2015年 暴走する世界経済と日本の命運

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198638795

作品紹介・あらすじ

グローバリズムの拡散により、世界は分裂へと向かい始めた。ウクライナ問題での新たな米ロ冷戦、欧州での反ユーロ派の台頭、スコットランドやスペインでの独立運動、香港や台湾での反中国デモなど、各国で対立が激化。日本では、財政均衡主義による消費増税で景気が後退、来年の再増税を巡って賛成派と反対派が熾烈な争いを繰り広げ、さらに新自由主義派が推進する規制改革もせめぎあいが続いている。世界と日本の未来が決まる2015年の動向を読む!

感想・レビュー・書評

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  • 2016/02/10:読了
    特にコメント無し

  • そこそこ参考になる点はありましたが、ちょっと最近この方は考え方が偏っているように感じますね。

  • 昨年末(2014)に本屋さんで見つけた三橋氏の当時の最新本です。2015年の日本を始めとして、世界の国々の経済状況の予測を解説されています。

    日本経済の動向が最初に書かれていますが、米国、欧州、中国、韓国と私の興味ある国については全て網羅されています。

    私の受け取ったメッセージは、どの国にも問題はありますが、国によってそれが異なるということです。アメリカはいよいよ貧富の差が激しくなって、国が事実上分裂しそうですね。富裕層だけで自治体を創設できるという凄い国になっています。

    欧州は苦労してEUを作ってはみたものの、ドイツの一人勝ちで他のかつての主要国の足並みが乱れて来るのは予想されます。中国、ロシア、韓国も繁栄するには問題がありそうです。

    こうしてみると、共産主義を凌駕したと思われていた資本主義にも、そろそろ限界が来ている様ですね。

    今年(2015)から様々な分野で資本主義社会の「綻び」が出てきて、東京五輪の頃には新しい世界になっている可能性もあります。気の抜けない5年間になりそうだと認識しました。

    以下は気になったポイントです。

    ・国民経済がデフレ化するのは、バブル崩壊後に国民が借金の返済や銀行預金を増やし始めることが発端となる(p16)

    ・100万ドル以上の投資可能な金融資産を所有する富裕層は、日本に230万人、首位は400万人の米国、3位がドイツの110、4位が中国の75万人強、これで60%を占める(p17)

    ・消費税は中間層以下の消費性向が高い層にとって税負担が重い、逆進性のある欠陥税制である(p37)

    ・2013年の日本株上昇(57%上昇)は、なんと41年ぶりであった(p42)

    ・日本のデフレータが上昇したのは、消費税増税で景気が悪化、実質GDPが縮小したから(p55)

    ・日本の少子化の主因は、婚姻そのものが減少している、結婚した夫婦の出産が減っているわけではない。結婚できない原因は雇用が不安定で、実質賃金が下落しているから(p65)

    ・ウクライナコサックは独立の試みを何度も、ロシアやポーラkurujiaきた、1780年にはエカチェリーナ2世により併合された(p68)

    ・2008.8の南オセチア紛争(ロシアークルジア戦争)は、陸海空のすべてで戦闘が繰り広げられた(p71)

    ・ジョージア州のフルトン郡は、北部に裕福な層が集まり、南部では貧困層が暮らしている。2005年から北部3地区が次々と郡から分離して独立していった。(p102)

    ・現在はECBが当座預金にマイナス金利をかけているため、ユーロ圏の銀行は運用先を国債に集中させた(p134)

    ・ドイツがどれだけ対ユーロ諸国で貿易黒字を膨張させても、輸出のブレーキとなる通貨高は発生しない、また加盟国間では財の輸出入に際して関税をかけることはできない。それ以降のドイツは安い為替ルートを利用してユーロ圏外へ輸出した(p141、148)

    ・2012年にはドイツは世界第二位の移民流入国になった、2009年には8位(p163)
    ・ドイツは2015年には新規発行国債がゼロになるが、1%のインフレにも賃金上昇率が追い付かない(p164)
    ・グローバル市場における国際競争力を高める実質賃金の低下と、個人消費を中心とした内需依存の経済成長は両立できない(p176)
    ・イギリスは2017年にEUからの離脱を問う国民投票が実施される(p183)
    ・フランス国民戦線、イギリス独立党、ギリシア急進左派連合、デンマーク国民党は、国政では野党でありながら、欧州議会選挙では完璧な勝利をした(p184)

    ・イギリス連合王国からのスコットランドの独立が阻止されたと思ったら、今度はスペインのカタルーニャ独立問題が火をふいた(p200)

    ・日本企業が続々と中国からの撤退を開始している、12(2010),23(2011),56(2012),76(2013)である(p214)

    ・日米安保条約5条には、適用地域は「日本国の施政下にある領域」としている(p222)

    ・中国のGDPは発電量(3%増加)や、鉄道貨物輸送量と大きなかい離がある(p232)

    ・中国のGDPが増えたのは、総固定資本形成(住宅投資)がメイン。2004年に完成した天津市北部の宝てい区の京津新城は、いまだに入居者が3割(p237)

    ・行政府のリーダーを自分たちの主権として選びたいという香港市民の願いを、中国共産党は踏みにじった。指名委員会の推薦が必要と決定した(p243)

    ・2014.9以降、日本銀行が国債を購入し、通貨を発行しようとした際には、短期国債市場において、マイナス金利が発生している。一番人気が高いのが日本国債(p282)

    ・現在の日本で起きているのは、消費税増税後のデフレ化プロセスと、輸出拡大をともなわない円安(輸入物価上昇)による、実質賃金の恒常的下落現象(p284)

    2015年1月11日作成

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著者プロフィール

東京都立大学(現:首都大学東京)経済学部卒業。外資系IT企業、NEC、日本IBMなどを経て2008年に中小企業診断士として独立、09年に株式会社三橋貴明事務所を設立した。
2007年、インターネット上の公表データから韓国経済の実態を分析し、内容をまとめた『本当はヤバい!韓国経済』(彩図社)がベストセラーとなる。その後も意欲的に新著を発表している。単行本執筆と同時に、雑誌への連載・寄稿、テレビ・ラジオ番組への出演、全国各地での講演などに活躍している。また、 当人のブログ「新世紀のビッグブラザーへ」の1日のアクセスユーザー数は7万人、推定ユーザー数は21万人に達している。2012年1月現在、人気ブログランキングの「政治部門」1位、総合ランキング2位(参加ブログ総数は約90万件)である。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/
主な著書に『国民の教養』(扶桑社)、『疑惑の報道』(飛鳥新社)、『2012年大恐慌に沈む世界 蘇る日本』(徳間書店)、『増税のウソ』(青春出版社)、
『三橋貴明の「日本経済」の真実がよく分かる本』(PHP研究所)などがある。

「2012年 『ユーロ崩壊!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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