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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198633226
感想・レビュー・書評
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面白かった。
あらたにEチケットが導入され、殺人が可能になった仮想世界。
導入されると、積極的に行使する者が現れる。現実にもそういったことが起きているわけで、「ますます現実に似て不便になってくる」といったフレーズも、最初はコーヒーが冷めるところから始まって、かなり重い意味になっている。
この仮想の死後の世界も地獄であれば、現実も・・・・・・・。
優月の過去も明らかになる。なんだか皮肉なメッセージめいたものを感じる。
終章の締めがきちんとしているので読了感は悪くなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
死者たちが生前の記憶を仮想人格として保って暮らす,電脳世界の探偵の話。
設定は面白そうだけど,ちょっと読者は置いてきぼり!?
どうやらシリーズ物で,今作は3作目にあたるらしい。 -
なんか、カタルシスのない読後感
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いまいち
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「優しい煉獄」「騒がしい死者の街―優しい煉獄〈2〉」の続編。死者が生前の記憶を電子人格化し暮らす仮想世界VRNWS。それはウィップ社が提供する、人工の煉獄だ。VRNWSでの寿命は維持費を払えるか否かだけで決まる、まさに地獄の沙汰も金次第な“あの世”の姿。
その中でも、昭和末期の不便さを愛する変わり者たちが住む街には、唯一の探偵事務所である朽網探偵事務所がある。基本的に犯罪行為が行えないVRNWSの中で、この街だけには犯罪を行えるチケットがあるのだ。そして今回は、新たな犯罪チケットとして殺人のチケットが発行されたという噂が駆け巡る。
現実の世界でも生きていくのにお金が必要だけれど、この世界ではお金があることと寿命が比例する。現実では金を稼いでも長生きできるとは限らないけれど、この世界では金を手に入れれば長生きできるのだ。古来、権力者たちは不老長寿を求めて来たことを考えると、彼らにとっては理想の世界なのかもしれない。
しかし一方で、生きるために金を得ることが現実よりも切実な世界でもある。生前、十分な金を稼げなかった人間は、死んでからも金で苦労しなければならない。その中で友好的な人間関係が築けて来たのは犯罪がなかったから。その前提が崩れた瞬間、そこは疑心暗鬼がはびこる本物の地獄になってしまいかねないのだ。
そんな世界で純粋さを保つことは出来るのか?真の人間性が試される世界なのかもしれない。
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