パナマ文書 : 「タックスヘイブン狩り」の衝撃が世界と日本を襲う

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198641863

作品紹介・あらすじ

世界に衝撃を与えているパナマ文書。2.6テラ、1150万件という膨大なデータ量で、今後、さまざまなスキャンダルが発覚する可能性がある。アイスランド首相を辞任に追い込み、プーチン、習近平の疑惑も発覚、キャメロン首相への批判は英国のEU離脱に影響を及ぼすと目されている。企業にしても不法な租税回避や反社会勢力との関係が暴かれれば、存続の危機すら招きかねない。オフ・ショアの仕組みから今後の世界・日本に与える影響までを分析!

感想・レビュー・書評

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  • 流出したパナマ文書によりたくさんのことが明らかになり、反社の悪事が制限される。
    このことに絡み、オフショア取引について有意義な解説がされている。

    世界はそういう悪事が起きないように仕組み作りが進んでいるのに、日本は強硬に反対する勢力がある。

    読了80分

  • パナマ文書とは何かを知りたくて読みました。
    パナマ文書とは、パナマにあった「モサック・フォセンカ」という法律事務所が作成し、何らかの理由で流出したオフショア取引の情報とのことです。オフショアとは非居住者向け(平たく言うと外国人向け)のサービスで、税の軽減などがあります。オフショアの多くはタックスヘイブンであり、ケイマン諸島や英領バージン等が有名です。このタックスヘイブンで行われた、脱税とみられてもおかしくない取引の情報が流出して、その取引をした人が叩かれた、という流れのようです。
    きちんと納税しましょう、ということですね。

  • WT1a

  •  

  • パナマ文書が公表されるまでの経緯をまとめたもの。パナマ文書とは、中米の法律事務所 モサック・フォンセカが所有していたデータのことで、何者かが南ドイツ新聞等にリークをし、明らかになったものである。データ量は2.6TBを超え、800万のデータ、20万のペーパーカンパニー、何十人もの国家元首の足跡、ウクライナ大統領、アイスランド首相、プーチン大統領に繋がる手がかり、マフィア、ヒズボラ、アルカイダ、FIFAなどの組織に繋がる手がかりなど、多岐にわたる。フォーブス誌が挙げた2015年世界で最も豊かな500人の中からだけでも、50人以上の名前が、データから見つかっている。80か国以上の400人のジャーナリストが、この公表プロジェクトにかかわり、公表に至る経緯が克明に述べられている。タックスヘイブンとは何かも理解できた。
    「鄧家貴(ドンジャアグエ)。中国国家主席 習近平の義兄弟。データによると、鄧家貴は2009年から2011年まで2つのオフショア・カンパニーを持っていた。カンパニー名はウェルス・ミン・インターナショナル・リミテッドとベスト・エフェクトエンタープライズ・リミテッドで、所在地は両社とも英国領ヴァージン諸島だ。これは危険だ。なぜなら、よりによって国家主席が何年か前に「贅沢禁止」宣言しているからだ」p161
    「(トム・バージス(ファイナンシャルタイムス))アフリカでは、目に見えない複雑な機械が大陸の富を略奪しようと動いている。搾取マシンだ。腐敗した独裁者と良心の呵責を感じぬ大企業と罪の意識を持たぬ銀行が欲にかられて団結し、手に手を取って搾取に励んでいるのだ」p254
    「(アフリカの鉱物採掘などの)金は多国籍企業の口座やエリートたちの金庫へ消えてしまうのだ。専門家は毎年500億ドル以上がアフリカから流出していると推測している。さらに、ほぼ380億ドルの税金がアフリカ諸国の国庫をすり抜けていく。現地で活動している企業が儲けをタックスヘイブンに迂回させているからだ。これが、2013年に発表されたアナン主導による専門家チームの見解だ」p257
    「政治家とその家族ーこれが一方のプレーヤーだ。もう一方のプレーヤーは、気前よく賄賂を払う中国や西洋諸国の多国籍企業、それに、そういうカネの流れがわからないようにするモスフォンのような会社だ」p259
    「もともと犯罪に使われて汚れた金だろうが、とにかく汚い金が絡む商取引はほとんどすべて、オフショア国家に登録してある金融業者、トラスト、機関、財団を通して進められる。その結果は悲惨だ。毎年何十万もの人が死んでいることを考えてみたまえ(ツィーグラー)」p263
    「世界中で金持ちを利するいかがわしい取引が行われるのを、政治家が自国の民から搾取し、そうやって懐に入れた薄汚れた金を、オフショア業者の助けを借りてバハマやケイマンやパナマに隠すのを、私はあまりにも長く傍観し過ぎた(ツィーグラー)」p265

  • 2017.06.23読了

  • 2016年刊行。

     タックス・ヘイブンに関しては、関連書(「タックス・ヘイブン」(岩波新書)等)ほど詳述されず、パナマ文書の記載内容の分析も乏しく、正直期待外れな中身。
     ただし、先の「タックス・ヘイブン」でさわりしか叙述のなかった英中(特にキャメロン派と習近平)の蜜月の意味は理解できた。

     なお、米国はネバダ州にオフショアがあり、パナマ文書は米国内富裕層の情報暴露にはならず、むしろ他国要人らの不正、反社会団体やテロ組織によるマネ・ロン情報の暴露に繋がるだけで痛みなし。故に、米国(諜報機関を含む)陰謀説も巷に流布するか。

     引用か、著者の解釈(仮説)かが明快でない点は残念。引用の場合、引用元を可能な限り明示していたらもっと良かったのに…。

  • パナマ文書」の真実をもっと多くの人に知ってもらいたいから。テレビのニュースで「パナマ文書」についての報道を見ても、自分には関係がないと思って興味を持たずに今日まで過ごしてきた人もいると思う。でもよく考えてみてほしい。パナマ文書で暴露されたように一部の企業や富豪が巨額の税逃れをしているのに、日本では消費税率を上げて国民の負担を増やそうとしていることを。私たちは、企業やそのような人に対して社会に利益を還元するよう求めるべきではないだろうか。とはいえ、節税対策としてタックスヘイブンを利用すること自体は違法でないのが難しいところ…。後半はパナマ文書流出が日本に与える影響について述べてあった。銀行や警察庁、反社会的勢力の話は普段読まないので興味深かった。

  • パナマ文書の話からアマゾンなどの国際的租税回避の話、マネロン、暴力団のアングラマネーの話など横断的に語られていた。突然SEALDsの話が出てきたりカオス感満載であったが、まぁーいいか。

  • 日本の電子出入国管理 J-BISシステム アメリカのアクセンチュアが設計 US-VISITシステムのクローン

    シティはイギリスの国内自治領 一種の治外法権的地域 ロンドンには2人の市長 大ロンドンの市長とチティの市長(名誉職)

    香港 HSBC(香港上海銀行、アヘン商人のサッスーンが創業者) チャータード銀行(現在のスタンダートチャータード銀行、東インド会社の流れをくむ)

    香港ドル HSBC系列の香港上海銀行、スタンダードチャータード銀行、中国銀行の三行で発行

    欧米において口座は、小切手帳が発行されるということで、厳格な審査があり、だれでも持てない

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著者プロフィール

1969年生まれ。日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務した後、独立。海外の経済情勢に精通すると同時に内外の経済・政治状況のリサーチと解析に定評があり、2009年に出版した「本当にヤバイ!欧州経済」(彩図社)で欧州危機を警告してベストセラーになる。
近著「山口組分裂と国際金融」「パナマ文書」(徳間書店)「トランプ! ~世界が変わる日本が動く」(ビジネス社)「貧者の一票」(扶桑社)など。

「2017年 『平和ボケ お花畑を論破するリアリストの思考法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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