熊とにんげん (児童書)

  • 徳間書店 (2018年1月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (104ページ) / ISBN・EAN: 9784198645564

作品紹介・あらすじ

あるとき、ひとりの男がいた。男は熊を1頭つれていた。どこからきたのか、男はいおうとしなかったし、なんという名まえなのか、だれにもわからなかった。人びとは、ただ「熊おじさん」とよんだ…。
生きていくうえでもっとも大切なものは何なのかを考えさせる、不朽の名作。
『クレーン』『タイコたたきの夢』をはじめ、繊細なイラストとあたたかく詩情あふれる物語で知られる、ライナー・チムニクのデビュー作、待望の復刊です。

みんなの感想まとめ

心のつながりをテーマにしたこの物語は、熊と人間の不思議な関係を描いています。熊を連れた男が旅をし、彼らの絆や人間の本質を問いかける内容は、読者に深い感動を与えます。熊の視点から描かれる物語は、彼が野生...

感想・レビュー・書評

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  • 最近、日本各地で熊が出没。大変なことになっています。

    さて、この物語には、熊と人間の心のつながりが描かれています。タイトル『熊とにんげん』。熊が最初にあって、“にんげん”と平仮名表記。なんだかとっても、熊ファーストな感じ。(熊の出没事件TVで見るたびに、食料不足なんだなあと思う一方、干支に熊が入っていないことを本当は怒っているのではないか?とアホなことを私は時々思っています。)

    お手玉の芸をするおじさんは、踊りをする熊を連れて旅をしてまわり、みんなを喜ばせています。

    旅の途中でおじさんが亡くなったとき、野生に戻る過程、野生として生きる良さを知ってもなぜか人恋しくなってしまう。その時々の熊の気持ちが手にとるように伝わってきます。

    なんて優しく、しみじみと心に残る物語なんだろう。

    素朴かつ繊細なペン画は、ときに荒々しく、ときに穏やかに、内容を伝えるのに十分です。

    訳者あとがきに「世の中を、人生を鋭く見透している眼があり、それはある意味では宮沢賢治の世界と重なるのではないか」とありました。(読んでいて、なんとも言えない透明感、これは何?と思っていたら、“宮沢賢治の世界”という言葉。本当にその通りだと思います。)チムニクの他の作品も読みたいです。

  • 〝田舎の道を村から村へ旅してまわる、踊りをおどる 「熊」 を連れた旅芸人 “熊おじさん”と呼ばれた男がいた…。 これは、抒情詩を詠むような、しみじみとした心をうち鳴らす物語。〝熊おじさんには、友だちがふたりいた。熊と、そして神様だった。おじさんは、鉄のフライパンと、ひとつの音しか出ない角笛と、まりを七つもっていた。熊おじさんは、森の中に宝物を埋めてあるでもなし、魔法が使えるでもなし、小人に出会ったことも生まれてこのかた一度もなかったが、特別なことが三つあった。熊の言葉がわかること、心根のいいこと、それから七つのまりでお手玉ができることだった…〟「生きていくために必要な大切なこと」を教えてくれる、絵本作家<ライナ-・チムニク(1930-2021
    )>の忘れがたい不朽の名作。

  • 号泣。
     読みはじめてすぐに、なんだか悲しい終わり方をするような気がして、ドキドキしながら読んだ。
    熊とおじさんの友情が、二人の欲のない生き方が、神様さえ「友達」と思えるような貴さがあまりに美しく、たった一つの音しか出せない角笛の音が自然から妙なる音楽を引き出すように、あり得ないほど(しかし、絶対にないとは言えない)稀だから。
     ある意味、その予感は当たっていたけど、外れてもいた。熊もおじさんも決して不幸なことばかりではなかった。辛いこともあったし、ずっと貧しかったけれど、自然に抱かれ、神とともにいることをいつも感じられた。得難い真の友情が死ぬまで続いた。誇りを持って仕事ができた。それを幸せと言わずになんと言うのか。
     同時に目先の欲にとらわれ真実が見えなくなっている人間のあさましさも余すところなく描かれている。
     原題は「熊と人々」。熊を通して美しかったり、醜かったりする人間たちが描かれている。
     今日、新聞で京大の山極先生が、人間に育てられたゴリラを野生に返すことの難しさを書かれていた。人間に育てられたゴリラは森で暮らすようになっても、人間の気配がすると先を争って近づいてくるという。そして、「なぜ自分たちが置いてきぼりにされたのかを訴えているように見えた」と。何となく、この熊と重なって切なくなった。
    (動物から豊かな森を奪い、生態系を破壊したのは人間なので、山極先生の提起する問題に関しては、切なくなっている場合ではなく、真剣に早急に対応すべきだと思うけど。)

  • 7つのマリでお手玉をするおじさんと、踊る熊の話。美しい友情物語だけじゃなくて「おいおい人間くんさぁ…」ってなるシーンとか、匂わせる文章とかもある。挿し絵がとても良い!

  • ライナー・チムニク
    Reiner Zimnik

    ポーランド領となっているオーバーシュレージエン生まれ
    ミュンヘン美術学校の時デビュー
    初版は1954年

  • 淡々とした筆致が心に染み入る。

  • 祝復刊!

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    あるとき、ひとりの男がいた。男は熊を1頭つれていた。どこからきたのか、男はいおうとしなかったし、なんという名まえなのか、だれにもわからなかった。人びとは、ただ「熊おじさん」とよんだ…。
    生きていくうえでもっとも大切なものは何なのかを考えさせる、不朽の名作。
    『クレーン』『タイコたたきの夢』をはじめ、繊細なイラストとあたたかく詩情あふれる物語で知られる、ライナー・チムニクのデビュー作、待望の復刊です。
    http://www.tokuma.jp/bookinfo/9784198645564

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著者プロフィール

1930年ポーランドに生まれ、ドイツに移ってミュンヘンの美術アカデミーで学ぶ。『熊とにんげん』『クレーン男』など、詩的な文章と繊細なイラストの作品で一世を風靡した。

「2018年 『タイコたたきの夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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