神去なあなあ夜話

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 4037
レビュー : 622
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198635060

感想・レビュー・書評

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  • 2012年、読書ライフの最後に読んだ本。

    今年もいろいろあったなあ……と、しみじみ一年を振り返った。
    2月の初めにこのブクログと出会い、これで読書日記を作ればよいのかと思い、熱中した三日間。
    当初は読んだ本全部を登録し、少しずつレビューを書いていこうかと思ったのだが、登録だけでもかなり時間がかかるので、登録自体は途中で断念。
    ただし、あの寒い時期、何故かテンションが高く、長文のレビューを書くのに気合が入りまくって、狂ったようにいろんなレビューを書いていた。
    さらには「談話室」に回答やらコメントやらを書き込んだりもして。
    楽しい毎日だったなあと。

    さて、この本は「神去なあなあ日常」の続編。
    過疎の山村“神去村”に住み込んだ青年勇気の、その後一年間の出来事が綴られている。
    “なあなあ”と、ゆっくり、気楽に生きている神去村の人々とそれに溶け込んだ勇気。
    惚れた女性教師直紀さんとも、徐々に親しげな仲になっていく。
    この二人の関係はどこまで進んでいくのかと、前作同様わくわくしながら読み進めた。
    過疎で娯楽の少ない村といっても、好きな女性や魅力的な人たち、健気な犬、素直な小学生など、これほど飽きないキャラクターに囲まれて生活できれば、それほど退屈しないだろうと思える。
    都会では味わえない神去村のイベントも、独特の楽しみが伝わってきて楽しい。
    最終章、直紀さんとのいきなりの急展開が繁ばあちゃんの仕業だと分かった時には笑った。
    最後まで、面白おかしく、ほのぼのとする話で、とても楽しく読ませてもらった。
    娯楽のないはずの山村生活を、ここまで興趣をそそる話に仕上げた三浦しをんさんに拍手。
    今回「夜話」となっていたのは、色恋などの大人の話が多かったからだね。
    続編も楽しみに待ちたい。

    追記:オオヤマヅミさんのお祭りは、七年に一度行われる”諏訪の御柱祭”がモチーフになっているのかな。
    私も数年前、実際に見に行きましたが、なかなかの迫力です。
    あれも確かに死人が出たりしますからね。
    それでも先頭切って、落ちていく杉の大木に乗ろうとする山の人たちはすごいなあと。

    • kharaさん
      うわぁ〜レビューを拝見して益々読みたくなりました!
      文庫本じゃないと嫌っていう無意味なこだわりがあって未読なのですが…うーむ…
      しげばあちゃ...
      うわぁ〜レビューを拝見して益々読みたくなりました!
      文庫本じゃないと嫌っていう無意味なこだわりがあって未読なのですが…うーむ…
      しげばあちゃんに「にやり」したいです(>_<)
      2013/01/05
    • kharaさん
      そんなこと言われたら我慢できません!(笑)
      文庫化って通常で考えて三年後ですものね…流石につらい!
      本棚に並べるのは嫌なので図書館に行くこと...
      そんなこと言われたら我慢できません!(笑)
      文庫化って通常で考えて三年後ですものね…流石につらい!
      本棚に並べるのは嫌なので図書館に行くことにします!
      重い腰を上げさせてくださりありがとうございます(*^^*)
      2013/01/05
  • 久しぶりに帰ってきました神去村。
    勇気のテンション高い一人ツッコミもそのままに、あっという間に以前の雰囲気に戻って来れる。

    自然を、八百万の神を大切にし、なあなあで暮らす人達。
    新たに語られる皆の姿に、この村の人達をきっともっと好きになる。

    村や自然と一体になりながら成長していく勇気。
    そんな勇気の語る「愛」に共感を覚える部分もありながら、直紀との可愛らしい恋の行く末にほっこり。

    神去村に居るような、何か大きなものに守られているような、
    そんな不思議な安心感に包まれながら、笑えて、幸せで、温かい気持ちになれた。

  • やあ、みんな。ひさしぶり!神去なあなあ日常の続編ですよ。

    ってこんなノリだったっけかね、とやや戸惑ったものの
    すぐに懐かしい何かと再会したような気持ちになりました。
    前回「林業?」と思いながら読んだらすっごくおもしろくて、
    今回はそのすっごくおもしろかった記憶が残っているので
    ふつうに面白かった感じで何かすみません。
    「日常」読み返したいな。

    今回はよりお山とのつながりが深くなり、すっかり溶け込んで
    驚きにあふれていた前回より、深い部分に触れていくような感じ。
    恋愛事情も、クリスマス事情もおもしろく。
    日本昔話的ファンタジーも、シリアスな過去の出来事も飲み込んで
    全てなあなあと日々の暮らしは続いていく。

  • 全く予想もしていなかった三浦しをん「神去なあなあ」の続編が出たのでビックリするやら嬉しいやら。まさかこの日本初の「林業」小説がシリーズになると期待していなかったし、三浦しをんの唯一のシリーズものと言えばお笑い「まほろ駅前」シリーズだけだと思っていたので年末を前に望外のプレゼントだ。

    と、言うわけで買ってから即読破。舞台は三重県の奥深くの山に囲まれた神去村だ。前作では家族に騙されて林業見習いに出された平野勇気が神去村で仕事を学ぶ経緯が描かれる。そして諏訪の御柱祭を彷彿とさせる祭の場面では現実と幻想が一体化したような形でクライマックスが描かれていたのでちょっとばかりファンタジー系の香りもやや交えたものだったが、其処で好き嫌いが分かれるという感じであった。

    本作でも自然を相手にする仕事と云うことで当然のごとく自然を敬う気持ちや何気ない信仰心というものが物語の随所にも出てはくるものの、決してファンタジーでは無い。勇気も村での生活が一年を越え、晴れて正社員に採用されたと言うわけでは無かろうが、神去村の日常生活に根差したというか地に足を付けた形で描かれており「林業物語」から林業を背景にした「青春物語」という形に変貌を遂げより魅力的な小説になっている気がする。

    そしてそれ以上に勇気の周りの登場人物が勝手に動き出したとでも言いたくなるような活躍を始めた感が強い。勇気が居候する林業の先輩ヨギの繁ばあちゃんは特筆物だ。足も歯も悪いと言いながら地獄耳でなぜか勇気のPCのパスワードまで破って中の日記を読んだりするキャラクターが良い。勿論、がさつで愛すべきキャラクターのヨギも思う存分に暴れ回っているし、それ以外の登場人物も個性的な性格で本当に良い味が出ている。

    三浦しをんの最大のウリは男性描写・男性の会話を書かせても男の作家以上に言い回しが自然で上手い。山の仕事に携わる汗臭い男達を描かせても全く違和感を感じさせない上に口調には巧みなユーモアも混ぜ込んでいるのだから「まほろ駅前」のお笑い度数を超えそうな絶賛お勧め本になっている。こうなったら是が非で神去のシリーズ化をお願いしたいものだ。

    一方で、林業で飯が食えるのか、生活として成り立つのか、小説として無理があるのでは無いか?というのは最もな疑問ではあるが「日本の林業を立て直す-速水林業の挑戦」(速水亨、日経新聞社、2012/08)を読むと本当にあるのだ。家業として林業を継いで村人を雇用し(ナント東大卒も居る!)百年単位で仕事の成果を考えている商売だ。「神去なあなあ」を読んでいるとこの速水林業が舞台ではないかとまで勝手に想像してしまうのだが、こちらも併せて読んでもらうと嬉しい。三浦しをんが勝手に創作した世界ではないことが分かるであろう。

  • 『神去なあなあ日常』の続編。

    前作でスッカリ神去村の虜になったので、読むのを楽しみにしていました。専門的知識豊富に書く三浦しをんさんですが、今回は林業のノウハウというより登場人物に比重を置いています。18歳で林業デビューした都会っ子で現代っ子の平野勇気が、20歳となり増々神去村で骨を埋めたいとまで心を奪われていました。

    素朴だけど暖かい三重の方言。野生的な面もある男衆。飾り気がないけど、男気溢れるとこに土地の内外の女性も惚れ惚れ。よくモテルというのにも頷けます。

    霊験あらたかで、日本昔話顔負けの神話も満載の村。そうしたものを信じ大切にしているところにも日本人ならではの伝承を感じ、どこかで懐かしく思いました。

  • 神去村シリーズ第二巻

    今回もなあなあで話がゆったり進みます
    神去村の秘密がゆっくりと紐解かれ、また恋愛もゆっくり前進?!

    キャラがしっかり立っていてとてもいいですね♪

    表紙も美しくて、ステキ
    最終章の神去川だけが黒く流れ、からの表現が表紙とリンクしてていいなぁ、、、

    なあなあ精神、、、羨ましいです!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「なあなあ精神、、、羨ましいです!」
      なあなあ精神!何だか私にピッタリ?
      今「きみはポラリス」を読んでいて、次は「まほろ駅前番外地」。その次...
      「なあなあ精神、、、羨ましいです!」
      なあなあ精神!何だか私にピッタリ?
      今「きみはポラリス」を読んでいて、次は「まほろ駅前番外地」。その次に「神去なあなあ日常」を読む予定(その間にエッセイを挟みます)。
      2013/01/28
  • 繁ばあちゃん秀逸! 干からびた桃色ばあちゃんは愛嬌たっぷりです。繁ばあちゃんのモデルはきっと著者のおばあさんですね。今まではエッセイで笑わせてくれたけど、今回は伝説の語り部として大活躍です。
    主人公の勇気は少しだけ林業に慣れてきたけど、相変わらず器がちっちゃくて、周りの大人を実に魅力的に見せてくれます。
    こういうと主人公に対して意地悪っぽいけど、勇気の心が素直で明るいから周りを鮮やかに映し出せるのであって、若さの限界とともにその希少価値を存分に発揮しています。
    おおらかに性と死をかたるためには、昼でなく夜話である必要があったのでしょう。続きが気になります。10年くらいたってから「神去なあなあ明後日」とか出たら面白いんじゃないかと思いますが、続編はないのかな?

    「面白い」といえば、神去村のクリスマス風景は、なあなあ感満載で笑えます。通勤読書にこの本を選んだ人は吹き出さないようご注意ください。

  • 今作は短編集。前作ほどの面白さはないが、一話一話それぞれが楽しめました。直紀と勇気の恋の進展もじわじわとあります。

  • 清一さんとヨキコンビが好きだ
    勇気、勇気出して直紀さんを落とすんだ!(笑)
    営みの中で、楽しいことも、悲しいことも、恐ろしいことも、心あらわれることもいっぱいある。
    いろいろな人の、いろいろな気持ちを受け止めて、山はある
    信仰がなくなったら神様はいなくなってしまうんだけれど、山には、神去村にはけして神様はいなくならない

  • 続編。今回も面白かった。映画が楽しみ。でも、直紀と付き合うとは思わなかったなぁ(笑)。

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著者プロフィール

三浦 しをん(みうら しをん)。
1976年、東京生まれの小説家。出版社の就職活動中、早川書房入社試験の作文を読んだ担当面接者の編集者・村上達朗が執筆の才を見出し、それが執筆活動のきっかけになった。小説家の専業になるまで、外資系出版社の事務、町田駅前の古書店高原書店でアルバイトを経験。
2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。2012年『舟を編む』が本屋大賞に選ばれ、翌年映画化された。2015年『あの家に暮らす四人の女』が織田作之助賞受賞。また、『風が強く吹いている』が第一回ブクログ大賞の文庫部門大賞を、2018年『ののはな通信』が第8回新井賞を受賞している。
Cobalt短編小説賞、太宰治賞、手塚治虫文化賞、R-18文学賞の選考委員を務める。最新刊に、『愛なき世界』。

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