母さんがこわれた夏

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本棚登録 : 51
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198636012

作品紹介・あらすじ

母さんが病気になったのは、わたしたちが四つ子で、手がかかるせいなの?空想好きな父さんと優しい母さんをもつ、四つ子の一人、ゾフィー。でも、母さんが心を病んでしまい…?小学校高学年〜。

感想・レビュー・書評

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  • こどもの本でうつ病をテーマにしているって珍しいと思います。
    しかし、内容は暗くなく、かつこどもにわかりやすく語りかけるような文章だったので好感を持ちました。

  • 少し前に読了。
    「外」の出来事として母の病を描くというのは、どうなのかなと思う。そう描きたいから十歳という設定にしたのだろうし、四つ子なのもだからだろうけれど、そうして「外」に病を置き、逆に病の「外」にゾフィーたちを置いたことで、そしてそう置かれることが不問なままなことで、ゾフィーたちは「けなげ」でいるしかなくなってしまった気がする。そういう対応自体が「病」を生み出すように思えるのだけども。
    「実体験」の魔力は、ここではマイナスに作用している気がする。

  • 空想好きで優しいタクシー運転手の父親と、家で英語の先生をしている無口で優しい母親と、10歳の四つ児の子供たちの6人家族。
    ある夏、母親が鬱をぶり返し、子供たちはフィンランド旅行に行き…という話。

    書いていても思うのだけれど、「大きな筋」があまりない。というのは、鬱というのが「特に理由もなく不安に駆られる病」だからなのだろうけれど、子供の成長譚としても、家族愛の物語としても、友情物語としても、そして鬱を乗り越える物語としても、やや中途半端な感じ。

    読んでいると面白いし、それぞれのキャラも温かいのだけれど、登場人物やストーリーの量と本の厚さ的にも、「薄め」という印象の本だった。

  • ショッキングなタイトルになかなか手が伸びずにいましたが、思い切って読んでみると実に静かな物語でした。

    ドイツに住む一家の物語。四つ子のきょうだいと両親。決して裕福ではないけれど幸せな一家。
    前半は一家の生活が静かに丁寧に描かれます。四つ子それぞれの個性、空想の旅行の話を語る父さん、それを見守る母さん。しかし徐々に母さんがひとりになることが多くなり、子どもたちよりも先に寝室へ行ったり、家事が疎かになることも。
    夏休み一家初めてのフィンランドへの旅行。そこで四つ子たちはそれぞれ初めての経験を喜ぶが、母さんは益々いつもと様子が変わっていく。

    そして母さんの入院。
    家族に鬱の病状が現れた時、家族はどうなるのかどうすればいいのか。
    鬱になることに理由はなく、鬱が治るために家族にできることは何かもわからない。そんなわからない中でも、子どもたちが母さんのことが大好きであるということは変わらない。
    いい子でなかったから母さんが鬱になったのでもなければ、いい子でいれば母さんが治る訳でもない。入院は母さんが母さん自身と向き合う時間を作るため。そんなことが静かに優しく書かれています。

    家族に鬱の症状が出ること、これは現実として子どもたちが経験するかもしれないこと。鬱とは何かを知らなければ変に怖がるだけ、そして自分を責めることにも繋がりかねない。鬱が出てくる物語はそんなことを防いでくれる役割もあるでしょう。
    しかもただつらく悲しい物語にせず、日々の生活の中での楽しいこともしっかりと描かれています。
    鬱をテーマにしながらも鬱を特別視しない。そこに作者の強く温かい目を感じます。

  • ゾフィー、あなたの「どうしたらいいの」も、お母さん、あなたの「どうしようもないの」も、分かります。

  • 翻訳が松永美穂さんということで手にした児童書でしたが、主題の重さに驚きました。
    母親がうつ病にかかり、娘ゾフィーは戸惑うさまを描いております。
    日本でもうつ病はようやく認知されるようになりましたが、まだまだ大人の話。
    やはり自分の親がそのような状態に陥ったら子供は戸惑うだろう。
    そんな子におすすめしたい作品だが、一部誤植があり残念。
    わかりやすく深刻になりすぎず、うまい具合にバランスの取れた作品でした。

  • 母親がうつ病になる。前半はほとんどそういうところがなく、母親以外の家族が楽しくしている。半分以降にうつ病部分が書かれている。だけど、作者があとがきで書いているように児童文学のため重々しくは書かれていない。子どもがうつ病を知るために書かれている。丹地陽子さんの表紙が綺麗で目を引き読むきっかけになった。

  •  ゾフィー、ヨナタン、フェリックス、フレデリーケは、10歳の4つ子。9月からは、それぞれ別の学校に進学する。(ドイツでは、小学校は4年生までで、そのあとは能力や本人の希望で進学校がかわる)夏休みに家族でフィンランドに旅行に行く。母さんのお姉さんのパウラおばさんもいっしょ。ゾフィーは、その旅行の少し前から、時々、母さんの様子が少しおかしいと感じていた。

  • 20130525子どもの本棚掲載♦

  • チョッと辛そう、、、

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    「ゾフィーは、男二人女二人の四つ子の長女。きょうだいのフェリックスは食べることが大好きで、ヨナタンは4人の中で一番頭がいい。
    フレデリーケは軽い難読症だが、独特の感性を持っている。四つ子とはいえ、見た目も似ていないし、個性もそれぞれだ。
    四つ子たちが10歳の夏、家族はフィンランドに旅行した。でも母さんのようすがおかしくなり…。心を病んだ母と、それを見守る家族の姿を描きます。家族の結びつきを少女の視点で繊細に描いた感動作。 」

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