ふしぎな声のする町で: ものだま探偵団

  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198636418

作品紹介・あらすじ

5年生の七子の引越先の家は、古くて、ちょっと怖い一軒家。夜中に、部屋でだれかが話している声が聞こえ、おばけかも、とおびえる七子。ある日七子は、クラスメイトの鳥羽が、公園でひとりでしゃべっているのを見かけた。そばにだれもいないのに、男の人の声が聞こえる。話相手は、なんとツボ。鳥羽は、「もの」に宿った魂=「ものだま」の声を聞くことができ、「ものだま探偵」として、この町で起こるふしぎなできごとを解決しているというのだ…。

感想・レビュー・書評

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  • 引っ越してきた七子はものだまの声が聞こえるようになり、、
    友だちの鳥羽とものだま探偵団を結成するが問題は解決できるのか?!

  • ぼんやり病の正体は。
    どんな物でも大切に扱うだけでなく、独り言を言い聞かせているからこそ沢山いたのかもしれないな。
    自らが現役で活躍するのは難しいと思っていたら、いくら冗談でも恐ろしい一言だったろうな。

  • ★トランクがはずかしそうに、ふふっと笑った。(p.242)

    【感想】これを読むとモノを棄てられなくなってえらいことになるんじゃなかろうか? そしてあたたかい気分になれるでしょう。

    【内容】魂の宿ったモノたちの声が聞こえる坂木町に引っ越してきた七子は同級生の鳥羽からものだま探偵助手に任命される。とりあえずは七子が暮らすことになった古い家で起こる不思議に挑戦。

    【一行目】なんて長い坂なんだ。

    ▼ものだま探偵団についての簡単なメモ

    【カサツボ】坂木町庭園にある、雨の日に傘を持っていない人のための傘を入れる壺。モノダマが宿っている。おじいさんっぽい。
    【北口商店街】鳥羽の家がある。小さな店がごたごたあって迷路のよう。
    【桐生七子/きりゅう・ななこ】→七子
    【佐保姫/さおひめ】鳥羽の母のカフェに初めて行ったとき出してくれたお菓子。名の由来は古事記かその辺だったと思う。神格化された佐保山のこと。
    【坂木町/さかきまち】七子が引っ越してきた、舞台となる町。東京の田舎。古い町。古代の遺跡が発見され博物館を作るということになってに七子の父が誘われた。
    【桜井鳥羽/さくらい・とば】→鳥羽
    【笹の便り】鳥羽の母がやってる日本茶と和菓子のカフェ。オリジナルのお菓子の名前でもある。
    【魂】《わたしは、いつわたしになったんだろう?》p.225
    【タマじい】七子の母の家に代々伝わる大福のような形の水晶に宿っているモノダマ。フクサをしてガンコでえらそうと言わしめる。
    【鳥羽/とば】桜井鳥羽。坂木町に一人で来ることになった七子を助けてくれた女の子。ショートカットで小柄だが七子と同じ歳のようだ。
    【鳥羽の家】北口商店街にある日本茶と和菓子のカフェ「笹の便り」の裏にある。
    【鳥羽の祖父】お茶の教室をやってたが引退。
    【鳥羽の父】サラリーマン。
    【鳥羽の母】佑布(ゆう)。「笹の便り」をやってる和菓子職人。鳥羽の祖父が鳥羽の母の実家のお菓子を使ってたので父と知り合い結婚した。
    【トランク】七子の母のトランク。一緒にドイツ旅行にも行った相棒で宝物。ガタがきていて鍵を掛けないとパカッと開いてしまうしキャスターのひとつが動かない。でも七子の大切なものを詰め込んでいる。モノダマが宿っている。
    【七子/ななこ】小学五年生。
    【七子の家】正確には桐生一家の家。前に住んでいた大学の先生がいなくなったので勧められた。古い家で七子は怖かったが父と母はなぜかとても気に入った。
    【七子の父】博物館の学芸員。
    【七子の母】百子(ももこ)。元図書館司書。ものを捨てたくないタイプ。祖父が転勤族だったので日本中引っ越してきた。その中に坂木町もあった。
    【ハシラ】七子の部屋の柱。モノダマが宿っている。
    【フクサ】鳥羽のフクサ。いつも持ち歩いている。モノダマが宿っている。ちょっと高飛車な物言いをする。
    【古川ツカサ】七子の新しいクラスの担任。人気があるようだ。
    【マレビト】《転校生っていうのは、子どもにとってのマレビトなんだな。》p.58
    【モノダマ】よく人から話しかけられるものに宿りキャラクタとなる。その話し声が聞こえる人は特別な人。少し聞こえるとか顔も見えるとか段階があるようだ。多くは大人になったら聞こえなくなり存在を信じなくなる。
    【ものだま探偵】たまに発生する荒ぶる(といってもそうたいしたことではないが)モノダマをしずめる人。特別なチカラは持たないので地道に原因となったモノダマを探しこんこんと説得する。
    【ランドセル】七子がずっと背負ってるランドセル。モノダマが宿っている。雰囲気的には小学一年生くらい。

  • 思ったより田舎の古き良き…って雰囲気なんだな…

  • ほしおさんのお話は最後心がほんわりするなあ・・・。

  • 【図書館】ものに魂が宿る!『ものだま』の声が聞こえる町に引っ越してきた七子。ハラハラしながら読みました。シリーズのようなので、続きも読みたいです!

  • 七子(ななこ)は小学5年生。お父さんの仕事の都合で、坂木町(さかきまち)にある古い一戸建てに引っ越して来た。引越し当日、手違いで捨てられそうになった、お母さんの古いトランクと七子の思い出の宝物を持って、悪戦苦闘している時、1人の女の子が助けてくれた。同い年の鳥羽(とば)は、誰もいないところで、何かと喋ってるみたいな変わった子。なんと、ものだま、という物に宿った魂と話しているのだ。
    実は坂木町ではものだまの声が聞こえやすい町。それでも、聞こえる人とそうでない人でない人がいる。七子は坂木町にきて、ふしぎな声を聞いたり、家の中でも、ちょっと奇妙な事が起きたりしているのが気になっている。
    そう、七子も聞こえる人なのだ。
    鳥羽はものだまの話を聞いて、ものだま達が荒ぶる事を解決するものだま探偵をしている。そして、
    七子のことも探偵見習いにならないかと誘うのだ。

  • ものについているたましい「ものだま」を手がかりに、フシギな事件を解決していきます。フツーの探偵ものではなく「ものだまのしわざ」というまったく新しい観点のお話なのでおもしろい。

  • 大切にされてきたものに宿るものだま。引っ越してきた町で突然その声が聞こえるようになった七子は、ものだまの声を聞いて彼らが起こす事件を解決する「ものだま探偵」の鳥羽に誘われ探偵見習いとしてさまざまなものだまたちと出会っていく

    付喪神とはちょっとちがう個性的なものだまたちが楽しいです
    続編も読みたい!

  •  お父さんの仕事の都合で坂木町に引っ越してきた七子は、新しい家(古い一戸建てだけれど…)で、夜中に不思議な声を聞く。
     転校先のクラスには、引っ越してきた日にトランクを運ぶのを手伝ってくれた鳥羽がいた。
     鳥羽は、『もの』についている魂、『ものだま』の声を聞くことが出来る、ものだま探偵だ。もの玉の起こす怪異現象をしずめるのが仕事。
     七子もものだまの声が聞こえると知り、助手(見習い?)にして、七子の家族に起こる『ぼんやり病』や開かない引き出しの謎を解く。
     子ども向けの、さっくりとしたストーリー。

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     ものの魂が喋るものだまは、何となく付喪神に似ていなくもないけれど、付喪神という言葉は出て来ないし、生まれて100年経つと付喪神になると言うけれど、ものだまはそんなに経っていなくても、喋るらしい。
     これ、ホントにものだまの声が聞こえたら、生活が超しんどそう。
     話すこともみんな聞かれてると思ったら、どこにいても気軽に話が出来ないし、行動も常に気を付けていなければならないから、落ち着く場所がないよね。

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著者プロフィール

1964年東京都生まれ。作家・詩人。95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年から刊行された「活版印刷三日月堂」シリーズが話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気となる。主な作品に「菓子屋横丁月光荘」シリーズ、『三ノ池植物園標本室(上・下)』など。

「2021年 『東京のぼる坂くだる坂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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