カミカゼの邦

  • 徳間書店 (2017年8月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784198644505

作品紹介・あらすじ

魚釣島で日本人が中国人民解放軍に拘束されたことを機に海自と中国軍が交戦状態に入った。在日米軍もこれに呼応。沖縄を舞台に“戦争”が勃発した。米軍によって組織された民間の自警軍――琉球義勇軍に参加した沖縄生まれの渋谷賢雄は激戦を生き抜く。そして突然の終戦。東京に移った賢雄の周辺で暗躍する中国の非合法工作員〈紙の虎〉の真の目的は――? やがて賢雄のもとにかつての部下たちが集う。国際謀略アクション小説、新たな傑作の誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりのアクションものを読んだ。
    初の作者だったが、戦いの描写は、
    機龍警察に似た感じであった。
    ただ、過剰なエロ描写はちょっと、
    辟易した。
    敵の正体に迫るあたりまでは、良かっ
    たが、最後の対決シーンは、あまり
    入り込めなかった。
    沖縄の歴史や、アジア周辺の国際
    状況は、勉強になったかな。

  • 魚釣島の事件が発端で、日本と中国が交戦状態に・・・その中で組織された民間自警軍『琉球義勇軍』そのいち小隊を率いていた主人公は、『紛争』終結後 流れ着いた東京である事件に巻き込まれる。 
    ふたたび、集結することになる昔の戦友達・・・
    硝煙と血の臭い、そしてバイオレンスとエロス まさに昭和のアクション小説 
    作者が沖縄出身ということもあるのでしょうが、沖縄の立ち位置の微妙な部分をも表現されていて考えさせられます。 
    でも、基本! 頭を空っぽにして読むべし!! 

    『吶喊!!』

  • 沖縄出身作家による、バイオレンスとエロス、そして2010年代以降のSNS社会に『あり得る』陰謀の錯綜した一作。

    解説に、一時期の菊池秀行や大藪春彦に言及される通り、アクション、エロスの描写はマンガで言えば青年誌むけ。もっとも、エロに関しては、乾いた文体というか、濡れ場なのにじっとりねっちり感が無い。(おかずにはならないがスパイスではある。)
    この乾いた文体が、逆にアクション描写としては読みごたえがあり、ラストシーンの描写に深みを与えていると感じられる。
    この作者のライトノベル著作は、不幸にして拝読していないが、本作は文句なしに星5つである。

    本作に光るギミックは、隠し民兵として非公式に組織された沖縄義勇兵(のちに紛争で活躍)。
    そして貧侠(ピンシア)は共感ベース、テンサン・エンジェルスは行きがかりの駄賃感覚で、殺人も辞さない犯罪を気軽に引き受ける人々。ダークウェブに言及は避けるが、あながち陰謀論と笑い飛ばせない描写が唸らせる。

    本作を特徴づけているのは「ルーツが不明であり、現在の位置も曖昧な」組織、人であろう。
    沖縄義勇兵は、PMCではなく、義勇兵(本来意味でのボランティア)であり、軍属ではない、というあいまいな立ち位置。このため、序章で描かれる紛争では、軍ではなくCIA指揮下で苦労させられる。
    そして主人公も、出自は不明なハーフの捨て子であり、沖縄らしからぬ苗字をもつ。ルーツからして曖昧、不確かな存在である。
    この『ルーツからして曖昧、不確かな存在』というのは、徐々に存在が明らかになる敵テロリストの親玉も同類である。
    また、主人公らが再結集する『沖縄義勇兵』さえ、資金提供も情報提供も二転、三転し、
    「一体誰の、何のために戦っているのか?」
    という問いには、決して明確な答えが与えられない。それどころか、

    「沖縄のことを切り離して平和を享受している本土も、同じような戦火でボロボロになればいい、そうすれば分かるだろう」

    というような台詞が飛び出すありさま。
    その『不確かさ』が、娯楽小説にはそぐわないと思う向きもあるかも知れない。
    だが、一方で、
    「沖縄で戦った者を、上手に芸の出来た犬のように扱う本土人」
    や右翼かぶれの描写は、えげつないほど真に迫る。戦う理由の不確かさとは裏腹に、『本土への、あるいは沖縄への屈折した思い』『右翼かぶれへの嫌悪感』は明確だ。

    本作以降、大人向け小説にも意欲的な神野オキナの作品『警察庁私設特務部隊KUDAN』シリーズも、読むのが楽しみである。
    シリーズものに手を出すのが躊躇われるのであれば、まず本書で、神野オキナの世界に触れてみることをお勧めしたい。

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著者プロフィール

1970年、沖縄県生まれ。1999年、『闇色の戦天使』でデビュー。ドラマCD・ゲーム・コミック化された『あそびにいくヨ!』を始め『疾走れ、撃て!』などライトノベル分野で人気シリーズを多く持つ。

「2023年 『警察庁私設特務部隊KUDAN エレウシス・プラン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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