ユーロから始まる世界経済の大崩壊: 格差と混乱を生み出す通貨システムの破綻とその衝撃
- 徳間書店 (2016年9月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198642532
作品紹介・あらすじ
ノーベル賞経済学者が、ついにやってくるユーロ破綻を緊急警告! イギリスのEU離脱、ドイツ銀行の破綻危機、再燃するギリシャ問題など、くすぶっていた爆弾がいよいよ炸裂する。とくに2017年はフランス大統領選挙、ドイツ総選挙があり、欧州分裂とユーロ瓦解が一気に進む可能性も指摘されている。ユーロ危機の根本原因は何か。そしてこれから世界に何が起こるのか。解決の糸口はあるのか。わかりやすく解説する。日本への特別寄稿付き。
感想・レビュー・書評
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東2法経図・6F開架:338.97A/St6y//K
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ブレグジットをきちんと理解したくて、まずはユーロ圏のことから知ろう、と思い読み始めたけれど、難しくて読み進むのに時間がかかった。高名な経済学者の方が書いた本だから、本当はユーロについて、そして金融、経済についてある程度知識がある人が読んだら面白いのだと思う。
ただ、ギリシャの経済危機をかなり取り上げていたので、当時新聞やニュースでさらっとしか知らなかったことを、危機が起きた理由、危機後のことまで知ることができた。
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経済統合を政治統合より優先させたことにより、巨大資本優先の政策が強まり、国家間、個人間の格差拡大に通じている。
ヨーロッパの連帯と協調が進み、課題が解決していくことに期待したい。 -
スティグリッツ教授が今度はユーロに切り込む。
ドイツは善。働かず、脱税王国のギリシャは悪。欧州統合のためユーロ守るべし。
こんな単純な図式を信じていたが、どうやら違ったようだ。
本書で「経済プログラムの成否は国民全体の福祉」で判断すべきという著者は、ユーロは新自由主義、そのイデオロギーの産物なのだ、と喝破。処方箋は、さらなる統合の深化もしくは分離だという。確かに一般のギリシャやスペインの人に何の罪があったのだろう。
視野が広がる良書なのだが、残念な点が2つ。
①どうしたことか繰り返しが多い。400ページ超の大著だが、2/3にした方が明瞭になってはるかに読み易い。
②この邦題はいけない。こんな趣旨ではないし、著者がスティグリッツでなければ敬遠するところであった。 -
ばら色の夢を描いてスタートした単一通貨ユーロが格差と混乱を生み出しているとして糾弾、経済と政治は不可分として政治的な統合を推し進め規制などで市場を管理するか、円満な離婚を提唱。ブレグジットに際して、エマニュエル・ドット氏が「問題は英国ではない、EUなのだ」と看破したのは決してフランス人お得意の皮肉ではないのだ。
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