アメリカと中国は偉そうに嘘をつく

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198639174

作品紹介・あらすじ

戦後70年の今年、歴史問題がまたぞろ再燃しそうだ。安倍首相は河野・村山談話に続く新たな談話を発表する予定だが、すでにアメリカからは河野・村山談話を逸脱しないよう牽制球を投げ込んできた。中国の習近平と韓国の朴槿恵は、共闘して日本の歴史責任を追及してくるだろう。そのうしろでアメリカが中韓の日本叩きを容認する構図だ。もう日本人はアメリカや中国、韓国、朝日新聞のウソに騙されてはいけない。痛快の高山節全開!

感想・レビュー・書評

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  • なんで出版社変わったんでしょう?
    まあ。浮き世には、色々ござるんでしょう・・・

  • 雑誌コラムの寄せ集めだからだろうか、構成が散漫で行ったり来たり、同じ引用が至る所で用いられ、思想は一貫しているものの、本全体が壊れたラジオのよう。愛国的な脱戦後レジーム発言は、それさえしていれば良しとする時代は終わり、確かな検証が求められる。朝日が検証せずに小説を事実かのように引くように、右翼側の参考図書も危うい。左より、だいぶマシではあるが。

    国対国であるから、自国民を守るためには聖人では守れない。だからこそ国益のために、あらゆる国が自国優位な狡猾さを出しているのであり、それを明るみにするのは大事だろう。お花畑になってはならないし、それを自国民に気づかせねばならない。だからこそ、邪魔なメディアがいるのも分かるが、論理や知識は徹底してやって貰いたいものだ。例えば、伝統的に日本人はこんな殺し方はしないとか云々。だから日本人ではないと。それは著者の想像でしょう。まあ、だからこそ我々は、右も左も読み、中庸保たねばならぬと考える。

  • 昨年末に本棚を整理していたら、昨年春頃(2015.4)に読んだ記憶のある本が出てきました。以前、報道を行うテレビ会社・新聞会社は、スポンサー会社の広告収入が大部分を占めていて、彼らに配慮した報道になると読んだことがあります。とても残念に思いましたが、仕方のない事であるとも思いました。

    従って、新聞やテレビで報道できない様な内容を知りたいと思えば、それ以外の手段に頼るしかありません。その一つが私にとっては、この様な本です。通常言われている定説を否定する本は目にする機会があっても、本書の様な内容を否定する本にはなかなか出会えませんが、一つの見方だと思って興味深く読むことができました。

    以下は気になったポイントです。

    ・18世紀半ばで英国は今の第三世界の所得水準を超えていたと書いているが、そのころの英国は、塩・砂糖・紅茶・窓・石鹸にも課税されていた、中でも、窓税は年間200万ポンド超で、一時期は支那からのアヘン収益に並んでいた(p10)

    ・19世紀には、黒人奴隷を使ったジャマイカコーヒー、砂糖プランテーションが収益をあげ、インドは塩税をはらい、支那のアヘン収入は500万ポンドを超えた。ビルマ領アッサムで自生茶が見つかり、植民地にして輸出を始めた、そして本国での税金はなくなった(p11)

    ・フランスも同様に、インドネシアを奪うとすべての町にアヘン専売所を作ってアヘンを売りつけて、同様に、窓税・塩税は無くなった。(p11)

    ・欧米は植民地からカネを絞ってその分、内国税を軽減したが、日本は逆に、朝鮮・台湾にカネを出した。学校を立て、電気を引き、鉄道を走らせるために、国家予算の2割を費やした(p12)

    ・現在も残っている税金は、官僚たちの特殊法人と増えすぎた議員が、いまや陸軍55師団に勝る金食い虫になっている(p12)

    ・イスラムもカソリックも利息を取ることは禁じられていたので、為替も手形も異国との取引もできなかった、その不便を埋めたのが、利息の制約を持たないユダヤ教徒であった(p13)

    ・バターン死の行進は、120キロを水を飲まずに歩かされたというが、半分は鉄道、残りも三日以上かけた(p15)

    ・カダフィは、石油収入をもとにアフリカ通貨基金の創設を準備して、ドルやユーロに振り回されないアフリカの自立に向かっていた(p20)

    ・米国が将兵の流血をいとわなかった島が二つある、硫黄島と、沖縄であった。硫黄島へのB29の攻撃は、テニアンからであり直掩戦闘機の航続距離の外側であり、400機も屠龍や紫電改に落とされた。硫黄島の消耗はノルマンディの2倍であった(p27)

    ・沖縄返還は、小笠原諸島の返還と異なり、施政権の返還であり、占領継続であった。それを隠すために「思いやり予算」を出した(p28)

    ・米運輸省交通安全委員会がサンディエゴの事故車を含めた23台を1年かけて徹底的調査した結果、欠陥は見つからなかった。米科学アカデミーに再調査、NASAに持ち込んだが見つからなかった(p48)

    ・西沢潤一の光ファイバーは、米コーニング社が特許を盗み、逆に日本企業を訴えた。南極越冬隊のオゾンホール、高峰譲吉のアドレナリン、農林10号(日本が生んだ小麦の多収穫品種)も米国製ということでノーベル平和賞を受賞している(p69)

    ・エジソンは直流電流で電球を灯すと、直流送電の特許を取ったが、交流送電のほうが効率的と、ジョージ・ウェスティンぐハウスが主張した(p84)

    ・原子力発電において、WHは、炉心を巡る一次冷却水から二次冷却水が熱を取り出してタービンを回す加圧水型(米海軍採用)、GEは一次冷却水をそのままタービンへ送って回す沸騰水型(p85)

    ・20年続いた民主党政権が倒れて、共和党のアイゼンハワーは、民主党が続けてきた日本衰亡政策をやめて、世銀にカネを融資させた。そのお金で、日本は新幹線、東名開通、東京五輪も可能となった(p85)

    ・日本が購入した原発20基は、不人気のGE社製沸騰水型であった。彼らはエジソンそのままの傲慢さで、炉心設計図も見せず、材質も秘密、ビス一本の変更も許さなかった。東電と東芝のメーカの苦闘はここから始まる(p86)

    ・米国はイラン人質救出作戦に失敗して、ヘリの自在の行動力を持ち、大きな輸送力と高速移動能力のある新型輸送機の開発に取り組んだ。これば、オスプレイと言われる、V22アスプリーである(p113)

    ・日本が負けた時、世界中の強欲国家が集まってきた。戦いもしなかった永世中立のスイスが賠償請求を要求、三国同盟のイタリアも途中裏切って連合国だからと賠償請求した。フィリピンのキリノ大統領は、モンテンルパに囚われたBC戦犯14人を吊るした。その中で、カンボジアシアヌーク国王は、「フランス人の支配を終わらせてくれた」と言って、賠償請求を放棄した(p114)

    ・スリーマイルもチェルノブイリも1基でぶっ飛んだが、日本は四基同時なのに見事にマネージした。おまけに欠陥の象徴のGE製(p119)

    ・米国が独立したので英国は困った、それまで何万と本国から送り出してきた流刑因の持っていき場がなくなった。そして豪州に急ぎ作った。19世紀半ばまで、16万人が送り込まれて豪州人の先祖になっている(p128)

    ・空海は入唐するやいなや真言密教をすぐにマスターした。国費留学の遣唐僧は20年は修行する義務があるのに2年で帰ってきた(p144)

    ・第一次世界大戦は、形を変えた東西ローマ帝国のぶつかり合いで始まったが、ここにオスマントルコが加わった。イスラム国家(トルコ)は、ロシアと十度戦争して十度負けて領土の北半分を取られたので、ドイツについて参戦した。英仏は、民族宗教的にはドイツに近いのに、東方正教会系のロシア・セルビアについて、トルコが支配する中東へ侵攻した(p156)

    ・1982年アメラジアン法は、混血児の面倒は見ないけれど米国への移民枠(市民権をあげる)という法律(p160)

    ・サンフランシスコ連邦地裁の、バウン・ウォーカー判事は、国家間の事案は州法の及ぶ話ではない、条約が優先する、法の遡及は許されない、とまともな判断を示し、まだ米国が法治国家であることを証明した(p210)

    ・日本は青島のドイツ軍と戦ったとき、世界初の空母を登場させ、大正時代には「離艦だけ」が常識だった空母に初めて着艦させることにも成功、世界初(p250)

    2016年1月2日作成

  • 久し振りの正史総論。知らないことがまだまだあると思い知る。

  • -2015/08/01
    内容の賛否は別として、この手の内容本が出版されたことに驚異を感じる。内心喝采を送る面もあるが、
    とにかくびっくりだ。

  • 2015.5.8
    歴史は真実であり、偏向せずに報道することが大事。政治は、裏にある意図を捉えることが大事。

    多少過激な表現はあるが、言いたいことをストレートに言っている本。

    日本国憲法の破棄の正当性、宗教の狭隘さは、確かになと感じた。

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著者プロフィール

1942年東京生まれ。ジャーナリスト。1965年、東京都立大学卒業後、産経新聞社入社。社会部デスクを経て、テヘラン、ロサンゼルス各支局長。1998年より3年間、産経新聞夕刊一面にて時事コラム「異見自在」を担当し、その辛口ぶりが評判となる。2001年から2007年まで帝京大学教授。『週刊新潮』「変見自在」など名コラムニストとして知られる。著書に『韓国はどこに消えた⁉』 (ビジネス社)、『変見自在 バイデンは赤い』(新潮社)など多数。

「2023年 『騙されないための中東入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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