消えた犬と野原の魔法 (児童書)

  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198638955

作品紹介・あらすじ

ティルは悲しい気持ちで目をさましました。だいじな飼い犬のベスがきのうから行方不明なのです。すると、庭の木戸のところにふしぎなおじいさんがあらわれて言いました…「わしは『見つけ屋』だ。いっしょに犬をさがしにいこうじゃないか」犬がいなくなった野原までやってくると、さらにふしぎなことが…?英国児童文学の名手ピアスと、人気画家クレイグが、共通の孫のために作った、ピアス生前最後の作品。徳間書店の子どもの本・二十周年記念作品。

感想・レビュー・書評

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  • 英国の児童文学作家フィリパ・ピアスが遺した最後の作品。挿絵は絵本画家ヘレン・クレイグ。ピアスとクレイグは共通の孫を持つおばあちゃんとなり近所に暮らしていました。本書に登場する二人のガマーさんは自分たちをモデルに、そして主人公ティルはお孫さんをモデルにしていたようです。愛犬ベスがいなくなってしまった夜、庭木戸のところで誰かが待っている夢を見たティル。翌朝、ティルは庭木戸で奇妙な小さいおじいさんに出会います。「夢のことづてを受け取ったんだな」とおじいさん。「さがしたいなら、この場所とこの時間を動いてはいかんのだ・・・」魔女の猫ブリンディが歌うわらべ歌の意味は。孫のために本を作りたい、とよく話し合っていたピアスとクレイグ。この作品は、ある日クレイグがいたずらがきのように描いたおじいさんの絵に、ピアスが心ひかれて生まれたようです。訳者あとがきに「フィリパ・ピアスの作品は、今はやりの、展開が早く刺激の多い作品とはちがいますが、とても味わいが深く、それだけにずっと印象に残るものが多いと思います。」とありますが、まったく同感です

  • 愛犬を探す男の子の前に「見つけ屋」を名乗るおじいさんが現れ、原っぱのおばあさん方や小動物に情報をもらいながら見つけていく話。

    情報をつなぎ合わせて謎解きをしていく過程はおもしろいが、最後の展開がお粗末。

    物語の進み方も緩やかで使われている言葉もやわらかい。
    主人公の少年が何歳かの記載はないが、かなり頼りなげな印象がある。
    平易な本なので、高学年と言うよりは中学年に向いているのではないか。

  • 著者は『トムは真夜中の庭で』で知られる、イギリスの児童文学作家フィリパ・ピアス。そして挿絵を描いたのは、同じくイギリスの有名画家ヘレン・クレイグです。この二人は、共通の孫がいるおばあちゃん同士なんだそう…!そんな孫たちのために、と作られたのがこの『消えた犬と野原の魔法』です。
    忽然と消えてしまった犬を探すため、少年は不思議な力を持つおじいさんと野原へ行き…。果たして犬は見つかるのか?おじいさんの正体は?
    不思議なファンタジーのお話のなかに、ちょっぴりミステリーなエッセンスが入って、スラスラ読める面白いお話でした。
    「孫を楽しませたい!」という著者たちの愛情を感じる良いお話だったなぁ、と思います。

  • わたしは結構好きだったなこれ。著者生前最後の作品。

  • ティルの大好きな犬ベスが、ある日とつぜん散歩中にいなくなった。そして、ティルはとっても落ちこんだ。しかし不思議なおじいさんが一緒に探してくれることに!
    これは、ティルの不思議な一日をえがいた作品です。

  • 行方不明になった大事な犬をさがす男の子の物語。不思議なおじいさんや、野原に住むふたりのおばあさんの助けを借りて謎をといていく。

    ピアスの最後の作品だそうで、孫に贈る物語。素敵だった。

  • 犬のベスが急にいなくなったのです。
    男の子のティルはかなしい気持ちと夢を見るようになり、その夢をのぞきみたおじさんとのふしぎな出会いをしました。

    おじさんとティルはベスを探すために、
    いろいろと手をつくすのです。
    このおじさんは、魔法のような感じを持っていて、動物たちや野原の中に住んでいれガマーさんの考えていることがわかっています。

    ベスと、出会える為に
    おじいさんは、ある事をする為に決心します。

  • ピアス最後の作品。いい本。犬を探す少年と不思議なおじいさんとおばあさん達の冒険?でもないかな。

    原題が"A Finder's Magic"というそうで、この”みつけ屋”っていう存在がケルトかなんかの神様だと思うんだけど、ネットで検索してもアメリカのドラマばっかりひっかかる…。

    昔読んだホラー短編”Finders Keepers”(エイキン)にも出てきてて、創作かと思ってたけど違うってのがこの本を読んでわかった。気になるー。でも英語の文献を読むのも億劫ー。

    追記:エイキンのタイトルはFinders keepers, losers weepersってことわざの一部だそうです。ピアスのFinderとは関係ないのかな…

  • 犬のベスが消えてしまった。ティルが悲しい気持ちでベスをさがしていると、きみょうなおじいさんがあらわれて、いっしょにさがしてくれるの言うのです。いつもベスとさんぽをする原っぱで、おじいさんはなんとにわとりに聞き込みをはじめました!不思議なおじいさんは、魔法を使ってベスをみつけてくれるのでしょうか?

    登場人物がみんな(動物たちも!)個性的で一癖も二癖もあります。ピアスらしい、日常の隣にある魔法の不思議が堪能できる物語です。ヘレン・クレイグの温かくて少し謎めいた絵がぴったりの美しい本に仕上がっています。

  • ティルが大好きな犬のベスがいなっくなってがっくりしていると、不思議な見つけ屋のおじいさんと出会い、森に探しに行きます。そこで、おじいさんは動物たちの話を聞き、ベスのとった行動を探ります。

    ピアスが自分の孫のために書いた作品。イラストは孫たちのもう一方のおばあさんが描いています。なんと幸せな孫たちよ!

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著者プロフィール

1920-2006。イギリスの児童文学作家。『トムは真夜中の庭で』(岩波書店)でカーネギー賞を受賞。短編の名手としても知られ、「二十世紀の児童文学作家の中でもっとも優れ、もっとも愛された一人」と賞賛された。

「2018年 『コクルおばあさんとねこ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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