックスも倒産寸前に追いやられますが、シュルツの陣頭指揮と情熱の深さや熱さが、やがて奇跡を起こしていく。そのプロセスに魅かれました。そして、僕が最も気になったのは、本文中に何度も使われている『商人』という言葉。これが僕の心に引っかかって読み終えた後も頭の中を離れませんでした。
    『感動と経験を売る商人』
    この言葉はすばらしいなと思いましたし、スターバックスが今後もそうあるためにツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアを駆使しているという点も僕にとっては非常に参考になりますね。

    そして、最も新しい試みといわれる『インスタントコーヒー』のスターバックス・ヴィア。この製作秘話は涙なしには読めませんでした。詳しいことはぜひ読んで確認していただきたいのですが。こういう絆の一つ一つがあの会社の文化を生み出しているということ。そして、彼の常設が凝縮されたこの本を読むことができたことは、自分にとって最高の経験だったと思います。最後に、この本は1,700円+税ですが、内容からしてとても安いです。衝撃的な安さです。ぜひ一読をお勧めいたします。

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