新興国 中・韓・印・露・ブラジル経済総くずれ

  • 李白社 (2013年9月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198636777

みんなの感想まとめ

経済の動向を俯瞰する視点が得られる作品で、著者はBRICs諸国の経済が崩壊の危機にあると警告しています。汚職や格差の拡大、資産バブルの崩壊、借金経済の問題など、多角的な要因を挙げており、実際にその後の...

感想・レビュー・書評

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  • 2013年に書かれた本。著者はBRICsの国は総崩れで景気減速すると述べていた。理由はそれぞれの国による汚職の蔓延、格差拡大、資産バブルの終焉、借金経済の問題。。。など。なるほど、2年後の今を見ると的を得ている部分も多い。副題に”日・米は支えきれるか”とある。この点に関して結果的には勝者なき世界情勢となっている。アメリカのシェール革命はエネルギー価格の下落で恩恵を受けてはおらず、日本の成長戦略は道半ば。旬は過ぎてしまったがエコノミストの視点は勉強になる。

  • 「新興国投資は即刻やめなさい!」というのが筆者の意見。
    中国、ロシア、ブラジル。確かに総崩れの様相。
    インドがどうかってとこでしょうか。

  • 知ってる情報も知らない情報もあり、すべてを繋ぎあわせた俯瞰の目で世界の経済が手に取るように分かる。そんな本です。

  • この本は今から半年ほど前(2013.10)頃に出版された本ですが、消費税の増税後の日本の状況(まさに今)を予想すると共に、日本以外の世界経済の状況を予測している本です。

    そのポイントは、どの国も経済は悪くなっていき、その反面、アメリカが一人勝ちする、というのが結論のようです。アメリカの強みの原因は、基軸通貨や強い軍事力と長い間言われてきましたが、それらに加えて最近では「シェールガス革命」による、エネルギーコストの低下、それによりアメリカが世界の工場に返り咲くことになるというものです。

    世界の工場は、経済派遣と同様に、オランダ→イギリス→アメリカと変遷していて、一時期は日本や中国なども一世を風靡したこともありましたが、この本によれば、やはりアメリカということです。

    これについては他書にも同様の記述があり、あと数年(2016-2017)もすれば現在建設中の回帰してきた工場がフル稼働し始めます。したがって、2014-2015年のこの2年間はそれらの過渡期にあたり、ある意味不透明な状況が続くかもしれませんね。

    企業活動は、経済のデータとして現われる前に行動を起こしていますから、一般の人が気づくのは数年後になるのだと思います。

    思い起こせば、社会人を始めた平成元年(1989)から激動の世界に身をおいている感がありますが、これからも大きな変化を経験することになると思います。その変化に驚かず、また飲み込まれないように、経済の見通しを述べた本については多くの官が方を学び、自分の行動も決めていきたいと気づかされました。

    この本で私が始めて知った概念に「付加価値貿易の統計(OECDとWTOが計算)」がありました。付加価値でみると、アメリカに対して日本は大幅な貿易黒字、中国に大しては小幅ながら赤字になる、韓国も同様(p70)とのことです。

    以下は気になったポイントです。

    ・現状はBricsを中心とする新興国がメディアの伝え方よりもはるかに「切迫」した状況である、日本に必要なのは、アメリカを真似た金融緩和や財政出動ではなく、日本の強みを生かした成長戦略である(p7)

    ・ブラジルは、インフレと昨今の資源安により「借金依存経済」が回らなくなってきた。先進国の資源投資で潤ってきたので、資源高が続かないと経常赤字となる(p21)

    ・シェールガスの埋蔵量は当初アメリカ国内のガス消費量の100年分といわれたが、いまではシェールオイルとあわせると、人類可能な化石燃料の400年分を超えた(p22)

    ・インドには固有の身分制度カーストが大きく横たわっているので、カーストによる就業差別がIT人材の海外への大量流出を促している(p25)

    ・5,10年タームで工場経営を考えると、南米の新興国よりもアメリカ南部のほうがトータルコストで安くつくので、生産拠点を移している。シェール資源の豊富な州の失業率はきわだって低下している(p27)

    ・アメリカが長年インフレを続けてきた本当の理由は、エネルギーコストが上昇をしていてインフレを招いていただけ(p32)

    ・いまのアメリカの株高の半分は自社株買いで、あとの半分は金融緩和、なので金融緩和を縮小しても株高を続けられる可能性があると踏んでいるようだ(p33)

    ・恐ろしい額の投資をしてまったく採算がとれていないのが中国の高速鉄道の実情、中国全土に敷設されることになった理由は、中国の汚職構造のため。鉄道省幹部、地方政府の役人、巨額融資によりリベートをもらう銀行、地方の建設業者がみな潤ったのでよいとされた(p51)

    ・中国の2011年度の国家予算は、治安維持を目的とする公共安全費は7.8兆円であり、国防費の7.5兆円を上回る(p63)

    ・2011.7に中国で施行された「社会保険法」は、本人給与の約4割が、労使あわせて徴収されていて外国人も同様。年金給付のスタートは15年後であり海外の駐在員にはメリットなし。北京市からスタート、2013.7現在で主要25都市にまで広がっている(p73)

    ・アメリカに主力拠点を持ち、それに加えて東南アジアにもう一つ拠点を持つのが「アメリカ・プラス・ワン」の基本形である、中国を市場と見るのであれば、アジアの生産拠点から輸出すればよい。日本企業はマザー工場は絶対に日本国内に持つべき(p75)

    ・中国政府で信用できる統計は、電気生産量と消費量の推移である、と李克強首相がかつて言った(p75)

    ・いまやブラジルの一般家計では、可処分所得の22%ものが借金返済に充てられている、サブプライム危機の直前のアメリカでさえ14%であった(p87)

    ・アメリカにおける急速なシェールガス開発で行き場を失ったカタールなどの中東産油国の天然ガスが欧州に向かい、割高なロシア産のガスが余るようになった(p115)

    ・ロシアは汚職天国国家、高級官僚が絡んだ汚職に協力しないと逮捕される、官僚・警察・司法がグルなので、国営企業に協力しない経営者は逮捕される(p120)

    ・インドの弱点は、脆弱なインフラ・エネルギー高による貿易赤字・通貨安によるインフレがあるが、もうひとつの難問は、カーストと呼ばれる身分制度(p126)

    ・韓国は2013年に入ってから、好調だった大企業でも収益悪化、その原因のひとつは通貨高である(p134)

    ・今後の主力と思われる、次世代スマホ・高級薄型テレビが、中国レノボ、TCL集団の後塵を浴びるならば、それはかつての日本家電メーカと同じ(p135)

    ・アメリカの企業のうち7割は中小企業で雇用も7割、その多くが地方都市に存在しているので、アメリカの本当の経済を知るには、地方経済を見る必要がある、特に地方自治体が疲弊している(p163)

    ・2013.7には、とうとうデトロイト市が財政破綻した、退職者に払う年金や医療保険の出費に耐えられなくなった(p164)

    ・エネルギーコストの低下は、アメリカの競争力を高めるという点で、通貨安と同じ効果をもたらす。FRBが量的緩和で推し進めたドル安よりもエネルギーコストの低下のほうがアメリカ経済に恩恵をもたらしている(p175)

    ・エネルギーの供給過剰によってもたらされる物価下落と、いまの中国のように生産設備の供給過剰によってもたらされる製品価格の下落とは、明確に区別する必要がある(p177)

    ・ドイツ1世帯あたりの純資産は20万ユーロなのに対して、スペインは30万ユーロだが、実際にはスペインのほうがはるかに厳しい生活を送っている。スペインのインフレ経済が国民の資産規模を目減りさせてきた。スペインの30万ユーロよりも、ドイツの20万ユーロのほうが実質的な価値がある(p186)

    ・欧州では債務危機から見事に立ち直ったバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)がある。劇的な緊縮財政を行い、財政の健全性を取り戻して景気の回復局面に入っている。スペイン、ギリシアは国民の反対もありいまだに景気後退(p190)

    ・アメリカは6人に1人が貧困層、3人に1人がその予備軍、日本の生活保護者は220万人で60人に1人、明らかに日本国民の生活水準は高い(p230)

    2014年5月5日作成

  • この先の目安として覚えておきたいです。

  • 2014年以降、経済状況がいいのは、シエール革命の追い風を受けるアメリカ、消費税の増税を受け、日本は減速。新興国は軒並み減速。
    まだましなのは、インド.しかし約5年間、シエール革命が浸透してくるまで低迷が続くだろうとの予想。

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著者プロフィール

1970年生まれ。慶應義塾大学卒業後、金融機関や官公庁を経て、現在は経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。大手企業・金融機関、地方公共団体等への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に務めている。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。実質賃金、実質成長率など、名目数値よりも実体経済に近い数値推移で市場を把握する。著書に『AI×人口減少』(東洋経済新報社)、『日本の国難』(講談社現代新書)など。

「2021年 『マンガでわかる その後の日本の国難 稼ぐ力の高め方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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