岩窟姫 (文芸書)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198639334

作品紹介・あらすじ

後輩アイドルが自殺した。あんなに可愛らしくて、みんなから愛されていたのに……。しかし、沙霧の死を悼む暇もなく、蓮美は激動の渦に巻き込まれる。沙霧のブログに、蓮美のいじめが原因で死ぬとかかれていたのだ。身に覚えのない蓮美は、己の無実を証明するために沙霧の死の真相を追う。「サクリファイス」シリーズの著者が、女たちの葛藤や嫉妬を鮮やかに描き出す!

感想・レビュー・書評

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  • 自分の本心に蓋をして、
    自分に嘘をつき生きる。

    そのうち本当の自分が
    見えなくなって、

    虚しさを感じるように。

    やがて自暴自棄になり、
    全て投げ出してしまう。

    そう、自分の命さえも。

    自分を偽ることの顛末
    が描かれています。

    嫌なことはやめていい。

    大切なものを失う前に。

  • 同じ事務所に所属する人気アイドルの後輩の突然の死亡。
    彼女の日記らしきものがSNSで発見され、麗美は否応なく巻き込まれていく。

    ミステリーと思わず手にして読み進めていくうちに、そうか、これはミステリーなのか、と気付く。
    失意の底から何とか立ち上がって謎を追いかける麗美の身に危険もありつつ、ハラハラしながら読み進めました。
    そして最後まで読んで気付く・・・これは・・・イヤミスか・・・!?

    ネタバレを防ぐために詳細は記載しませんし、小説としては引き込まれるすごくいい作品ですが、少しでも気持ちを投入させると苦い気持ちが湧き上がってくる何とも言えない読み心地。
    どうやら今はKindleUnlimitedでも読めるようです。

  • 人気アイドル逸見沙霧が飛び降り自殺した。
    その原因とされたのが同じ事務所に所属するアイドル蓮美。
    その日から蓮美の生活は一変する。
    身に覚えがないどころか、仲の良い友達と思っていた沙霧の死の原因とされてしまい…
    蓮美は自分の無実を証明しようと、沙霧の死の真相解明に乗り出すのだが…

    なかなか重いテーマなのに、近藤さんのミステリーはさらさらと読めてしまう。
    やっぱり近藤さんの本は好きだなぁ…

    • あいさん
      こんにちは(^-^)/

      この本、いつも表紙に惹かれます(笑)
      なぜだろう、吸い込まれてしまうのです。
      近藤さんの作品、タルトタタ...
      こんにちは(^-^)/

      この本、いつも表紙に惹かれます(笑)
      なぜだろう、吸い込まれてしまうのです。
      近藤さんの作品、タルトタタンも読みやすかったです。
      でも、さすがに今回のとは違う雰囲気かな。
      2016/02/25
    • azu-azumyさん
      けいたんさん、こんにちは~♪

      コメントのお返事がすっかり遅くなってしまって…
      ごめんなさいね~♪

      「胡蝶殺し」もそうだけど、近...
      けいたんさん、こんにちは~♪

      コメントのお返事がすっかり遅くなってしまって…
      ごめんなさいね~♪

      「胡蝶殺し」もそうだけど、近藤さんの本、日常のミステリーといいつつもほんのちょっと重み(?)があるものも~
      これも「タルトタタン」とはちょこっとテイストが違うかな~^^

      私は近藤史惠さんとの相性、相当良いのでは~?と思っています^^
      2016/02/28
  • すごく読みやすくて、2時間ほどで一気読み。ストーリーはありがちだけど、最後のおちは想像つかず面白かった。内容は暗いけど、読みやすいので重くならずのサラッと読める。

  • まさかまさかの最後のどんでん返し!芸能界は恐ろしいところだと感じる。タイトルも意味深。面白かったけれど主人公はこの先どうやって生きていくんだろうとか消化不良な点も。

  • 同じ事務所で仲の良かった人気モデルが突然の自殺。
    それも自分が原因のように言われているって……。
    事実は全然違うのに、周りから
    「あなたってそういう人」
    と決めつけられるのはキツイなぁ。
    そりゃ、部屋に引きこもってしまうよ。
    それでも、助けになってくれる人がいるってありがたい。
    反逆できてヨカッタね。

  • 蓮美の立場を考えたら辛すぎて、自分だったら最後の真相まで辿り着けないかもしれないと思った。

    蓮美も沙霧もチホもみんないい子で、こんないい子たちがどうしてこんな目に合わないといけないのかと思うと本当に悲しい。

    アイドルは夢を売る仕事だけど、あくまでも仕事。それなのに私生活まで品行方正さを求められるのは酷だなと思った。
    もちろん、いろいろな応援の仕方があるし、熱狂的なファンの存在もアイドルという商売としては大事な存在だとは思う。
    ただ、アイドルの仕事とプライベートの曖昧な境界線という意味では斉木の「きみたちの与えてくれた輝きだけを享受する」という言葉は理想のファンのあり方のように感じた。

    都合の良いことばかり言って、搾取する大人は怖いなと思った。

  • 同じ芸能事務所に所属していた沙霧と蓮美。
    沙霧のブログにはこの物語の主人公である蓮美(れみ)のいじめが原因で死ぬと記されていた。

    物語の序盤から蓮美の苦悩に共感し、早く事実が公になれば良いと祈る様にページを捲りました。

    蓮美、友人のチホ、事務所のマネージャー星野、菊池、青木社長、蓮美の助けとなる斎木等、全ての登場人物のキャラ設定がしっかりとしていて、ストーリー展開もテンポ良く流れ、脳内映像ではそれぞれの人物が絶えず動いていました。

    最後の最後までドキドキする展開でありながら、読後感も良く、夢中で読めた作品。

    秀作。

  • 筆者は、この手の作品(芸能界)の作りはうまいと感じる。胡蝶殺し、とかと通じる感じがある。サクサク読めて、謎が解明していくが、動機が少し弱いかな。

  • 芸能界で活躍する若い女性が、同じ事務所で仲のよかったアイドルの自殺によって、身に覚えのない嫌疑をかけられる。生活が一変した主人公は、自分の汚名返上のために自殺の真相を探っていく。

    一気に読んだが、核となる芸能界の裏側の事情というのも、今さら感が。最後にサプライズがあったものの、全体的には空き時間にさらりと読めるようなお手軽ミステリーといったところ。
    『サクリファイズ』シリーズは好きなんだけどね…。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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