ユーロから始まる世界経済の大崩壊: 格差と混乱を生み出す通貨システムの破綻とその衝撃

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レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198642532

作品紹介・あらすじ

ノーベル賞経済学者が、ついにやってくるユーロ破綻を緊急警告! イギリスのEU離脱、ドイツ銀行の破綻危機、再燃するギリシャ問題など、くすぶっていた爆弾がいよいよ炸裂する。とくに2017年はフランス大統領選挙、ドイツ総選挙があり、欧州分裂とユーロ瓦解が一気に進む可能性も指摘されている。ユーロ危機の根本原因は何か。そしてこれから世界に何が起こるのか。解決の糸口はあるのか。わかりやすく解説する。日本への特別寄稿付き。

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:338.97A/St6y//K

  • ブレグジットをきちんと理解したくて、まずはユーロ圏のことから知ろう、と思い読み始めたけれど、難しくて読み進むのに時間がかかった。高名な経済学者の方が書いた本だから、本当はユーロについて、そして金融、経済についてある程度知識がある人が読んだら面白いのだと思う。
    ただ、ギリシャの経済危機をかなり取り上げていたので、当時新聞やニュースでさらっとしか知らなかったことを、危機が起きた理由、危機後のことまで知ることができた。

  • モノ・ヒト・カネの国境を超えた移動であるグローバリゼーションは必要な制度を整えればプラスである。
    関税は途上国の産業を保護するという点では必要だが、世界は関税の引き下げによって確実に貿易(モノの移動)の恩恵を受けてきたのは確かだ。
    移民(ヒトの移動)政策においても、最初は移民を制限する必要もあるかもしれない。しかし、各種改革(緊縮財政ではなく成長を重視する改革や、最低賃金の引き上げなど労働市場を強化する改革、より良い職業訓練プログラムの導入をともなう改革、労働組合の交渉力を強化する改革)を実施し、もっと多くの労働者の生活水準を改善させられたらもっと多くの移民を受け入れることを可能とするべきである。
    また、金融(カネの移動)の自由化は急速に行われるのではなく、資本統制や規制は行われるべきだ。

    スペインはユーロを導入しているので固定相場制のように通貨の価値が変わらない。つまり、通貨の下落により自国通貨安が起こり、輸出競争力が回復する、というようなことはない。しかし、国内の物価の下落と賃金の下落(デフレ)により、輸出競争力を復活した。そのため、スペインの赤字は縮小した。これを「対内切り下げ」と呼ぶ。スティグリッツは「対内切り下げ」を批判している。


    EUは財政政策は各国の多様性に鑑みて各国に権限を委ねたが、金融政策はECBに一本化した。そのため、財政政策(課税と歳出)による共同の政策が打ちにくい。しかも、ECBによる金融政策もインフレ阻止のみをスコープとしており、失業対策と経済成長と経済安定化などはスコープから除外されている。

    危機前のドイツは貿易黒字を循環させていた。具体的には、スペインやアイルランドなどの周縁諸国に貸し付け、財政赤字の垂れ流しをゆるしたのだ。つまり、民間の貿易黒字で儲けたドイツ銀行やBNPバリパはスペインやアイルランドの不動産バブルに貸し付け、ギリシャやイタリアの国債を購入した。このことはユーロ危機を引き起こす一因となり、ヨーロッパ域内の”拡散”を後押ししてしまった。

  • 経済統合を政治統合より優先させたことにより、巨大資本優先の政策が強まり、国家間、個人間の格差拡大に通じている。
    ヨーロッパの連帯と協調が進み、課題が解決していくことに期待したい。

  • スティグリッツ教授が今度はユーロに切り込む。
    ドイツは善。働かず、脱税王国のギリシャは悪。欧州統合のためユーロ守るべし。
    こんな単純な図式を信じていたが、どうやら違ったようだ。
    本書で「経済プログラムの成否は国民全体の福祉」で判断すべきという著者は、ユーロは新自由主義、そのイデオロギーの産物なのだ、と喝破。処方箋は、さらなる統合の深化もしくは分離だという。確かに一般のギリシャやスペインの人に何の罪があったのだろう。
    視野が広がる良書なのだが、残念な点が2つ。
    ①どうしたことか繰り返しが多い。400ページ超の大著だが、2/3にした方が明瞭になってはるかに読み易い。
    ②この邦題はいけない。こんな趣旨ではないし、著者がスティグリッツでなければ敬遠するところであった。

  • ばら色の夢を描いてスタートした単一通貨ユーロが格差と混乱を生み出しているとして糾弾、経済と政治は不可分として政治的な統合を推し進め規制などで市場を管理するか、円満な離婚を提唱。ブレグジットに際して、エマニュエル・ドット氏が「問題は英国ではない、EUなのだ」と看破したのは決してフランス人お得意の皮肉ではないのだ。

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