魔法使いと副店長

  • 徳間書店 (2016年11月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784198642921

作品紹介・あらすじ

単身赴任中の四十路の大手スーパーマーケット副店長の元に押しかけてきた「魔法少女の類」と「鵺」。叩き出すわけにもいかず、渋々同居する羽目に……。栄転間近だったはずが……。
青春小説が好評な日本ファンタジーノベル大賞出身作家が描く、ファンタジーでもライトノベルでも無い、ねじくれ家族小説。

みんなの感想まとめ

家族や人間関係の複雑さを描いた物語が展開され、主人公の藤沢は、魔法少女アリスとその見守り役のまるるんとの共同生活を通じて新たな人生の道を模索します。物語の中で、藤沢は仕事のトラブルを解決しつつ、家族に...

感想・レビュー・書評

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  • 2人のお別れは少し寂しいですが、最後に見事に伏線回収していきましたね

    それにしても魔法使い達の出自…何とも言えない気持ちになります…
    それでも尚新たな人生を歩み出す心の強さを感じました。

    あとまるるんがとても良い保護者ですねw

  • 続けて湘南が舞台ということで。
    藤沢にあるスーパーの副店長・藤沢、単身赴任中。ある日、部屋に帰ると、空から箒に乗った女の子・アリスとその見守り役小動物・まるるんがやってきた。アリスは人間界で修行する魔法使いの見習いという。次の満月まで一緒に暮らす中、藤沢は仕事のトラブルを解決しつつ家族を考える、そこで見えてきたものは…家族小説。
    こちらも魔法使いだ、まるるんだ、と若い人向けかなと思った。しかし、後半は違った。読み進めてゆくと、育児放棄だったり、社会的に屈折した人が出てきたりで、前半の空気とは違ってきます。そんな現状を、重くならず、藤沢が正面から解決してゆく。魔法使いという役ながらうまくアリスの過去をからめて、辛い問題を出しらながらも暖かく仕上げたなと、ほっとできる一冊。

  • ストーリーは、タイトルそのまま。

    でも、ほんとに良い本でした!

    この作者さんの「ボーナストラック」が大好きですが、あの本に通じるものがあります。

    やるせない哀しさや憤りや、ほっとするような救いがあって。物語なんですから、個人的にそこは大事です。
    甘いと言われようと・・・

    休日一気読みできてよかったー。
    これは細切れで読むよりまとめて読んで正解。
    おそらく再読します。

  • 魔法使い、っていうからファンタジーものだと思ったら、確かに魔法を使えるという意味ではファンタジーなんだけど、リアルさを感じることの多いお話だった。
    前半はアリスの突拍子のなさに、副店長といっしょにドキドキ?イライラ?しながら読んでたけど、事情がわかってからはおもしろかった、一気に読めた。
    にしても副店長の周りは、なんだかんだ良い人ばかりで、そこは越谷さんだなぁと思ったり。最後はあったかい気持ちになれるところも。

  • 王道でご都合主義のハッピーエンドは越谷オサムの良さであり、そこは好きなのだが、本作ではそこまでの展開の浅さと設定の粗さが少々気になった。

    全体の半分くらい読み進めた段階で予想される大きな出来事の二つくらいは予想通りに起こる。
    どんでん返しを期待しているわけではないが、予想通り過ぎてページを進める快感が少ない。

    かと思えば、とある事件が起こって、その当事者や自分の家族について思い至るべきところを、無理やりアリスの境遇の話につなげようとするような無理やりさがあったりする。

    粗さについてはいくつかある。
    本来の家族の生活を守るためにはなんとしても14歳の女の子を自宅に泊めていることを秘密にしなければならないのに、結構簡単にアリスに外出を許してしまうとか。
    たまたま運のいい方に転がった(というか著者が都合のいい方向にもっていった)からいいものの、主人公の行動は危なっかしい。
    アリスの外出自体もそうだし、スーパーでは人に迷惑をかけないことを約束としていたのにアリスの勝手な行動を許してしまっている。
    騒ぎになって困るのは太郎の方なのに。

    また問題を起こした客を躊躇なく通報したり、不審な客のリストを作って共有しようと言い出したり。
    41歳にもなって直情的すぎる。
    これは越谷オサムの作品に共通することだが、登場人物が子供っぽいのだ。

    それと、「最終的に自分の周りの人はみんな優しい人で、身の回りのことは丸く納まりましためでたしめでたし」というのは、ハッピーエンドとは少し違うような気がする。
    都合の悪いもの・世の中の悪のすべてを自分の手の届かない遠くに見えないように押しやっているだけで、なんだか無責任に感じてしまった。
    アリスは魔法が使えるようになって、太郎という新しい父を得て、それだけでよかったんだろうか。
    自分の境遇にも目を向けて、世の中にはいいことも悪いこともあることを十分に理解するべきだったのではないだろうか。

    12年間魔法学校でできてなかったことが、たった1か月間で次々にできるようになるというのもちょっとなあ。

    ただ、主要テーマというほど重く扱ってはいないが、貧困問題については目に留まった。
    経済困難者のためのセーフティネットについて当事者が知らないせいで助けを得られないことや、そういう人は社会への働きかけあるいは社会からの働きかけに対して消極的になってしまっていることについては、よく描いているなと思った。

  • 妻と幼い息子を残し単身赴任中の四十一歳の大手スーパー副店長と箒に乗って窓から飛び込んで来た十四歳の見習い魔法少女アリスと中年男性な小動物まるるんの期間限定同居。魔法使いになる子供達の事情や店に問題を持ち込む母子や爆弾魔騒動。色々な人と仲良くなる無邪気なアリスが好ましい。全体が柔らかくて心地好かった。

  • 満月の晩、見習い魔法使いの少女が空から降ってきて、次の満月までの間居候をさせてほしいと言い出す・・・という設定だけ読むと、なんかラノベによくありそう・・・と思ってしまうけれど、この少女・アリスがやってきたのは藤沢市のスーパーの副店長をやっている四十路で子煩悩な単身赴任中の中年男。

    やたら元気な少女と副店長とまるるん(中年男の声で人語をしゃべるげっ歯類風動物)のかけあいを読みながら、ハートフルなファンタジーか、と思っていたら、中盤から物語の見え方が変化する。

    単純に「魔女っ子がいきなりオレん家にやってきて・・・」的な話ではなく、「異世界の魔女とおじさんの心あたたかな交流」だけの話でもない。
    物語の、世界の底に流れる、作者の優しさとか祈りのようなものを感じた。
    本当に世界の見えないところに、こんな仕組みがあればいいと願ってしまう。

    クライマックスの盛り上げ方も王道ながらうまくて、全体的にアニメとか視覚化しても楽しそうな話だなぁと思った。

  • 魔法使い見習いのアリスとスーパーの副店長の藤沢さんの物語。随所に越谷さんらしいとても温かい描写が見られる素敵なファンタジーでした。

  • 不思議な題名だなと思いつつ、大好きな陽だまりの彼女の作者さんの作品。
    かなりぶっ飛んだファンタジーと思いきや、意外と重ためのストーリー。ハッピーエンドだろうなと思いつつも、現代の問題に直面すると心が重たくなる。

  • 齧歯類がジワる。
    最初鵺って言ってたのに、あっという間に齧歯類に変わってそれに気付いた頃にはもう2人の会話が面白かった。

    何気なく手に取ってパラパラ見て面白そうだからと読んでみたけど、いい話だね。
    設定がおもしろい。
    事故や事件で早くに亡くなった子たちが、魔法で人助けをするってなんというか…アリスに至っては皮肉というか…
    でもそんなことお構いなしに真っ直ぐな心で人助けをきちんとやるアリスに癒されるし、なんだかんだ言いながら中年男の声がする齧歯類と14歳の女の子の面倒を見る副店長も素敵な人ね。
    現実世界でも有り得そうだし、出会っていないだけで、本当にいるのかも。

    アリスが幼い言動をするのは、魔法使いの年齢が人間より高いからだと思っていたが、そこには触れられなかったな。
    人間では14歳でも、魔法使いは7歳、とかそんな設定かと思った。そこはどうなんだろう。

    あとね、奥村さんや太郎氏も言ってたけど、生きるのに精一杯なのに生きることに必要なことは行動しない、っての。
    しょうがないんだよ。
    知る術が無いんだよ。あっても、意識に入ってこないんだよ。人は、見たいものしか見ないから。
    って、なんかそういう視野が狭い人たちの気持ちが分かって、苦しい思いになった。
    だから副店長みたいに、お節介をガンガン焼いてくれたら、人によっては良い方に変わるかも。麗舞くんの母親みたいに。

  • 完全なる作家読みです。
    話の展開が、越谷オサムさんの展開だった感じを受けました。
    「副店長」ってのがいいよね。
    設定もかなりよいモノでした。

  • 紆余曲折あるものの最後は期待を裏切らない、越谷さんらしい作風。
    ご都合展開は多いが、少しの寂しさとほっこりした気持ちをくれる。
    作品の中に現代社会へのメッセージを込めながらも明るいキャラクター達で走りきる。わずかかもしれないが明日への希望を抱けるのが越谷さんの作品だと思うので、現実に疲れた人はチラっと読んでみては。

  • 単身赴任中の子煩悩な副店長のところに、突然やってきた魔法使い見習いの少女アリスと色んな小動物のいいとこ取りみたいなまるるん。しかもしゃべる!
    天真爛漫すぎるアリスのおかげで、お話しは明るく進むが根底に幼児虐待や貧困問題などの社会問題が絡んでくる。

    ツッコミたいところがまぁまぁあるけど、重たい一冊を読んだ後にはうってつけだった。

  • 最終的には綺麗に収まってハッピーエンドでよかったけど、前半かなりイライラしたので減点。事情を知ったうえなら許せるかもしれないけど、普通に考えてこの見習い魔法使いを中年男性のところに犯罪覚悟で送り込ませる制度がイカれてる。ファンタジーなので普通に考えるも何もって感じだけど。

  • たまにはホッコリ出来る話が読みたいと思い、読んで見ました。初めはちょっと幼稚かなぁと思いながらも、アリスの天真爛漫さが娘の小さい頃に重なりニンマリ(^_^;
    でも、アリスの生立ちと言うか秘密が徐々に明らかにされて、この小説の根底に幼児虐待と言うテーマがある事が分かり、哀しい気持ちになって来ました。でも結局はアリスの明るさに気持ちが晴れる話でした。ちょっと寂しさが残る話でしたが、本当に良い話でした。新米パパさんママさんには是非読んでもらいたいです!

  • スーパーの副店長のところに空から見習い魔法使いが降ってくるお話。家族の絆とかそういうの。ちょい刺激が足りないという個人的な趣味嗜好。アニメ向き。

  • 如何にも越谷オサムって感じな作品。僕にとってはすごく面白かった。

  • 「見習い魔法使いのアリスです。しばらくご厄介になります。…どうぞよろしくお願いします」満月の夜、大手スーパーマーケットのチェーン店で勤務する藤沢太郎の部屋に見習い魔法使いを自称する女の子が飛び込んできた。
    成り行きで1ヶ月の間少女を居候させることになってしまうが…。
    失われた子供達、救えなかった大人達、ただ自分や大切な家族を守って一生懸命に生きているのに社会の中で上手く機能できず苦しむ人達…すべての人に救いのある優しい物語り。作者さんはきっと、とっても優しいかたなんだろうなー。

  • 単身赴任をしているスーパーの副店長のところにふってわいたアリスと名乗る「魔法使い見習い」。彼女は同居させてくれと言い張るが……。やっぱり、越谷オサムさんはいいなあ……。さみしすぎず、とってもありそうな出来事に対してのスタンスとか、アリスの一所懸命な感じとか。どれも読んでいて心地よい。

  • 藤沢太郎(41歳)。憧れのマイホームを買ったばかりなのに、いきなりの転勤命令!妻と幼い息子を残し、湘南にあるスーパーで、本社復帰を目指し、副店長としての業務に勤しむ日々。ある日、自宅アパートの窓から、箒に乗った女の子が突入!アリスと名乗る見習い魔法少女と彼女を見守る役目だという小動物“まるるん”に居候を決めこまれてしまった。慣れない女の子との非日常な暮らしの中で、少しずつ見えてくるもの、変化していくものとは?いかにもライトノベルのような設定から始まる、ハートウォーミングな家族小説!

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著者プロフィール

1971年東京生まれ。2004年、『ボーナス・トラック』で第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、デビュー。著書に『階段途中のビッグ・ノイズ』『いとみち』『陽だまりの彼女』等がある。

「2021年 『まれびとパレード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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