ハルと歩いた (児童書)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 78
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198640699

作品紹介・あらすじ

一年前に東京から引越してきた陽太は、亡くなった母の故郷、奈良で、小学校の卒業式を迎えた。仲のいい友だちもまだいないし、いいな、と思う女の子に声をかけることもできない。春休み、どう過ごそう、と思っていたら、思いがけず、飼い主とはぐれたフレンチブルドッグを飼うことになった。飼い主を探して、犬といっしょに奈良の町を歩くうちに、さまざまな出会いがあり、陽太の日々は変わり始める…。12歳の春をみずみずしく描く心に残る物語。

感想・レビュー・書評

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  • 1年前に東京から亡くなった母親の実家のある奈良に引っ越してきた少年佐久良陽太は、亡母の母校を実感のわかないまま卒業し、その帰り道にホームレスから迷い犬のフレンチブルドッグの飼い主を見つけて欲しいと託される。飼い主を探すために毎日散歩に出かけるうち、いろいろな人たちと出会い、馴染めなかった奈良の町への見方が変化してくる。

    亡母の実家での彼女の思い出の残るものとの出会い、密かに想う同級生の少女の悩み、父親の転身の秘密……、これらのことが奈良の町と、犬を仲介とした人々とのふれあいとともに描かれていく。

    ちょっと都合よく話が進み過ぎのところと、福島原発の事故と汚染された地域の問題まで出てきて、これは盛り込み過ぎの感があるが、全体的に好感が持てる。

    選書対象外の本だが、ぜひ選書のテーブルに持ち込みたい。

  • 幼い頃に亡くなった母、父親の転職、転校先で親しい友だちもできないまま卒業、中学受験失敗、と書き並べるとマイナスイメージばかりだが、暗い気持ちにはならず、主人公と犬を応援する気持ちで読み進められた。

    古いものを壊して新しく作り変えること、原発問題などにも触れられている。
    高学年以上におすすめ。


  • 犬好きの作者がフレンチブルドッグのかわいさを存分にPRした本。犬飼ったことがないと、いまいち場面が想像つかない。

  • 奈良生まれの作者と、数年暮らしただけの私ではイメージがこんなにも違うのだろうか。
    平城宮跡の読み方が奈良っぽくないし、大きなモールなんか奈良市内に無いし、ホームレスも奈良には居ない。
    が、それはさておき、物語は、奈良の町を人懐こい小犬と歩きながら成長して行く少年の心と桜の蕾が花開く様が相まって、「ハル」を思わせる爽やかな内容だった。この「ハル」には、春、遙、晴が込められている。
    死も病も障害も、共に乗り越えてくれる存在が居れば、必ず晴れる日が来るのだ。

  • ハル、かわいいけど、かわいそう。感動のラスト。

  • 王道。
    小学校卒業、亡き母をしのぶ、離職した父や異性、知らない大人達との心の交流、それらを偶然託された迷い犬との日々の中で体験し、成長していく。
    古都奈良、桜の春、懐かしく切ない鈴の音といったモチーフもさりげなく効いてる。

  • けっこうあっさりめ。

    少年が犬や地域や、親や、友人と交流して、すこし成長する物語。
    春休みの日々が淡々と進められている感じがしました。
    なので、いまいち盛り上がりには欠けたかな?
    ただ、奈良のまちの風景も丁寧に描かれているので、想像力をかきたてられ、景色が思いうかびます。(だから指定図書なのかしら)

    個人的に亡くなった母親の思い出を追いかけるのは、自分と重なる部分があって、「あーなんとなく、わかるわー」と いう気持ちにならなくもないけど…。逆に、追いかけてる割に主人公がそこからなにも見いだしていない気がして違和感も。

    そして、急に原発っていうところも、無理やりな感じが否めない。「えっ、ここで原発でてくる?」と思ってしまいました。

  •  小学校を卒業した陽太。ホームレスの男から「飼い主を探してやってくれ」と言って、迷い犬だというフレンチブルドッグを渡される。

  • 1年前に奈良に引っ越してきた陽太。東北の震災の後、電力会社で働く事に疑問を感じた父は、母の故郷の奈良で、空き家状態になっていた母の実家で再スタートを決めたのだ。
    慣れない関西弁で、仲のいい友達もまだいない。気になっている女の子川島さんにも声をかける事なく、小学校の卒業式をむかえた。

    春休み、川べりで犬を連れたホームレスに声をかけられた。フレンチブルドックを渡され、「迷い犬だから、飼い主を探して欲しい」と言われる。犬なんて飼った事もない。死んだ母さんなら、むかし、犬を飼っていたのはしっているけれど。

    しかし、犬は躾けられていて、高いものらしい。変な顔で豚みたいだけど、陽太は犬が気に入った。
    陽太のファレンチブルドックの飼い主探しがはじまった。

    犬おかげで奈良の街を歩く日々。気になっていた川島さんと話すようになったり、亡くなった母に近づいたような気持ちになったり、父の決意をきいたり。
    そして、飼い主が見つかったのだが…

  • 亡くなった母が昔住んでいた奈良に引っ越してきた陽太は、母の卒業した小学校になじめないまま卒業式を迎える。
    式のあと出合ったホームレスの男から迷子のフレンチブルドッグを手渡される。
    初めて飼うことになったブルドッグの飼い主を探して、陽太とブルドッグは奈良の町を歩く。

    気になっていたクラスメイトの美少女や、記憶にはない母の作文の存在。初めて世話をすることになったブルドッグとの散歩、そこで出会う犬と一緒だから出会う人々。
    少女への淡い気持ちや、母の面影、父の葛藤、成長の節目にある少年の素直な気持ちが、さわやかさを呼ぶ。

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著者プロフィール

1960年奈良市生まれ。1989年作家デビュー。マンガ原作、作詞、映画脚本などを手がける。児童文学・YAの作品に「両手のなかの海」「ハルと歩いた」「少女A」、大人向けの作品に「love history」(メディアファクトリー)「やんぐとれいん」(文藝春秋)など。

「2019年 『12歳で死んだあの子は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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