5人のジュンコ

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198638870

感想・レビュー・書評

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  • 私の頭が働かなかったのかちょっと不完全燃焼。
    もう1回読めばわかるのかもしれないけど、もう1回読もうとはなかなか思えない本。

  • ★★★★☆
    人間のダークサイドをバタフライでくり抜く
    【内容】
    5人のジュンコさんの物語。
     * 篠田淳子 『佐竹純子』の同級生。
     * 田辺絢子 『佐竹純子』のネタを追う。
     * 守川諄子 田辺絢子の取材対象者の母。
     * 福留順子 社宅に住む課長婦人。
     * 佐竹純子 連続殺人犯。

    【感想】
    暗黒だなー暗黒。

    これを映像化されたら立ち直れない自信があります。

    ジュンコ達だけならまだしも、脇役たちもダークです。
    誰にでも心当たりがあるはずです。
    人間っていうのは、暗黒に落ちるのと落ちないのは僅かな差なんだろう。

    そして、逮捕されるされないっていうのも僅かな差なんだ。

    連作っぽいのですが、見事につながっております。

  • この人は女の嫌な所を書くのが上手いなぁ。
    毎回胸焼けしつつも読んでしまう。

  • 近年実際にあった事件をモチーフにしているんだろうな…と思ったらやはりそうだった。いやー怖い話だ…ミイラ取りがミイラに的な連鎖も怖いし、女の怖さも感じるし。とにかく怖い。怖いから読んじゃう。

  • 15/05/21
    女ってこわいなあ~と思いつつ読み進めました。色々とつながっててややこしいけど面白い。下世話ですが面白い。

    P162
    そういう人を見ていると、人としてちゃんと生きている気がして、羨ましい限りです。少なくとも、未来になにかを繋いでいる。それなのに、私は……。

  • みんな悪人?w

  • 昨年世間を賑わせた、男をたぶらかしてお金を毟り取り殺してしまった事件を下敷きにしている、というか設定はそのままである。
    ただ、その事件について真相を解明するのではないのが目新しい形式。

    タイトル通り、物語には5人のジュンコという名の女性が出てくる。

    次々に交際相手から金を引き出して殺した佐竹純子。
    純子の中学時代の同級生で、彼女に人生を壊されたと思っているOLの淳子が第1章の語り手となる。
    ここで佐竹純子のサイコパス的な部分が語られるのだが、わかりやすいほどに真相への伏線が張られる。
    過去の作品と同じく、ミステリというよりはサスペンスに近い雰囲気である。

    第2章の語り手絢子が、この物語の真の主人公だとだんだんわかってくる。
    すべてに恵まれ、人の上に立つ者として生まれてきたようなノンフィクションライター・芽依の腹心として働くことに喜びを感じる絢子は、芽依の関心を引くために佐竹純子の事件を調べ始める。

    物語の起承転結の転の部分で、もうひとつの殺人が起こる。

    佐竹純子の犯した事件以外にも人が死に、リアリティはないのだが飽きさせない。
    もう少し深く人物の心の動きを描けば深みが出るのだろうが、さくさく進むため読み応えというものがない。

    ただ、それがこの作家の作風というか、くるくると物語が展開してみんな嫌なやつ、ドロドロ、というものなので、期待値は裏切らなかった。

    ちょっと長い距離の移動で読むのにちょうどいいと思った(まさしく金沢までの新幹線で読んだのだが)。

  • 真梨幸子は短編集などでは読んだことあるけど本は初めて。イヤミスってこういうことをいうのか、というほど女の嫌な部分が重なり合う。

    佐竹純子という伊豆連続不審死事件の犯人とされる人にまつわる5人のジュンコ。直接的に関わらない人もいるし、ジュンコの娘の物語もあるが、佐竹純子に何らかの影響を受け自分も殺人や嫌がらせに関わってしまう。

    最後は驚いたけど、すべてスッキリしたわけじゃなかった。

  • またしてもまーちさんの素敵なレポのある作品を読んでしまいました。(^_^;)

    「ジュンコ」と言う名前に呪いがかかっているかのように、
    次々と起こる事件の中心人物になっている「ジュンコ」さん。
    その事件の筆頭が、佐竹純子でした。

    5人の高齢男性との連続結婚詐欺&不審死事件の容疑者の佐竹純子。
    自分のテリトリーに相手を誘いこみ、自分のペースにはめ込んで
    相手をがんじがらめにしていく毒蛇のような女、
    佐竹純子の最初の毒牙にかかったのは、
    中学生の頃の同級生、篠田淳子でした。
    エピソード1の章は、この篠田淳子の物語です。
    どのように、佐竹純子によって、
    貴重な青春時代が台無しにされたか、
    読んでいても佐竹純子に対して無性に腹がたつほど、
    陰湿でどす黒い印象のストーリーが描かれています。

    その佐竹純子のルポを
    売れっ子ジャーナリストの久保田芽衣に書かせるため、
    奮闘を始めたのが、芽衣の事務所のスタッフ、田辺絢子でした。
    田辺絢子は、佐竹純子の今までの半生を追って、
    あちこち、取材を始めます。
    エピソード2の章は、
    仕事に集中したい久保田芽衣と絢子に襲いかかる、
    ストレスと殺意が描かれています。

    田辺絢子の夫は
    以前裏サイトで佐竹純子らしき人物と交流があったと告白。
    その裏サイトで佐竹純子の恋人と思われる人物が行方不明らしいと・・・。
    絢子はすぐにその人物の妹守川美香に会いに行きます。
    話しをするうちに、美香の変わり者だという兄が、
    浮気をして交通事故で亡くなった実母守川諄子を慕うせいか、
    「ジュンコ」と言う名前に異常な反応を示していたというのです。
    エピソード3の章は、
    「ジュンコ」の名に踊らさせる変質者の兄を持つ美香のストーリー。
    遺産相続がらみの黒い思惑がちらほら見え、
    金銭に対する欲望の醜さに寒気を覚えます。

    エピソード4の章は、
    佐竹純子に似ていると噂される主婦の福留順子の物語。
    社宅内の生活に抑えきれないストレスを感じていた彼女に、
    突然、ある不幸が襲いかかります。

    そしてエピソード5の章、再び、佐竹純子。
    彼女は取材にきた芽衣のスタッフに対して
    自分のことを知りたければ、
    大親友の篠田淳子を取材するように、と言い放つのでした。

    5人の全然別の人格者のジュンコさんが遭遇する事件。
    全く無関係なのに、実はなにかしら影響をしあっているという
    バタフライエフェクト現象を起こしているようです。
    そのせいか、前後の話の組み立てが
    ちょっとわかりづらいのが残念でしたが、
    それぞれ別々に見ても日常生活の中で起こりうる、
    誰もが体験することが可能な殺意が描かれていました。
    みんなの心の中に「佐竹純子」がいる。
    そんな気がして、ぞっとした作品でした。

  • 連続結婚詐欺殺人事件をモデルとして佐竹純子、そして同じジュンコと名の付く4人の女性の周りで起こる事件。
    相変わらずイヤな女のオンパレード。
    5人のジュンコたちの繋がりが弱いというか、特にどんでん返しというほどでもなく、それとも私の読み込みが足らないのか、よくわからなかった。
    (図書館)

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著者プロフィール

1964年宮崎県生まれ。1987年多摩芸術学園映画科卒業。2005年『孤中症』で第32回メフィスト賞を受賞し、デビュー。2011年に文庫化された『殺人鬼フジコの衝動』がベストセラーとなり、”イヤミス”の急先鋒として話題に。2015年『人生相談。』が山本周五郎賞の候補となる。そのほかの著書に、『5人のジュンコ』『私が失敗した理由は』『カウントダウン』『一九六一東京ハウス』『シェア』など多数。

「2023年 『まりも日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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