- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198638290
作品紹介・あらすじ
いよいよ断末魔の様相を呈してきた中国。シャドーバンキングは次々とデフォルトし、、バブルは完全に崩壊寸前。他国への軍事挑発を繰り返す一方、国内ではテロが頻発していある。権力闘争も泥沼化の様相を呈しており、習近平体制は完全に制御不能へと陥りつつある。末期的様相の中国は、これからどうなるのか。中国バブルが崩壊したとき、世界に何が起こるのか。経済のみならず国際政治にも詳しい著者が、世界情勢の大変化と中国崩壊の行方を読む。
感想・レビュー・書評
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小当たり
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中国のことについて詳しく書かれていて、自分の知らないことがいろいろと書かれていて参考になります。が、偏見としか思えないような意見も多く、そのまま同意はできかねる内容です。仕事柄私の知っている部分については、明らかに誤りの部分もありましたし。でも中国を詳しく知ろうと思ったら、読んでおいても良いのではと思います。
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ラジオやチャンネル桜では、優しげな声と
穏やかな口調で分かりやすい解説。
いつもありがとうございます。勉強になります。
経済や金融の話で数字が出てきちゃうと、
私、どこまで理解出来ているか・・・。
脳みそが拒否反応起こすので。
早くすんなり理解出来る自分になりたい。
第5章『中国崩壊後の世界と日本の行方』には
個人的に関心があった外国人への生活保護問題や
不法就労・不法滞在、移民の問題などに対しても
書かれていて、この章はもう一度読み直さなければ。
渡邉さん、スゴイなぁ、さすがだなぁ。
同い年なのに私とは大違いだ・・・と落ち込みます。 -
中国バブル崩壊、破局、大動乱 本
人口ボーナスと人口オーナス
72の法則 72ん金利水準で割る 複利で何年で倍になるかを計算
国際金融のトリレンマ
給料以外の収入、地下経済、ワイロ
中国要人のアメリカ資産 スイス銀行口座は捕捉されている
裸官
今の中国には本当の共産主義革命が必要 -
最近では「ヤバイ」という言葉はプラスのイメージでも使われるようですが、このタイトルに使われているのは、やはり従来の使われ方だと思います。
世の中には様々な見方があると思いますが、この本は2014.7現在の中国の状況について書かれています。この本で強調されているのは、高成長を続けてきた中国はいずれは低成長になるという、ある意味、どの国家も経験した当たり前のことを書いています。
そうなった場合の日本への影響も少なからずあり、その日を迎えるまでにどんな準備をしておくべきかを考える良い機会となりました。
以下は気になったポイントです。
・中国で経済的破局、社会混乱が不可避である理由として、人口オーナスへの人口限界・PM2.5に代表される環境限界・バブル崩壊、資産下落による拡大経済の限界が、ほぼ同時にきていること(p2)
・中国はいまや共産主義ではなく、中国共産党独裁自由主義経済の国であるあ(p19)
・西側諸国との関係悪化がすすむことは、欧米への輸出によって外貨を稼いできた中国にとって明らかにマイナス(p25)
・国連安保理では中国とロシアが拒否権を使うことが多く、西側先進国のみの連合を作ろうということになったのが、米英仏西ドイツ、日本によるG5だった、その後、イタリアとカナダが加わりG7となった(p29)
・アジア開発銀行(ADB)では、重大決済では、出資比率の85%の賛同が必要だが、日本と米国が各々15.6%であり、単独拒否権を持っている(P31)
・ロシアはウクライナ問題では、民族自決の原則を利用して、クリミア半島で住民投票を行わせてクリミアの独立を住民たちに選択させて、彼らがロシアに併合されていることを希望したという手段をとった。これは国際法理においては反していない(p35)
・2007.8.9に、BNPパリバ銀行傘下のファンドが突如としてサブプライムローン関連のファンド解約を中止したことで、金融当局が対処する時間を奪った。BNPは2002-12の10年間にIEEPA法の規制対象国となっている国に送金していて刑事訴追を逃れるために司法取引(罰金と制裁の受入れ)をした(p42)
・中国の輸入食料の60%は日本商社が握り、中国が輸出している産品のキーパーツはほとんどが日本製。(p62)
・IEEPA法により、中国がアメリカの安全保障・外交・経済の面で重大な脅威になる場合、中国が持っているアメリカ国債を無価値化にできる(p68)
・ロシアのクレジットカードが使えなくなっているのは、VISA,MASTERが、ロシア銀行発行のクレジットカードの取り扱いをやめたから(p68)
・香港ドル通貨とは、ドル預託通貨といい、保有しているドルを裏づけに発行されている通貨で、ドルに相乗りしている通貨である。アメリカ国債が経済制裁によって凍結されれば、香港ドルは紙切れになる(p70)
・レアアースで作られているハードディスクの磁石なくなると、中国からは10万円が失われる、日本からは100円の輸出が失われる(p72)
・中国の指導者はある意味、独裁者でなければならないが、独裁者が委員会をつくった時点で終わっている(p81)
・レノボにバックドアが仕掛けられているため、豪・米
・英・カナダ・NZなどの情報防衛機関のネットワークで使用禁止となった(p86)
・韓国のGDPの4分の1、上場売上げ企業の48%を占めるサムスングループの現会長が2014.5に緊急入院となった(p102)
・台湾が高速鉄道を建設した時に、サムスン建設と現代建設に工事を依頼したが、だめで、殆ど日本企業がやり直すことになり開通が1年遅れた(p105)
・北朝鮮、アルメニア、ベルラーシはおたがい似ている(p106)
・今の中国が依然として新興国なのは、すべてが技術輸入で、生産設備からモノをつくるという基礎的工程においても全部海外に依存している(p115)
・モノをつくる際のコストは、エネルギーコスト+原材料単価+賃金+知的所有権などの付加価値、で構成されている(p117)
・アメリカや日本が中国から撤退したからといってすべての国がそうしているわけでない。それを埋める形で、ドイツが対中投資を増やしている(p125)
・中国企業は貿易で人民元が使えないので、依然としてドル、またはドル預託通貨である、香港ドルで決済している(p134)
・国際金融のトリレンマが中国経済に重くのしかかっている、固定相場制・中央銀行による独立した金融政策・外国との資本移動、は同時に2つまでしか実現できない、中国は人民元を安く輸出競争力が落ちないように、米国債を購入してきた(p136)
・アメリカは、2013.12.27に、中国人要人の口座、ウォールストリートで働く社員についてすべて報告するように金融機関に命令した。スイスも同様で情報開示させられている(p139,140)
・天津市の、ガーデン・フェニックス・ホテルは2011.2の完成予定だったが、2年以上前に止まったまま(p153)
・2014.3.7に中国債券市場にて初めてデフォルトが起きた、太陽光発電関連メーカ(上海超日太陽能科技)である(p160)
・1990年代において国内空洞化といわれるほど工場の移転が行われたのは、欧米に対する貿易黒字の圧力を回避するため(p183)
・工作機械は森精機などが独断場(欧州最大メーカDMGと合併)、医療機器ではテルモ、東芝メディカルシステムズ、重工業では、東芝や日立(p185)
・日本では失われた20年と言われている間に、日本に残っているのは、日本でしか作れないもの、日本でつくったほうが効率がいいものに選別された(p186)
・ロシアはプーチン一人と交渉すればよく、軍部も諜報機関も抑えている。しかし中国は人民解放軍のみでも7人の将軍がいる(p218)
・日本は、南米・ブラジルなどに開発型投資として農地をつくり、現地の人を雇用してそこに大豆を植えて、それを輸入してきた。日本商社はブラジルから、世界各国へ輸出する仕組みをつくっており、その輸出先の一つに中国がある(p229)
2014年9月21日作成 -
かなり凄いタイトルだが、読んでみれば確かにヤバイとしか言い様がない。嘘を嘘で塗り固めることによって国としての体裁をかろうじて保っているが、ほころびは隠しきれず様々な指標や現象として現れている。例えばPM2.5を始めとする環境問題。尖閣諸島を始めとする国境問題。そして内戦の可能性。そしその全てが政治的キーマンの不在によるものであるということが分かりやすくまとめられており、中国の今を垣間見ることができる。