誰も語らなかったジブリを語ろう (TOKYO NEWS BOOKS)
- 東京ニュース通信社 (2017年10月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198645021
作品紹介・あらすじ
世界のアニメーションに影響を与えた“スタジオジブリ”を、これまた世界中からリスペクトされる監督・押井守が語り尽くす。スタジオジブリの劇場公開作を振り返りつつ、「これまでのジブリ、これからのアニメーション」まで縦横無尽に語った痛快&ディープなインタビュー。<目次>第一章 矛盾を抱えた天才 宮崎駿/第二章 リアリズムの鬼 高畑勲/第三章 ジブリ第三の監督たち/第四章 小さな巨人――スタジオジブリ カバーイラスト/湯浅政明
感想・レビュー・書評
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流し読みでしたが、ジブリ作品について新しい見方ができるようになったと思います。
この本を読むまで知らなかったのですが、押井守と宮崎駿は仲が悪い(けんかばかりしている)のですね。
もはや、巨匠として批判の対象にはならなくなった宮崎駿の作品ですが、押井守の目からすればツッコミどころ満載です。映画の構造やストーリー展開などについて、歯に衣着せぬ物言いで批判・分析を続けます。
ただ、そんな押井守の目から見ても、宮崎駿のアニメーターとしての技量は称賛されるべきものであり、そういった「ほめるべきところは褒める、なぜなら、本当にすごいから」という姿勢には好感が持てます。
自分の好きな作品をけちょんけちょんに言われても嫌な気がしないのは、押井守がその作品について(あるいは宮崎駿に対して)敬意を持っていることが伝わってくるからかもしれません。
むしろ、押井が絶賛していた場面の作画を確認したい、という思いと相まって、再度作品を観なおしたいと思わされます。
いずれにしても、宮崎駿が日本/世界のアニメーション作品に対して多大な影響を与えたことは事実です。
この本を読んでから作品を観ると、また新しい発見があるかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
押井守監督が語るジブリ評。目からウロコの指摘の数々で、積年の謎が色々解けた感じ!しかも、宮崎作品だけでなく、ジブリ全作品について語る、という、たまらない企画です。
押井監督は、本著の意図として下記の2つをあげています。
なぜジブリ作品は絶賛されつづけるのかを明らかにする
ジブリの歴史的背景を検証する
歴史的背景も大変興味深かったですが、本著はやはり「スタジオジブリを批判的にみる」初の試みとして大変意義があると思います。しかも、宮崎駿、鈴木敏夫、高畑勲全員の性格や仕事ぶり、アニメ界の状況、そしてアニメ映画そのものを深く知る押井監督が語る、ということで面白くないはずがない!まさに、ページを繰る手が止まらない、一気読み必至です!
自分がジブリになぜ惹かれるのか、ちゃんと理解できていない感じは常にありました。とにかく気になる存在なので、ジブリ関連の本は見かけると読んでますが、これだけ愛されてるのに、驚くほどに客観的な文章が少ないな、とは思ってきたのです。目立つのは、鈴木敏夫プロデューサーの著作(想い出話)で、あとは公式設定本だったりで、、、その謎について、本著で一つの解を得ることができました。それが「思考停止」です。
続きはブログへ
https://hana-87.jp/2018/11/07/daremoghibli/ -
ジブリ、特に宮崎監督をこんなにディスりまくっているのに結局、見直さなくっちゃと思っている。
押井さんのこと何も知らないけど、毒があって面白くて可愛い人だなあ。 -
19.10.19
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桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/610082 -
巨匠の作品は否定しづらい、そこをあえて、友情?を交え、尊敬を匂わせ?
絵から、ストーリーから、構成に至るまでダメ出ししまくってある。
ざーっとナナメ読み。
ほたるの墓、最近はテレビであってもしんどくて見てなかったけど、違う視点でもう1回見たくなったな。
なんだかんだほぼ見たことあるってやっぱり巨匠。 -
対談形式であるために、内容の粒度が荒くなっているように感じた。評論として押井守さんの見てきたジブリを読んでみたかったと思う。ただ、宮崎駿と押井守は同じ時期に映画を製作しているので、ある意味ライバルと括ることもできるはずなのに、自分には全くそう感じなかった理由は何なのか、疑問が少し解消したようには思えた。
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厨二病、押井守のジブリ論評
宮崎・高畑以外の作品も取り上げていますが結論は劣化コピーですから、ジブリ論評と言うよりは宮崎・高畑論評かな?
高畑勲に対する(複雑な)思いなんて、宮崎駿と同じ!
そう言った意味では凄く面白いw
本物は絶対に否定するだろうけど、要するに同属嫌悪なんだろうなぁ…