中国はもう終わっている (一般書)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198636678

作品紹介・あらすじ

2013年6月に起きた中国での銀行取り付け騒ぎと株価暴落は、中国経済崩壊の序章だった! 落ち込み続ける景気、水増しされる貿易数字、共産党幹部たちによる汚職、鳥インフルエンザ、公害……爆発寸前の国内矛盾、安倍政権の長期化と米国による包囲網で衰退していく中国の現状を分析。これから中国で何がおこるのか? バブル崩壊の影響、国家分裂、日中軍事衝突の可能性などを、中国がもっとも恐れる2人が完全予測する。

感想・レビュー・書評

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  • 黄文雄さんと石平さんの対談を収録した一冊。
    題名はなかなかに挑発的ですが、分かりやすくまとめられていました。

     “中国では、明や清の時代から、中央政府が
      地方政府の富を収奪するシステムは変わっていません。”

    終わっているというよりは、変わっていないとの感じでしょうか。
    変わらないのはどうぞご自由にですが、“こちら”を巻き込まないでほしいですね。。

     “金融緩和をすればインフレによる民衆蜂起が起きる可能性が高まり、
      金融を引き締めれば不良債権が増大して経済が麻痺する可能性が高まります。”

    ただまぁ、このような視座からは“終わっている”とも言えるのかもですが、
    緩慢な死を迎えようとしているのか、どこかで一気に凋落するのか。。

    どちらにしても周囲に“迷惑”を巻き散らかしそうで怖いですね、、
    最近の外圧傾向も、不満を外に逃がしているとみれば、理解はできます。

     “アベノミクスの金融政策によって円安が進んだことで、
      中国や韓国の輸出競争力が相対的に低下した”

    これは裏を返せば、今まではそこらへんの国々に利便をはかっていたとも、
    日銀総裁もほんと“利敵行為”に近い状態だったんですね、、変わってよかった。。

     “TPPに参加することが日本にとっての安全保障”

    最早、政経分離が通じる時代ではなくなってしまっています。
    通じるのはあくまで“パクス”の枠組みの中に居る時だけではないかなと。

     “日米同盟を基軸にして、ロシアやEU、
      そして中国と韓国以外のアジア諸国との連携を進めていけばいい。
      日本にとっての友好国はいっぱいあるのです。”

    この期に及んで、中国とも付き合っていかないとと言っているのはなぁ、、と。
    少なくとも経済的な進出はないかな、、と、自社をみながら思います(反面教師的に)。

     “(中国当局は)「自由・人権といった普遍的価値」など
      7つの項目を教えてはいけないという通達を出しました”

    これは「普遍的な価値観」を共有できないと、そう宣言していると思います。
    「自由と繁栄の弧」などとは相反する内容ですし、敬して遠ざけたいですね。

     “中国が現在直面している問題は、もはや経済成長といったレベルではなくて、
      人間としてどうやって生きていくのかという問題になっています”

    ここまで来てしまうと、現地に行くのすら恐ろしいのですが、、
    なんにせよ、70年前の過ちを繰り返さないように、教訓としておきたいですね。

    それにしてもやはり、石平さんは面白いです。
    宮崎さんとの対談とあわせて読むと、先読みの視点も得られてふむふむと。

    しばらくその“論”を追いかけたい方の、お一人です。

    • アセロラさん
      おはようございます。いつも花丸ありがとうございます♪

      石平さん、面白いですよね。テレビ『たかじんのそこまで言って委員会』でも納得出来る発言...
      おはようございます。いつも花丸ありがとうございます♪

      石平さん、面白いですよね。テレビ『たかじんのそこまで言って委員会』でも納得出来る発言が多いです。

      ホント、友好国は多いですよね。アジアは広いですから。
      地元はベトナムから働きに来ている人が多いです^^
      2013/12/06
    • ohsuiさん
      アセロラさん

      こちらこそ、いつもありがとうございます。
      また、私も楽しく拝見しております

      たかじんさん、いいですよね~
      関東...
      アセロラさん

      こちらこそ、いつもありがとうございます。
      また、私も楽しく拝見しております

      たかじんさん、いいですよね~
      関東では見れないので、非常に気になっております。。

      日本を嫌ってるのは、特定の三カ国だけではないかとの、気がしています。。
      2013/12/07
  • 中国人なのに中国嫌いな二人による対談形式の構成。バイアスがかかりすぎている気もするが、こういう中国人がいるというのも面白い。

  • この本は、中国から日本に帰化して中国や日中関係について論評している石平氏と、台湾出身で東アジア情勢を文明史の視点から分析している黄文雄氏の対談本で、中国経済と政治体制を中心に崩壊という中国の将来を予想した本である。
    平成25年9月に刊行。いまだ崩壊はならず。

    話の柱としては、
    ・中国は人権問題や環境問題などで世界から見捨てられる
    ・経済減速で外資は撤退、地方政府の崩壊、ハイパーインフレにより結果的に中国経済は崩壊する
    ・権力闘争等により習近平体制は破綻し中国は分裂する
    ・アメリカとの難しい問題やTPPを含む中国包囲網等により日中は激突する
    というもので、結果
     これらにより世界的に中国の影響力は低下し、最終的に中国は崩壊する
    と言うものです。

    日本人の知らない中国の内情というものがあるので「もしかして本当にそうなるかも?」感はあるものの、事実の確認のしようがないというのも事実で、頭からすべて信用する訳にはいかないが、こういう視点で対応策的な考えを巡らすことも必要だと感じさせられました。

  • 300323011  302.22-コウ

  • 私が今日現在(2013.11)で知る限り、中国は世界経済を牽引していると理解しています。現在は欧米、日本も含めどの国においても何等かの問題があると思いますが、この本は中国経済について詳しい二人の識者(黄文雄氏、石平氏)が、2014年(つまり来年)には中国経済は崩壊するとしています。

    私が高校生の時、ソ連邦が崩壊するという本を読んでいて、そんなことが起こるのかと思い、それからしばらく順調のように思って忘れていたころ(社会人1-2年目)に突然、崩壊しました。本当の崩壊は忘れた頃にやってくるのでしょうか。

    個人的には中国にはもっと発展して欲しいとは思っていますが、本で指摘されているように、国内での格差が半端ではないようですね。私の会社には中国には上海と北京にオフィスがありますが、転勤することはとても難しいことを現地の同僚から聞きました。中国は崩壊というより分裂はあり得るのではと、この本を読んでふと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・2013.6に上海株価が5.3%も下落したのは、中国の各銀行が理財商品と言われる子利回りの財的商品の償還が6月末に迫っていたから、その予兆として、ATMが一部止まったり、銀行窓口業務が停止したりしていた(p14、15)

    ・2013.4、中国国内で流通している人民元の総量(M2)は、103.6兆元となり、アメリカの1.5倍となった、流動性過剰が生じている、この11年間で6倍近く増えている(p27、28)

    ・2009頃まではデフレ気味であったが、2011.8には平均で6.4%上昇、食品に限れば毎月十数%に及んでいた(p29)

    ・シャドーバンキングとは、国有企業が銀行からお金を借りて、本業とは関係のない金貸しを始めたことによる、推測では8兆元(125兆円)(p37)

    ・2011の中国GDPは 47.1兆元(565兆円)だが、31省直轄市自治区の合計は51.8兆元で、その差が4.6兆元になっている(p43)

    ・農民工は、中国政府の発表では2.3億人、彼等はどこでもする仕事は同じであり、内陸に行くほど賃金が安いわけではない、また彼等は日本の出稼ぎ労働者と異なり、農村にも生存基盤はない(p59、60)

    ・中国の大学生は7月卒業で9月月に就職する、2013年に卒業する大学生は699万人いるが、現在は史上最悪の氷河期であるといわれる、5月末で内定していたのは16.8%(p63)

    ・2013.5に、中国政府は、北京と上海の大学に対して、報道の自由・公民権・共産党の歴史的誤り・司法の独立、などの7項目を教えてはならないとする指示をだした(p72)

    ・中国にも憲法はあるが、序章において、中国は中国共産党に指導を仰ぐとある(p92)

    ・中国には22省、5つの自治区があるが、中華文明圏が及ぶのは、だいたい18省プラス、朝鮮・ベトナム程度(p100)

    ・2013.7.30には、30億ドル分の日韓スワップを延長しなかった(p123)

    ・中国はTPPに参加する資格は無い、為替は変動相場制でなく、資本移動も制限、知的財産権の侵害問題もある、中国が気になるのは、TPPができると中国周辺諸国による経済共同体ができてしまうこと(p140)

    ・2015年には韓国軍の統帥権がアメリカから返還される、盧武鉉大統領時代に要求したら通ってしまった、2012返還を延長してもらってそれが2015年に切れる(p146)

    ・沖縄は明の時代に中国に朝貢したことがあるが、同時に1609年から薩摩藩の支配下に入っているので、中国の主張(琉球人の70は中国人の子孫)は誤り(p173)

    ・殆どの沖縄県民は中国を嫌っているし、独立したい人は4.7%程度(p174)

    ・中国の粗鋼生産能力と消費量の需給ギャップは、1.9億トン、これは日本の粗鋼生産量を大きく上回る(p181)

    ・中国は歴史的にユーラシア大陸における伝染病の発生源、14世紀に欧州で流行したペストも、その発生源は、中国雲南地方、それがモンゴル軍の遠征により広まった。19世紀にも中国由来のペストとインフルエンザが世界で大流行した、これらも中国が発生源として日本をはじめとして世界に広がった(p183)

    ・清王朝の半ばから中国では人口が爆発的に増加、新税制により人頭税をやめたこと(p185)

    ・ウイグル族はイスラム圏とのネットワークもあり、弾圧に対する抵抗も根強い、これから中国がもっとも手を焼くのはウイグルだろう(p197)

    ・2013.2には、毛沢東時代からの友好国であったザンビアが、中国所有の炭鉱から管理権をはく奪した、ボツワナやガーナ等でも同様(p203)

    2013年11月10日作成

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著者プロフィール

1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。1994年、巫永福文明評論賞、台湾ペンクラブ賞受賞。日本、中国、韓国など東アジア情勢を文明史の視点から分析し、高く評価されている。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』『世界から絶賛される日本人』『韓国人に教えたい日本と韓国の本当の歴史』『中国の正体知ってはいけない「歴史大国」最大のタブー』『新型肺炎感染爆発と中国の真実』(以上、徳間書店)、『もしもの近現代史』(扶桑社)など多数。

「2021年 『中国人も知らない歴史のタブー ジェノサイドの中国史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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