卑怯者の流儀

  • 徳間書店 (2016年9月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784198642501

作品紹介・あらすじ

警視庁組対四課に所属する米沢英利に「女を捜して欲しい」とヤクザの若頭補佐が頼み込んできた。米沢は受け取った札束をポケットに入れ、夜の街へと繰り出す。“悪い”捜査官のもとに飛び込んでくる数々の“黒い”依頼。解決のためには、組長を脅し、ソープ・キャバクラに足繁く通い、チンンピラをスタンガンで失神させ、時に仲間であるはずの警察官への暴力も厭わない。罪と正義の狭間で、たったひとりの捜査が始まった。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

罪と正義の狭間で繰り広げられる、独特の緊張感とユーモアが融合した物語。警視庁組織犯罪対策第四課に所属する主人公、米沢英利は、かつての優秀な刑事から悪徳捜査官へと転落し、夜の街で“黒い”依頼を受けながら...

感想・レビュー・書評

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  • 所持している深町作品は、全て読了しました。まだまだ読みたいと思います。

     何だか怖そうな小説のタイトルですが、実はシリアスな場面とコミカルな場面を書き分けているので、強烈な「ウゲェッ」怖い!とはならない。

     主人公の米沢英利は、警視庁組織犯罪対策第四課に在籍し、第五課(銃器捜査係)から異動した。以前は、渋谷署等々のマル暴の刑事だったのだ。その頃は大関芳子という新人女性刑事の教育をしていたが、何故か今は、本庁の米沢の管理官に就任している。つまり敏腕刑事の直属の上司になったのだ。

     寧ろ芳子でないと米沢の暴走を止めることが出来ない(私見です)

     大関芳子警視は身長約百八十センチで、若い頃は柔道無差別級アスリートとして活躍していたのだという。その堂々たる体格と名前のおかげで、“関取”という渾名がついた。
    コワモテのヤ○ザをも屈服させるやり手で、取調室で彼女に泣かされたヤ○ザが何人もいる。勿論、今や米沢とて敵わない。
     遊興と犯罪捜査が表裏一体となる激ヤバ地帯で単独捜査を敢行し、独自の感性で犯罪を嗅ぎつける特技は、金がかかってしょうがない。同僚刑事や鑑識等から借金、ヤ○ザから金を無心する始末で手が付けられない。
     警務部の監察係は、彼を警察社会から追い出したくてうずうずしているが、捜査結果が他の刑事よりグンバツなのだ。

     物語の山場が幾度となく続きます。
    この小説をドラマ化して欲しいと思うものの、放送禁止用語が連発されてピー(マスキング音)が入りっぱなしになる。
    小説だから面白いのかもしれません。

     壊滅させた暴力団の元組長の女を愛してしまった。元組員は密かに復讐を企てていたのだ。女がキーを握っている。
     読書は楽しい!

  • タイトルからイメージされる内容よりは面白かったけど、連作短編なので物足りなさも感じました。この面子を大きな事件、調査で活躍させて欲しいですね。

  • 連作短編集。
    元は優秀な刑事だった米沢。50を過ぎ、相手がヤクザだろうが警察官だろうが構わず報酬をもらい、トラブルを解決する悪徳刑事と成り下がった。かつての部下で大女、通称関取の芳子が直属の上司となり、彼の行動を見張るが。
    芳子、そしてゴーストの名で呼ばれる監察官・京香、性獣鑑識官・岡野などとの掛け合いが、ユーモラスに描かれて楽しめる。

  • 訳あり悪徳警官、シリーズ化からドラマ化までいけそうなキャラクター達。
    大女は安藤なつ。

  • 面白かったんだけど。
    深町秋生はもっとグロくてエグい感じを期待してたので、割とまろやかな感じ?

  • 連作短編集。

    主人公が見事な悪徳警官っぷりで、暴力描写も相変わらず満載だが、何処かコミカルで憎めないキャラの上、「関取」とあだ名される女上司に毎回これでもかと無様にとっちめられる様がとっても楽しい。「ゴースト」とか、脇役もしっかり揃っているので、是非とも続編をお願いしたい。

  • 長編かと思い読んだら短編集だった。一話目に出てきた浦部がカッコ良かっただけに残念だったが、全ての短編が面白かった。
    深町秋生は好きだけど、短編もイケる!刑事やヤクザにも恐れられていた伝説のマル暴担当の米沢も、今は悪党の刑事になっていたが、やる時はやる男。そして、かつての部下だった大女の関取(芳子)が今では米沢の上司となっており、いつも米沢のワルさを暴いては鉄拳制裁を加える。それでも、米沢のピンチには、必ずといって良いほど助けてくれる恐れられながらも頼れる上司。
    この米沢と関取との掛け合いもさることながら、最後の章では、米沢が悪徳刑事に成り下がった切ない理由もわかり、満足できる一冊になっている。

  • タイトル通りの作品。優秀だったが落ちぶれた刑事の話。曲者の上司や監察官にいじめられているが飄々としていて憎めない。シリーズ化希望。

  • 元敏腕刑事,主人公の悪徳警察官がヤクザや警官、実業家のトラブルを解決する連作短編集。本人のキャラはもちろん暴力的な元部下の女上司やゴーストと呼ばれる女監察官もいい味を出す。転身の理由を描く最後の二編では,ホロリ人情話も。いつものバイオレンスを期待すると期待はずれだがそれなりに楽しめる。

  • 五十すぎの刑事と、新宿に生息するヤクザたちのやりとりを描いた短篇集。刑事は、ヤクザのシノギである違法DVDを見逃す代わりに金銭を得たり、ヤクザの経営する裏風俗を利用したり、ヤクザの組長を脅したり、かなりの悪徳クズ刑事。『野良犬たちの嗜み』その彼のもとに、ヤクザから「ある女を捜して欲しい」と依頼が入る。女はヤクザの兄貴分の命令によって、マカオに売り飛ばされるところだったのを、手違いで死んでいた。ヤクザは兄貴分に復讐を果たす。『悪党の段取り』同僚の刑事から、美人局的な詐欺に嵌められた、助けて欲しいとの依頼が入る。調べていくうちに、その刑事が蒔いた種だということがわかり、ヤクザの肩を持つ。など。

    「チャンネエ」「コーシー」などの言葉が現役で使われていることが、ちょっと恥ずかしかった。目を背けたくなる暴力もあった。刑事の上司である「関取」や「ゴースト」といったキャラがはっきりしていて、漫画的ではあるのだけど、安心して読めた。

  • あまり見かけない意外な警察小説。上品ではないがなかなか味わい深い作品。登場人物が何とも魅力的。昔キレッキレのマル暴デカだが、愛したSに死なれてからワルに落ちてしまった、どこか憎みきれない主人公・米沢英利。元後輩で今上司の力でも勝てない“関取”大関芳子。滅法腕が立つのに天敵ゴキブリの監察官“ゴースト”奈良本京香、等々。読後清涼感さえ感じた。

  • 登場人物すべてがワル(笑)
    警視庁組対四課に所属する主人公は、ある事件をきっかけに深い闇へ潜り込む。悪い捜査官のもとに、飛び込んでくる数々の黒い依頼。解決のために、組長を脅し、ソープ・キャバクラに足繁く通い、時には仲間である警察官へも暴力を厭わない。
    罪と正義の狭間で、たった一人の捜査が始まる………

  •  警視庁組対四課――いわゆる「マル暴」のベテラン刑事・米沢英利を主人公とした、「悪徳警官もの」の短編連作だ。

     ヤクザなどから依頼を受けては、本来の業務とは関係ない“私的捜査”を行う。そのために警察の情報網などを不正利用することも厭わず、悪党どもから謝礼を受け取って私腹を肥やす……という、絵に描いたような悪徳警官の物語。
     全6編中のラスト2編で、かつては普通の熱血刑事であった米沢が道を踏み外したきっかけが明かされる。

     適度にコミカルで、適度にシリアス。
     海千山千の暴力刑事である米沢が、巨漢で柔道猛者の女上司(通称「関取」)にだけは頭が上がらない、というキャラ設定も面白い。

     悪徳警官である米沢にとって天敵の、警視庁人事一課(通称「ヒトイチ」)・奈良本京香監察官のキャラもよい。ひそかに「ゴースト」というあだ名で呼ばれている、不吉な雰囲気を漂わせる中年女――。
     全体に、『踊る大捜査線』的なわかりやすいキャラ立ちを、ドス黒い方向に転換させて用いている感じだ。
     
     全6編それぞれに工夫があって、「同じような話」がない点も好ましい。  

  • アウトローな警察ミステリ連作集。一見ただの汚職警官にしか思えない主人公だけれど、案外と筋は通ってたりしてカッコよく思えなくもない部分が。そしてもとは有能な警察官だった彼がそんな風になってしまったとある理由も、作中できちんと語られます。
    しかしそれにしても、女性陣が凄すぎます(笑)。管理官の「関取」と監察官の「ゴースト」。なんなんだこの人たちは! とてつもなく有能でキャラが立ってて、味方としてはとても頼もしい。でも敵に回すのは恐ろしすぎるなあ。

  • 170609図

  • 上司の芳子さんとのやりとりが面白い

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著者プロフィール

1975年山形県生まれ。2004年『果てしなき渇き』で第3回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。同作は14年『渇き。』として映画化、話題となる。11年『アウトバーン』に始まる「八神瑛子」シリーズが40万部を突破。著書に『卑怯者の流儀』『探偵は女手ひとつ』など多数。

「2022年 『天国の修羅たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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