- Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198635039
作品紹介・あらすじ
本をこよなく愛する青年モリス。ある朝、はげしい風がふきあれ、町もモリスも、みんなふきとばされてしまった。すべてをうしなったモリスがふしぎな空とぶ本にみちびかれてたどりついたのは、本たちのすむ館だった…。世界中の本好きに贈る、本への愛にみちたファンタジックで優しく切ない物語。
感想・レビュー・書評
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本をこよなく愛する青年・モリス。
ある朝激しい嵐が吹き荒れ、町もモリスもみんなふき飛ばされてしまった!
全てを失ったモリスが空飛ぶ本に導かれてたどり着いたのは、本たちの住む館だった・・
原題は「The Fantastic Flying Books Of Mr.Morris Lessmore」。
2012年ウィリアム・ジョイスがiPad用アプリとして発表後、同年7月に絵本として制作したもの。その年のアカデミー賞短編映画賞を受賞した作品でもある。
作家でありイラストレーターであり映画制作者でもあるジョイスは、図書館振興の尽力者だったビル・モリスに捧げるものとして、99年から本作をあたためてきたらしい。
ビル・モリス氏は2003年に亡くなっている。
ここまでの解説がいきなり表紙裏部分に表れる。
面白いことに、奥付もその隣に。
シックで落ち着いた背景がまるで壁紙のようで、挿絵がどれも子どもの頃に見たクラシックな絵本を思わせる。
さて主人公のモリスはどうなったかと言うと・・
本の住む館で本たちと暮らすことになる。
まず本の整理をし、いたんだ本を修理して、やがて人々に本を貸し出すようになっていく。
嬉しそうに本を抱える子たち。それを嬉しそうに見つめるモリス。
ジョイスが信頼を寄せていたビル・モリスは、きっと素敵な司書さんだったのだろう。
年老いて館を去る場面、天に召される場面、モリス亡き後の館に、ひとりの少女がやってくる場面。どれも印象的で心に残る。
本が希望をつなぐ存在として、どの場面にもたくさん描かれている。
モリスが本をこよなく愛したように、本もまたモリスを愛していた。
擬人化された本たちが、モリスに話しかけたり別れを悲しんだりするのは、ジョイスの眼には本当にそう見えていたからかもしれない。
ちょっぴり切なくても、本たちのおかげで読後は温かい。
小さい子の方がむしろ、このファンタジーをよく理解できそうだ。
「大人になって読んだ本で、もっと子どものときに出会っていればという後悔を感じたことがほとんどない」という江國香織さんの言葉が、「本のリストの本」の中にも載っていた。
大人の皆さんもぜひ、この愛おしい本の話を手にとって読んでみてね。
実はワタクシ、相当数この本を読んできている。
オールズバーグだったらどう描いたかな。バーニンガムだったらどうだったろう。
それともスタイグだったらどんな作品にしたかな・・と想像するのが楽しくてたまらないのだ。 -
〝モリスにとって、この世で一番大切なものは、本だった。モリスは、物語を読むのが大好きで、自分でも本を書いていた...朝おきると、自分の本を開き、嬉しかったこと、悲しかったこと、見たこと聞いたこと、そして願っていることを、ひとつ残らず書いていた...ある朝、激しい嵐が吹荒れ、町もモリスの家も、みんな吹き飛ばされてしまった!...すべてを失ったモリスが、空から舞い降りた「不思議な空飛ぶ本」に導かれて着いたのは、「本の住む館」だった!〟・・・2012年アカデミ-賞短編アニメ-ション賞受賞の華麗で切ない絵本。
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何日も、何ヵ月も、そして何十年も。
本はいつもボクたちのそばにいて、知らなかった世界を教えてくれたりするんだ。
とても温かく優しくて素敵な話だった。
この話を読んでますます本達(あえて“達”と擬人化したい)が好きになった。
この絵本を読むと、本を見る目が変わるかも。 -
テレビで短編アニメをみて。
最近、地元に出来た大きな書店で売っていたので購入。
本への愛がたくさん詰まっている。 -
普段、アニメチックな絵本は選ばないのだけど
これは正解だった。。。何しろ題材が「本」だし買わないわけにはいかない。
本は友達。
言葉にすると薄っぺらいけれど、かけがえのない友達。
少なくとも私にとっては友達で師匠で同志。。。かな。
物語の世界にどっぷり浸れる喜びを
ひとりでも多くの人が味わったなら、争いなんかなくなるのでは?
だって、ほんの少しの想像力で、相手を思いやることができるのだから。
本のチカラはこんなにも無限。。。と思わせてくれた絵本だった。 -
ハリケーンカトリーナの被害者が図書館にくる姿をみて、かかれたと後書きにあります。そういうとなんだか、アイデアだけいただいたようですが、不思議な世界観と、柔らかい優しさに満ちた本です。
そして、なんだか悲しい。
うちの2歳の息子と本屋に行って、帰りに本棚から「ここやで~」と読んでいた本。
帰って読んだら、息子には暗いかな?難しいかな?と思ったんです。
が、がっちりハマって、子供が寝る前に何回も何回も、読まされます。
困るのは、泣けてしまって最後がちゃんと読んでやれない。。
「パパ、ドチタノ?」と何回も尋ねられて、頭を撫でてやる毎日です。 -
帯にもあったが、子どもも大人も感銘する一冊。
本に対する愛おしさが伝わる絵本です。
本というのは、今生きている人だけでなく、後世にも読み継がれるものである、ということをしみじみと理解させられます。
図書館が好きな人、本をこよなく愛する人には、感動をもって受け入れられる内容です。 -
ロマンのある絵本。本と人の理想が詰まっています。じんときました。
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「ロマンのある絵本」
本屋に足を運んでいないので、手にも取ってない。
早く読みたい。短編映画も観たい(短編って公開の予定無いだろうからなぁ)「ロマンのある絵本」
本屋に足を運んでいないので、手にも取ってない。
早く読みたい。短編映画も観たい(短編って公開の予定無いだろうからなぁ)2012/10/29
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ネジドンさんもこの絵本読みましたか。本好きにはとても本への愛が伝わってくる作品ですよね。
ただ、わたし個人的...
ネジドンさんもこの絵本読みましたか。本好きにはとても本への愛が伝わってくる作品ですよね。
ただ、わたし個人的にこの絵本に関して絵の評価ひとつ減点させてもらってます。
(ストーリは四つ星評価です)
絵本は絵がその人や物語にあうかとても重要ですよね。
ちょっとアメリカン・アニメのような絵柄なんですよね。
好き嫌いの分かれるところですが...
ちょっとアメリカン・アニメのような絵柄なんですよね。
好き嫌いの分かれるところですが、ストーリーが良いので採り上げました。
レビューの最後に、「他の作家さんだったら」ということが書いてありますが、これがそういう意味です。
このお話、意外にも小さな子がしっかり受け取ってくれるんですよ!
図書館みたい!本が大好きだったんだね!なんて言います。
本の意図がちゃんと伝わるってすごいことなんですよね。
この絵本の絵に関して、好き嫌いがわかれるという共感していただきありがとうございます。小さいお子さんにも伝...
この絵本の絵に関して、好き嫌いがわかれるという共感していただきありがとうございます。小さいお子さんにも伝わるのですね、よかったです。