- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198640491
作品紹介・あらすじ
ふゆのはじめ、子うさぎジャックはキャベツばたけで、かかしにであいました。かかしは、ひとりぼっちで畑の中にたっています。ある日、ジャックは、りすのビリーともぐらのチャーリーと一緒に、キャベツばたけへ出かけました。ところが夢中になってキャベツを食べていると、ふぶきになってしまいました。これでは、かえりみちがわかりません。すると、かかしが…? ふぶきの夜に起きた、かかしと動物たちのふれあいを美しいイラストで描きます。
感想・レビュー・書評
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バーナデット・ワッツは、グリム童話やアンデルセン童話の絵本が有名らしいのですが、こちらは創作絵本になります。
まず、始めに目を惹いたのは、豊かな広がりを感じさせる大自然と、そこで暮らす動物や小鳥に虫たち、植物の一本一本まで、こと細かく丁寧に描かれた、やさしい温もりを感じられる絵の美しさで、この絵本の場合、表と裏それぞれの表紙の見返し一面にまで贅沢に使われており、思わず魅入ってしまいます。
物語は、うさぎのジャックたちと、ひとりぼっちのかかしの心の交流を描いており、たとえかかしが言葉を発することができなくても、その思いは、しっかりとジャックに届いたようで、温かい感動を覚えました。
途中の、吹雪の場面のかかしは、自分の過去を見ているようで、少し辛いものもありましたが、かかしはかかしのできることを必死にやった結果、それに答えてくれるものがいたという展開には、辛くても生きていくことについて、何か考えさせるものがありました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ワッツといえば、子どものころから親しんだ、赤ずきんが忘れられず、今もずっと好きな作家でしたが、まだ現役だったとは知らず、2015年発売のこの絵本に驚きました。
オリジナルのおはなしは、いかにも優しい女性を連想させ、グリムを描くのよりもずっと淡く繊細な雰囲気なのですね。
かかしは愛の象徴でしょうか、おもいやりに溢れた素敵なおはなしでした。 -
優しい感じのイラスト