「軍国主義」が日本を救う

  • 徳間書店 (2014年9月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198638580

みんなの感想まとめ

テーマは、軍国主義とその歴史的背景についての再考であり、既成観念を覆す視点が魅力的です。著者は、軍国主義とファシズムの違いを明確にし、歴史的な人物や国の防衛戦略を引き合いに出しながら、日本の国防や外交...

感想・レビュー・書評

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  • 少し前の本だが、既成観念を崩してくれるという意味で面白かった。すなわち、

    ・軍国主義=ファシズム=悪とのレッテルだが、そもそも軍事を国策の中心に据える軍国主義と、一国一党のファシズムはそもそも水と油。寧ろ、ファシズムは宗教原理主義と親和的。

    ・軍国主義に徹して国を守った聖徳太子や天武天皇。徹しきれずに敗れて大日本帝国。

    ・アメリカのシビコン(全てにおいて政治の優先。作戦にも介入)よりも、英のシビリアン・スプレマシー(戦略と戦術の役割分担)。

    ・本質を見落としている特定秘密保護法と平和安全法制。スパイの実刑化(最高刑よりも懲役3年を最低とする)ネガティブリスト化が優先。

    ・ろくでもない憲法改正を進め、憲法改正が出来ないことを理由に何もやらない保守こそが問題。

    その反面、全方向に喧嘩腰で、左翼、右翼、自民、民主、共産、財務省、防衛省・自衛隊、メディア、東大法学部など全てを口汚く批判。自分だけが正しくて、あとは殆ど全てバカというこういう態度には共感できない。

  • 倉山さんの本は、まず言葉の設定から。
    それが正しいのかどうか、世界でそういう意味で使われているのか検証したことはないが、少なくとも、言葉のイメージだけで検討してはいかんということをいつも思い知る。

    少なくとも今の自衛隊は軍ではなく、警察の延長だというのは判った。それだけではないんだろうが。

    憲法改正についての意見はほぼ同感。
    国防とか、外交とか軍事とか、基本的な議論や理解が全くできていない状況で、確かに何をするんだろう。

    それくらい戦後の日本は、いろんなものにぐちゃぐちゃにやられている。

    個人的に好きなのは、なぜ日本が大東亜戦争に敗れたか。
    上層部がアホやったが、現場が有能すぎて鬼のように強くて、アホな作戦でも勝ってしまう。なのでさらに調子こいて無茶な作戦を、負けるまで、負け続けさせられたって表現。

    色々考えさせられる。

  • 正論(まともな意見)もあれば、暴論(時代錯誤と論理飛躍)もあり、どうにも評価しにくい。田母神俊夫と同じか。単なる保守とは違う。そうか軍国主義者だ(笑)。

    以下、引用省略。

  • この本を読む前まで、この本のタイトルの一部にもなっている「軍国主義」という言葉に偏見を持っていました。

    太平洋戦争を起こした原因が軍国主義であり、平和を維持するためにはそれを避けるべきだとばかり思い込んでいました。

    この考え方が間違っているかもと思ったのは、この本を読んでからでした。日本を平和に保つため、侵略された場合にも対抗できるようにしっかりとした軍事力を持ち、それを必要に応じて行使できるようにしておく必要があると感じました。

    今後も偏見をもっていたことに対しても、読書を通して情報を増やしていきたいと思いました。

    この本を読んで、なぜ普通選挙が実現されたかの理由(徴兵制と総力戦の導入、p228)を知ることができて良かったです。

    以下は気になったポイントです。

    ・1618年からの三十年戦争は、血で血を洗う殺し合いであった。カトリックとプロテスタントがお互いに戦った。1648年に30年戦争の講和条約で確立した体制を、ウェストファリア体制と呼び、国家は外国からの干渉を受けない独立した存在であるとした(p12)

    ・ファシズムとは、国家から超絶した存在として党がある体制で、一国一党の支配体制のこと。かつでのナチスドイツ、ソ連、今の中国が典型(p13)

    ・宗教原理主義とファシズムはとても親和性が高い、絶対的な権力者として、昔の協会を政党に置き換えただけなので(p14)

    ・天智天皇が崩御した後、子の大友皇子に対して、弟の大海人皇子(後の天武天皇)が壬申の乱を起こした、これに勝利した天武天皇は二度と戦争を起こす必要が無くなった。満州人が攻めてきた、刀伊の入寇(1019)では、平安時代であったが現地の大宰府軍のみで撃退した(p18)

    ・大日本帝国は、大政翼賛会によって政党を解体したのでファシズムでもなく、軍国主義でなかった(p19)

    ・東日本大震災での東北方面隊10万人は、震災後3日間で手持ちの食料が尽きたのでコンビニで買ったレトルト食品で飢えをしのいだ(p27)

    ・ネガティブリスト方式の有事法制(軍刑法)と軍法会議があることが、法律的に自己完結した軍隊の必要条件である(p36)

    ・自らの権限によって相手を従わせることが「コマンド」、権限が及ばない相手を従わせることを「コントロール」という(p61)

    ・1999年6月のユーゴ紛争では、セルビアのブリティシュナ空港をロシア軍を占拠して、NATO軍と一発触発のにらみ合いになった。まさにノストラダムスの大予言が的中する寸前であった。このときの日本の外務大臣の高村氏は世界大戦を防いだとして国際的には高く評価されている(p70、71)

    ・懲役3年とは、刑法では非常に重要な意味があり、「凶悪犯」扱いになる、その者が逃亡した場合には武器使用が認められ、威嚇射撃なしに直接発砲できる(p78)

    ・海上自衛隊と国土交通省所属の海上保安庁では、指揮系統が異なるので、有事に海上保安庁が海上自衛隊の指揮下に編入されることがない。護衛艦はディーゼルエンジン、巡視船はガスタービンと異なるので人員も融通できない(p161)

    ・2014.8.5付けの朝日新聞は、過去に掲載した、軍による慰安婦の強制連行の記事は全てウソである、女子挺身隊と慰安婦強制連行を混同していたことを認めた(p174)

    ・戦闘地域と非戦闘地域がなくなり、女性たちも命を張って戦争に協力しているのだから、男だけでなく女にも選挙権を与えろという主張が起きた。徴兵制と総力戦の導入により、普通選挙が実現した。(p228)

    ・アメリカ海兵隊は、陸海空の統合戦力のパッケージが本質、現代の戦争はいずれかの軍だけで戦うことが出来ないので、三軍が協力する統合戦力で、有事のさいに真っ先に投入する(p233)

    2014年10月25日作成

  • 軍国主義とは何か。我々の考えていることとは違う定義で日本の戦後や憲法を、鋭く切り込む内容。
    著者の好き嫌いを分けて考え、一読してみて欲しい。

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著者プロフィール

憲政史家

「2023年 『これからの時代に生き残るための経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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