女警察署長 K・S・P

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198634315

作品紹介・あらすじ

盗まれた妻のヴァイオリンを探してほしい-。署長の村井貴里子は都知事の仲立ちで引き合わされたアメリカ人石油王から突飛な依頼を受けた。特捜部チーフ・沖幹次郎と捜索を開始するが、あの男が立ちはだかる。チャイニーズマフィア・五虎界の朱栄志。三年前、壮絶な銃撃戦のすえに取り逃がした怨敵だ。再び死闘がはじまる。なぜ、栄志もヴァイオリンの入手に執念を燃やすのか。貴里子と沖を待っていたのは驚愕の真相だった。傑作シリーズ第四弾。

感想・レビュー・書評

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  • K・S・Pシリーズ第4弾。
    貴理子が所長に就任し、さらに暴力団が凶暴化していく。
    3年前の爆発事件の朱栄志が再び登場し、事件はさらに続く模様。
    今回は人間臭さも、感じる作品。

  • バイオリン。チャイニーズマフィア。ヤクザ。警察。
    面白かった。
    このシリーズは初めてだった。前作を知らなくても楽しめた。

  • To be continued... 宿敵との対決未解決だし。消えちゃうなんてねw 今回は同僚も殉死するし銃撃戦も激しくていつもとは違う場面もあったけれども、基本の静は変わらず。読ませてもらいました。

  • シリーズ第4弾。
    極秘に依頼された、盗難ヴァイオリンの捜索。
    そこに隠された、真相とは? 
    面白かった。
    今回も、手に汗握る展開。
    葛藤があったり恋をしたり、人間味があって、そこがまた魅力。
    アクションだけでなく、知恵の比べも。
    最後まで目が離せない。

  • KSPシリーズ。
    前作から三年経った設定。
    思い出しながら、徐々ににページを捲るスピードが加速して
    後半は一気に読んだ。

    …まだ決着しないんだ…
    楽しみだが、また待たなくっちゃいけないのか。
    多作の人ではないので、じっくりと待つか。
    前作を読み返してみると、忘れてた伏線を思い出すかも。

  • 4作目なんだなぁと感慨新た。
    署長になった貴里子の強靭さと、沖との間で見せる女心も読みどころ。
    宿敵朱栄志との対決は?中国マフィアと新宿の暴力団、美しきヴァイオリン奏者とその夫、警察内部での軋轢。複雑に絡まり合うストーリーも二転三転し、面白かった。

  •  このシリーズがすっかり好きになった。

     第一作のみ、あまり自分としては好スタートを切っていない印象があるのと、これまでの香納諒一の作風とはあまりに異なる世界の展開に戸惑ったのと、単純に沖というキャラクターの中で、刑事とスキンヘッドというのが結びつきにくく想像力を阻害していたこと(これはまだ引きずっている)、等々、シリーズにうまく入ってゆくことができなかったのだ。

     しかし、警察チームなど群像小説のシリーズにありがちなように、二作、三作と読み重ねるうちに、キャラクターたちが徐々に生命を持ち始め、物語の中で一人歩きを始める魅力に、ぼくは捉えられていった。沖幹次郎という刑事だけが主役なのではなく、様々な局面局面で個性的な刑事たちの風貌が光ってきているのである。

     前作から存在感が際立ってきている村井貴里子は署長となり、第二の主役として本作でも大いに活躍をする。むしろ沖を食っているくらいに、女性ならではの、心の振幅を研ぎ澄ませてゆく。沖と村井との恋愛感情もこのシリーズのサブ・ストーリーとして読んでゆくことができるが、第四作の本書では、そのあたりの佳境篇とも読むことができる。

     さらに同僚の異動や殉職、というあたりも警察チーム小説としては、大きな欠かせないアクセントとなっており、小説世界は、それぞれの刑事たちの人生が重なり合うクロスロードでもある。

     そうした群像の面白さに加えて、特異とも言えるKSP(歌舞伎町特別分署)という分署の背景となる世界の構築がしっかりしてくるのも、シリーズが歩んでゆくにつれ、豊かになってゆく利点の一つだろう。

     世代交代する暴力団組織、中国マフィア間のいくつもの対立、そこに絡んでゆく政治家や警察官僚などの思惑など、魑魅魍魎の世界が歌舞伎町という名の魔都としてシリーズの中で構築されてゆく。そこを通り過ぎる者たち、生き死にの闘いに身を投じる者たち、巻き込まれ犠牲になる者たち、いくつもの警察小説要素が絡み合う中で、しっかりと人間の悲哀、人間の愚かさ、人間の矜持、人間の愛憎を描き合う筆の確かさが、作品を追うごとにたくましくなってゆく香納諒一ワールド。

     クオリティの高いこの完成度をこそ味わいたい最新作である。

  • 2月-10。3.5点。
    KSP第四弾。ある富豪から、バイオリンを探してほしいと依頼が。
    かつての宿敵、中国マフィアも同じバイオリンを探す。
    シリーズキャラが大分しっかりしてきたかな。
    一気に読めた。
    沖はいい奴だ。

  •  それぞれのキャラクターが、立ち過ぎる気さえしてくるほど。
     テレビの姫川チームのように。むろん悪役敵役も。
     ストーリーは、とても練られていて、ミステリーとしても、楽しめる。
     シリーズの4作目ともなると、パターン化の心配も出てくるが、それとは無縁。

  • K.S.Pシリーズ4作目。

    今回は宿敵・朱栄志が再登場。チャイニーズマフィアの内紛、新宿ヤクザのかかわり、盗まれたヴァイオリンの行方、、、これまでと同様、複雑に絡まりあう事件が次々に起こり、息もつかせぬ展開になっています。結構な人数の人間が死んでしまったりするので、そこはちょっとやるせない気持ちにさせられたけれど、最後の最後まで意外な展開もあり、面白く読めた。
    次作も楽しみだが、貴里子の役職は次、どうなっていくんだろう?回を追うごとに出世していっているけど、署長の上はあるのか?

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著者プロフィール

1963年、横浜市出身。早稲田大学卒業後、出版社に勤務。91年「ハミングで二番まで」で第13回小説推理新人賞を受賞。翌年『時よ夜の海に瞑れ』(祥伝社)で長篇デビュー。99年『幻の女』(角川書店)で第52回日本推理作家協会賞を受賞。主にハードボイルド、ミステリー、警察小説のジャンルで旺盛な執筆活動をおこない、その実力を高く評価される。

「2023年 『孤独なき地 K・S・P 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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