京都鷹ヶ峰御薬園日録 ふたり女房

  • 徳間書店 (2013年5月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198636074

みんなの感想まとめ

物言わぬ薬草の世話を通じて、主人公の女薬師・真葛が人間関係の複雑さを解きほぐす様子が描かれています。幕府直轄の薬草園での彼女の仕事や、周囲の人々との関わりを通じて、薬草の知識がどのように人々の生活に影...

感想・レビュー・書評

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  • そんな自分を定次郎が複雑な顔で眺めていることなど、気づくよしもなかった。

  • 2011年12月号から2013年2月号「読楽」掲載、シリーズ六つの話。今後も続くようなので、主要登場人物と、ついでに薬草のことをメモしながら読んだ。

    澤田瞳子さんは専門の歴史の他、薬草園や京都の四季や行事、薬草の知識も幅広いなあ。衒学的にならず面白い、骨太さそうと感じさせない「骨太さ」が魅力のひとつだと感じた。

    「粥杖打ち」では藤林匡に江戸への採薬の旅を反対された真葛であったが、シリーズ第二弾ではどうやら念願が叶ったよう。
    男村社会で頑張るジェンダー系の話でも女目線意趣返し的にならず、読後感は心地よい。

  • (借.新宿区立図書館)
    京都の薬園が舞台ということで毛色の変わった作品。なかなかシビアな話も多く、一般受けするかは別として時代小説としてのレベルはかなりのものだと思う。

  • 薬草園

  • 2017.4.18

  • わたしの生きる道はここにある。

    面白い。題材が面白い。鷹ヶ峯に薬草園があったとは。歴史にあったかもしれない物語を紡ぐ。澤田瞳子さんの小説は、歴史から大幅に外れるわけでもなく、「ありえたかもしれない」ところを突いてきて、ツボにハマる。

    主人公は元岡真葛。母を亡くし、旅に出たまま帰らぬ父・元岡玄已に代わり、藤林家当主・匡やその妻初音、それからの薬草園の荒子たちと、薬草の世話をしながら鷹ヶ峯御薬園に暮らす。

    女であること。医師という仕事の重み。帰らぬ父への思い。道を切り開く心。やはり、時代が違っていても人の心はなかなか変わらないもので、真葛の葛藤は、自分にもよくわかること。先達のいない道を歩く人は、勇気がいる。それは自分の失敗が後輩たちの道を閉ざすかもしれないという責任。でも、誰かが歩き始めないと。この続きがあるのかどうかわからないが、真葛が歩き始めた道が、平坦ではなくても祝福された道であるように。

    亀甲屋の定次郎はなかなか報われなさそうですね。

  • 問題小説2011年12月号、読楽2012年5、8、11月号、2013年2月号掲載の5編に書下ろし1編を加えた6編の連作短編。2013年5月刊。幕府直轄の鷹ヶ峰御薬園支配の藤林家に身を置く真葛は女性ながら、薬草の知識だけでなく事件解決の手腕も並外れていた。登場人物や起こる事件は、興味深い設定ですが、面白いと思える展開は無く、あまり楽しめなかったです。

  • 江戸時代、薬草に知見のある女性をめぐるミステリー。
    個人的に、この作家は古代の話のほうが好み。江戸時代なのに名前がなんとなく現代的に思えて違和感がある。

    なにかに似てるなと思ったら、チャングムの誓いか、確かに。

    表題作は気弱な婿養子の話、好きじゃない。
    当時の医学薬学という科学と、民間信仰やおまじないという非科学との対立で、主人公がわが苦悩する、という話が多かった。お気に入りは、仏像と、病気の子どもに着せる寝巻の話。

    ミステリーだが、途中で謎があっさり見えるので、あまり完成度は高くない。
    最終話のは、女性は学問をするな、という男性への反発かな。

    主人公の行方知れずの父がなんらか関与するかと期待したが、まったく出てこない。無駄設定に終わったのが残念。

  • 周辺で起こる不可解な事件を、迷信と科学(医学・薬学)のはざまで真葛が解決していくというような連作。江戸ミステリ?に近いかんじかな?
    話のオチのひねりとベタさとの頃合いが良い感じで、また、画的に躍動感があったりユニークだったりするシーンが多いので、普通に映像化向きだなとも思う。

  • 幕府直轄の薬草園に幼い頃、養女となった真葛。チャングムの誓い 医女編を思い出したけれど、真葛の方が薬や医術を極める環境に恵まれている(^^)薬草の事だけでなく、謎解きやラブ要素も盛り込まれていて楽しめた♪ただ、真葛が決意を新たにしたところで終わっているし、真葛の実父の行方が気になるので、是非とも続編を出して欲しい!

  • 『公事宿事件書留帳』『足引き寺閻魔帳』の代表作が有る澤田ふじ子さんの娘さん京都府生まれ。京都・鷹ヶ峯の御薬園が舞台の女薬師・元岡真葛を主人公とする全6篇短編集。表題作「ふたり女房」紅葉を楽しんでいた真葛は、侍同士の喧嘩の仲裁に入ろうとして足を止めた。喧嘩をしているのはなんとその妻女。相手の武士がおろおろする中、金切り声でまくしたて、あげく夫を置いて去っていったのだ。妻を咎めるどころか、肩を落として見送る夫。真葛は、御典医を務める義兄の匡とともに、残された夫・広之進から話を聞くことに…構成が良い。


    『人待ちの冬』代替わり後、薬の質が落ちたと悪評高い薬種屋・成田屋の女中が失踪した。店を訪れた真葛は主夫妻の様子に不審を抱くが、悲しい結末を迎える。
    『初雪の坂』室町の呉服問屋隠居・氷室屋孝右衛門が毒死した。咳止め薬と称した毒芹を飲んだためだ。しかもその毒芹は御典医・藤林家のものという…。持ち前の聡明さと豊富な薬草の知識で、女薬師・真葛が、人のしがらみをときほぐす。終盤で、結末が出たような終わりかたになってますが、是非続編を書いてほしい作品。

  • 京都 鷹ヶ峯で幕府の薬草園を管理する藤林家の養女 真葛は周辺で起こる事件に豊富な薬草の知識を生かす連作短編集。真葛は波乱の出生もありますが、あまり大げさに持ち上げることなく普通の薬草栽培に長じた優秀な女性として描かれゆったりとした人情話が展開されます。京らしく禁裏・公家絡みや京ならではの事件もあり、自然豊かな描写と共に江戸ものとは違う雰囲気が漂います。各事件の顛末はスッキリ解決というものではないが味わい深いものであり、続編もありそうな気配です。やはり馴染みのない言葉使いが多いので辞書必須でした。

  • いわゆる時代小説にありがちなモチーフとは違うことで、興味深く読んだ。

  • 歴史小説ではなく、時代小説ですか……。
    我が儘かもしれんが、この人にはせっかく日本史のマニアックな部分書ける力があるので、そちらをどしどし開拓していただきたく。
    時代小説は書ける人いっぱいおるし。
    古代・中世ぷりーず!!!!

    あ、今作ですが。悪くはないです。医の道を選びつつも、時々、恋に揺れる主人公が好。

  • やや硬めな印象をうけるけど面白かった。
    続編読みたいな。書いてほしい。

  • 文章がチョイと理屈くさくてテンポが悪い。

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著者プロフィール

澤田 瞳子(さわだ・とうこ):一九七七年京都府生まれ。二〇一〇年に『孤鷹の天』でデビュー、同作で中山義秀文学賞、一三年『満つる月の如し 仏師・定朝』で新田次郎文学賞、一六年『若冲』で親鸞賞、二〇年『駆け入りの寺』で舟橋聖一文学賞、二一年『星落ちて、なお』で直木三十五賞を受賞。『火定』『名残の花』『輝山』『月ぞ流るる』など著書多数。


「2025年 『東海道綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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