ノッキンオン・ロックドドア (文芸書)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 797
感想 : 109
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198641368

作品紹介・あらすじ

密室、容疑者全員アリバイ持ち、衆人環視の毒殺など「不可能(HOW)」を推理する御殿場倒理と、理解できないダイイングメッセージ、現場に残された不自然なもの、被害者の服がないなど「不可解(WHY)」を推理する片無氷雨。 
相棒だけどライバル(!?)な探偵ふたりが、数々の奇妙な事件に挑む! 新時代の本格ミステリー作家が贈る、ダブル探偵物語。

感想・レビュー・書評

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  • 不可解犯担当のメガネスーツの片無氷雨と不可能犯担当のクルクルパーマでタートルネックの御殿場倒理の2人の共同経営の探偵事務所の7つの話。2人の軽妙で気の利いた会話が絶妙だし、ああでもないこうでもないと推理の過程を見せるところがいい。脇役のクールビューティーで駄菓子好きの穿地刑事補や事務所手伝いの高校生薬子もなかなか面白い。倒理のタートルネックには何か秘密がありそうではある。こういうテイストのミステリーもいいもんだ。

  • 不可能〈How〉専門の、御殿場倒理。
    不可解〈Why〉専門の、片無氷雨。

    ふたりの探偵事務所〈ノッキンオン・ロックドドア〉の連作短編集。

    複数の探偵が登場する話はあるが、はっきりと得意分野が異なる探偵ふたりの共闘、という設定がおもしろかった。

    扱うのは殺人事件だが、全体的にコミカル。

    おもしろかったのは「十円玉が少なすぎる」。
    基本的に現場に赴くが、これだけは安楽椅子探偵。
    ふたりの推理の楽しさがよく味わえた。

    刑事の穿地決に、〈チープ・トリック〉の考案者・糸切美影。

    過去に繋がりのあるふたりが登場し、過去の未解決事件が匂わされるが、詳細は明かされないまま。
    続編があるようだが、そちらで明かされるのか。

  • 面白かった!だんだんと読み慣れてきてトリックにも感心させられた。二人で一人前の探偵コンビ。彼らの大学時代の過去がすごく気になる。

  • 斬新。

    感情描写はなく、ミステリー要素だけ切り取って読者に提示してくる。

    容疑者◯◯、状況△△、

    さて、解けるかな? と。

    正々堂々していて、驚くほど潔いい。良すぎる。

    ただ僕にとっては、読み返したくなったり、読後、体調や心情に変化があったり、

    その領域までは届いていないかな。

    物語自体も軽妙だっただけに。

    とは言うものの、この青崎有吾さんは本作が初めて。他作からは全く違う印象を受けるかも。

    本作では、正々堂々した読者への挑みっぷりにとても魅力を感じるので、他作もいくつか読んで見ようと思う。

    ※フォロワーさん、いつもながら、新しい作家、新しい世界を教えていただき、ありがとうございます。

    • shukawabestさん
      goya626さん
      コメントありがとうございます。二作目も、goya626さんの評価は少し落としてましたが、余計な装飾を排して挑んできている...
      goya626さん
      コメントありがとうございます。二作目も、goya626さんの評価は少し落としてましたが、余計な装飾を排して挑んできている感があるので、ぜひ読もうと思っています。

      最近、goya626さんのレビューで気になっているのは、「ルネサンス vol.9・・・」なんか見つかりにくそうな気がするので、出会ったらラッキーみたいな感じで、意識しておこうかなと思っています。
      他にも気になる作品が数冊あって、たぶん先に手に取るのはそちらの方かな、と。

      いつも、僕の知らない、それでいて興味深い本を紹介していただき、ありがとうございます。
      2022/04/28
    • goya626さん
      shukawabestさん
      楽しそうに本を読んでおられるような感じがコメントから漂ってきて、いいですね。私も、読書は人生の重要な一部ですが...
      shukawabestさん
      楽しそうに本を読んでおられるような感じがコメントから漂ってきて、いいですね。私も、読書は人生の重要な一部ですが、気楽に読んでいます。ルネサンスは、ネットでしか買えません。ただ、猫丸さんのコメントのように、いろいろ賛否両論ありますよ。
      2022/04/30
    • shukawabestさん
      goya626さん
      ありがとうございます。たしかに本を読んでいる時間自体が楽しいし、ありがたいですね。心身にある程度余裕あることを実感できて...
      goya626さん
      ありがとうございます。たしかに本を読んでいる時間自体が楽しいし、ありがたいですね。心身にある程度余裕あることを実感できている時でないと、「本読もう」という気にそもそもならないですし・・・。

      ファミレスで話をされる友人が数人いらっしゃるのもいいですね。僕も30代の頃は週末にファミレスで語り合うのがルーチンになっていました。話題は専ら映画でしたが。
      猫丸さん、自身のご意見をしっかり書かれてますね。goya626さんの「ルネサンス」レビューの下のやりとりは今初めて見ました。

      僕は小説やエッセイを好んで読むので、それ以外のジャンルもレビューを拝見して面白そうと感じたら読んでみようかなと思うのですが、自分自身の考え方と言えるものを問われて、「〇〇です」と答えられるものはないですね。

      「ルネサンス・・・」を読めたとして、本の内容と、goya626さんのレビューと、自身の感じ方の同じところと違うところを感覚として把握する。そして「何か」が自分の中に残ればラッキーかな、この本に関してはそんな自分なりの終わり方をするのではないかなと思います。

      goya626さんのレビューから手に取った中では「涼子点景1964」。これは読んで良かったと思いました。2回読んだのですが、僕には話の理解・飲み込みが非常に遅い部分が時としてあるので、それを1読目で実感し、2読目で理解・スッキリした感じで、幸福な読後感がじわじわ湧いてきた感じでした。

      長くなりました。
      今後もよろしくお願いします。
      2022/05/01
  • 不可能専門と不可解専門の2人の探偵が謎を解く話。2人のやりとりが軽快でおもしろい。2人の周りにいる人たちも個性的。「ダイヤルWをまわせ」が印象に残った。続編を期待したい。

  • 不可能(HOW)の推理を得意とする御殿場と、不可解(WHY)の推理を得意とする片無の二人が探偵役をつとめる連作短編集。
    二人のキャラは立っているはずなのに、読んでいるとなぜかどちらのセリフか分かりにくい部分があった。
    トリックはツッコミどころのあるものも混ざっていた気がするが、全体的に謎解きのクオリティは高かった。ただ裏染シリーズの長編に比べるとインパクトに欠ける印象も。
    続編があるようなので期待したい。

  • 短編なので1つ1つは短いんだけども、2人の探偵がいるせいか、推理が常にあっちこっち。意外とそれが心地いいのは、リズム感があるからだろうか。氏の作品は全般的に回りくどいことをあまりしないで、スコーンと走ってく感じ。ま、推理ミスもミスと感じ取れない軽さが出てしまうのもあるかもしれないけど。

    ただ、最後の方で「え、叙述トリック?」ってなったところがあって、軽く読み返してみたりしたけど、ただの邪推だったようで、そこはなんとも。狙いなのかもしれないけど、だとしても少し余計な一手な気はするし、仮に狙いもなくただそういう時期だったからだったとしても、そのネタをそのタイミングに入れ込むのは「おぅっ!」って思っちゃう。

    それにしてもこの作品もドラマ化されまんねんなぁ。偶然とは続くものだ。

  • 内容が軽めの探偵物。サクサク読めて楽しかった。

  • 探偵事務所を営むふたりの青年。
    倒理はトリックを解明する不可能担当。
    氷雨は動機を解明する不可解担当。
    今日もふたりのもとには
    不思議な犯罪の謎を
    解き明かしてほしいという依頼が…。

    タイトルだけでニヤニヤするわ(笑)
    仲介業者が持ち込む依頼人の他に
    彼らの大学時代の同級生で
    女刑事の穿地さんが絡む事件もあり。
    で、なぜか後半からはもうひとり
    同じく同級生の美影という青年が登場。
    そいつは犯罪を
    コーディネートする側にいるらしい。
    どうやら4人の間には
    過去になんかあったみたいなんですけど。
    この巻では「におわせ」に終始。

    事件のほうは遺体の髪が
    切られていた謎やら
    開かない金庫の謎やら
    雪密室!やらとパラエティーにとんでて
    このくらいの短編も好きだわ。

  • 2人の探偵、駄菓子を食う女刑事、女子高生家政婦などキャラクターはよい。ハウダニットとホワイダニットに特化した探偵というアイデアもよく、最初の短編は、意外性もあり、とてもクールだったが、最終的になんか尻つぼみだった印象。長編で読んでみたい。

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著者プロフィール

★小説家/推理作家。“平成のエラリー・クイーン”の異名をとる、本格ミステリ界の若きエース! 代表作に『体育館の殺人』『図書館の殺人』『ノッキンオン・ロックドドア』など。

「2018年 『ネメシス ♯40』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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