過剰な資本の末路と、大転換の未来: なぜ歴史は「矛盾」を重ねるのか

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198641702

作品紹介・あらすじ

「間違いだらけの近代だった」と経済学者・水野和夫は言う。これまで多くの著書で、成長なき社会の未来像を、16世紀以降の世界史を背景として引用し研究してきた。本書は、著者が東洋英和女学院大学大学院で約半年にわたり語った講義を収録し、独占書籍化。ゼロ成長社会とは? グローバリゼーションにおける支配と被支配の関係とは? 帝国システムの変容とは? エネルギーや利子率の問題を世界史的視座で語る著者の貴重な講義アーカイヴ。

感想・レビュー・書評

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  • 資本主義に限界が来ていること。これはわかった。その資本主義は限界を迎えるとグローバリゼーションを産み出し、国家は帝国主義か覇権国をいずれ目指すようになる。それは資本主義の仕組み上、宿命なのではと感じた。

  • 2019/03/13:読了
     面白かった。
     新大陸を、金融空間に求めたアメリカ。バーチャル帝国。
     世界帝国はもうない。いくつかの地域帝国。
     などが記憶に残っている。
    2019/08/20:読了
     二度目も楽しめた。
     

  • 資本主義とは表現を変えた奴隷制度と植民地主義じゃないかと常々考えていたのだが、この本によってその印象が強化された。
    先進国は途上国の資源と労働力を買い叩き、低コストで作った製品を売りさばいて異例の成長を遂げた。そして途上国が潤ったら新たなマーケットとして製品を売りつけ、別の途上国(安価な資源と労働力の供給元)を探す。
    それを繰り返してきたが、ついにアフリカにまで手をつけて、もう後がない。で、ついに自国を標的にし始めた。
    最終兵器はふたつ。
    ひとつは、致命的なリスクを未来に先送りして時間という資源を買い叩く。
    もうひとつは、分厚い中間層の奴隷化。

  • BRICsのSは、南アフリカ。少し経済規模が小さいので小文字になっている。

    資本主義は富を周辺から中心に集めるシステム。

    開発経済学概論(マイヤー)。

    アジア型の輸出主導型と南米型の内需主導型では、ブラジル以外はアジアの勝ち。
    輸出しないと豊かになれない=すべての人を豊かにすることはできない。

    日本は90年代以降、交易条件は悪化の一途。原油は上がり自動車は下がる。

    先進国は石油価格が上る前に成長した。日本、ドイツ、イタリア。
    第三世界の国が成長しなかったから先進国が成長できた。

    金利は低下していった。オランダ、イギリス。インドやアメリカなど新たなフロンティアを発見すると金利が上がる。今後はフロンティアになる土地がないので上がらない。中国は新たなフロンティアがないので覇権国にはなれない。
    新たな電子金融空間を作り出した。バブルになりやすい。
    歴史上、覇権国は、オランダ、イギリス、アメリカだけ。
    スペインは帝国なので覇権国ではない。

    世界の国民国家時代を脅かす出来事がテロ。

    グローバリゼーションには正確な定義がない。

    日本列島改造論は、オイルショックのあとだったら成功しなかった。近代化できなかった。
    87年にドイツとともに利上げしていれば、バブルはなかった。


    限界費用逓増の法則=農産物など。
    限界収益逓減の法則=金利。

    郵政改革は、アメリカの対日構造改革要求書に書かれた内容だった

    セイの法則=供給はそれ自身の需要を作り出す。モノは必ず所得になる。資本蓄積(投資)が成長の原動力。

    リカードは利潤率は下がり続けやがて定常状態になる、という説。新古典派はイノベーションによって、経済は拡大し続ける。

  • 日本大学での講義の書き起こし。
    日本、ドイツが経済復興を遂げられた背景には、安い石油を手に入れられたという経緯があるが、韓国。中国は石油価格が高騰(それまでは固定相場制で経済の常識が機能していなかった)してからの近代化であり、大きなハンデとなっているとの、指摘が興味を引いた。さらに、近代化の基本が「より遠く」であることを考えると、あとから参加するものは、グローバリゼーションが進展した現代において、市場拡大も困難となっている。
    実物取引の損失をヘッジする先物市場発展のきっかけが、ドルの変動相場制への移行(ニクソンショック)にあったが、実需原則を撤廃することで、予測のもとに債権や株式を売買するようになり、いくらでも利益を生み出せる発明となった。

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著者プロフィール

水野 和夫(ミズノ カズオ)
法政大学法学部教授
1953年、愛知県生まれ。法政大学法学部教授(現代日本経済論)。博士(経済学)。早稲田大学政治経済学部卒業。埼玉大学大学院経済科学研究科博士課程修了。三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミストを経て、内閣府大臣官房審議官(経済財政分析担当)、内閣官房内閣審議官(国家戦略室)などを歴任。著書に『終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか』(日本経済新聞出版社)、『資本主義の終焉と歴史の危機』『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』(以上、集英社新書)など多数。

「2022年 『次なる100年 歴史の危機から学ぶこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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