~遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白~ 飛田で生きる

著者 :
  • 徳間書店
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レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198634568

作品紹介・あらすじ

「ここがあったから、うちと家族は生きていけるんよ」関係者全員がこれまで頑なに口を閉ざし続けてきた街の、真実の姿-。飛田で生きて10年、すべてを見てきた親方自身が初めて赤裸々に明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 飛田新地。最後の遊郭と言われる場所。
    橋下さんが顧問弁護士を勤めていたとも言われる。

    この地のルポとして、かつてこの本「さいごの色街 飛田」の書評を書いた。

    しかし、飛田は取材など基本的に受け入れない。
    本当の姿は描かれない。
    これだけ海外からの旅行客を受け入れるようになっても、ネット発信なども拒絶している。
    中国人は相変わらず嫌われているようだが。

    この秘境とも言うべき飛田新地をなぜここまで具体的に赤裸々に描くことができたかというと、それは著者が元飛田の店舗経営者で、現在も女の子のスカウトマンであるということ。
    つまり、昨今攻撃されている飛田の防衛に立ち上がったということ。

    飛田遊郭(料亭組合)は、著書によると、厳然としたルールがあり、それに基づいて働く女の子を守っているのだとか。

    人類最古の職業であり、どこまでいってもなくならないであろう風俗産業。

    大阪府に関しては1990年の花博を機にソープランドが廃止された。

    しかし、何故か飛田・松島などの風俗街はそのまま。

    本書のあとがきによると、隣区・阿倍野再開発で建築されたタワーマンションの高層階から飛田遊郭が見渡せ、ネットの書き込みなどで悪所として攻撃されているのだとか。
    併せて2016年11月現在、2025年に誘致予定の大阪万博開催に伴って、またもや危機に直面しているのかもしれない。

    遊郭存続の危機に向けて牽制する意味での本書出版なのかも知れない。というか、当然その意図はあるでしょう。

    それらを考え合わせても、よくできた本であると思う。

    飛田で遊郭を経営するための段取り(資金など)であったり、女の子確保のノウハウなどが余さず書かれており、遊郭経営入門のような内容でもあります。
    良くあるカフェやカレーハウス開業のノウハウ書みたいです。

    しかも文章がうまい。私が関西人であるためかも知れないが、リアルな大阪弁でのやり取りもリズムよく進行していき、ダレさせない。

    先述の飛田防衛意図があったにしても、悪所ならではの必要性。現在はかつての人身売買的な女郎屋とは一線を画し、働く女の子の将来や人権も考慮した「働く場所」であることを主張している。

    勿論、身内や近親者がこのような場所で働くことを黙認できるかというと、確実に無理なので悩ましいところではあるわけであるが、一個の人格を有した成人女性が自らの判断で選択する場所としては存在しても良いのかなとも思う。

    少なくとも個人的にはホストクラブにハマるよりは前向きかなと思うし。
    と言っても、ホストクラブに入れ込んで、てっとり早く稼ぐために飛田にくる子も多いようだが。

    著者は飛田での経験しかないので、他の五新地(松島・今里・滝井・信太山)や、その他かんなみ新地等については触れられていない。
    他の新地が飛びたほど整備されているとは聞かない。飛田は段違いに生き残りに貪欲なようだ。

  • 何これ、今の時代??
    知らなかった現実。稼ぐ…とは言っても1日20本とか…。
    色んな知らない世界まだまだ世の中にはあるようです。
    物見遊山で行くところではない。
    興味津々で覗くところでもない。
    なんだか、妙な本読んじゃった感。

    男性の皆さん、普通の恋愛してください。とはいえ、男性の生理、それなりに知ってるとはいえ、かなりショックでした。
    私は?といえば…興味で観てみたい気も。(人のこと、言えないですが)

  • 大阪、飛田で稼ぐ男と女の生き方。

  • 飛田で親方を務めていた人の、飛田の経営などについての本。

    「わし飛田で働いてたんやで~、お前らに飛田の秘密紹介したるわ~」とドヤ顔で書いた本ではなく、淡々と飛田で働くまでの手続きやら開店してからのこと、女の子のことなどの実情を体験者目線で書いています。

    こういうの書く人はゲスい書き方をすると思っていました(特に当事者の場合)が、そんなことは全くなく、スマートな感じで書かれています。

    こんなところ(働きに)来ないに越したことはない、と言いつつ、飛田は必要と答える筆者。
    矛盾を抱えつつも、飛田に対するいわれもない先入観を払しょくさせたいという思いで書いたのでしょう。

    それでも、受け取る人によっては「おいしい思いしてその自慢したいだけなんだろ」と思ってしまうかもしれません。
    確かに表の綺麗なとこだけ書いて、裏のエトセトラまで載せていない可能性もありますが、飛田について知るには貴重な一冊であると思います。

  • 内幕のことも面白いが、基本的な「人間性」が描かれている点に魅かれる。結局、人間ってそんなもの。

  •  この本はつい最近文庫にもなったし、続編『飛田の子』も刊行されているから、そこそこ売れたのだろう。

     桜井某が橋下徹との会談で言い放った捨てゼリフ「飛田新地へ帰れ~!」によって、突如メディア上に名前が飛びかった、大阪西成区のディープな「ちょんの間」エリア・飛田新地。そこで10年にわたって「店」を構えた著者が、当時を振り返った回想録である。

     脱サラして店を開くまでのいきさつや、店舗経営の苦労話などが軽妙なタッチで綴られている。文章が読みやすいし、エピソードの織り込み方もそつがない。
     まあ、あくまで軽い読み物であって、深みはないし、荷風の遊郭もののような文学的香気も皆無だが……。

     ライターが取材して飛田新地をルポした本なら前にもあったが(井上理津子の『さいごの色街 飛田』)、「中の人」が著者となって雄弁に内幕を明かした本は初めてだろう。その意味で、風俗史の資料としての価値も高い。

  • 性ってネガティブなイメージがあるけど、飛田新地や吉原は、日本文化の一つだと思う。

  • 実際に経営していた人(親方)が書いているので、
    取材なのでは知り得ない話、女の子、オバちゃんとの
    かかわりなど興味深い。

    第六章のサユリとミズホの話なんか
    ちょっとした短編小説ように引き付けられる。
    ホントの話かどうか?分からないけど
    ライターさんが書いたのかな?文章が上手いな。

  • 今も現存する赤線地帯・飛田新地、元遊郭経営者の語るの真実。
    淡々と飛田のこと、経営やシステム、女の子のことが書かれている。
    とても文章が上手く、読みやすかった。
    性の匂いを感じさせず、変に感情移入させるような書き方がされていないところが良かった。
    今もこんなところがあること自体に驚いた。
    (電子書籍 BookLive)

  • 平成26年8月29日読了。

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著者プロフィール

大阪府出身。繊維製品卸問屋勤務を経て、飛田新地の料亭経営者にへ。10年間店の経営に携わった後、名義を知人に譲り、現在女の子のスカウトマンとして活躍している。著書に『飛田で生きる』。

「2016年 『飛田をめざす者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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