なぜ柳家さん喬は柳家喬太郎の師匠なのか? (文芸書)

  • 徳間書店 (2018年8月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (268ページ) / ISBN・EAN: 9784198646332

作品紹介・あらすじ

師・小さんの芸を受け継ぐ本寸法の古典落語が持ち味の柳家さん喬。その一番弟子、爆笑新作落語を得意とする喬太郎。二人は、あまりに芸風の違う師弟として落語ファンの中では有名だ。なぜそのような二人が師弟関係を結んだのか。どのように、芸は受け継がれているのか。落語における親子のあり方とは、どのようなものなのか。さん喬、喬太郎が初めてじっくり語り合う! 「とうとう“この件”が一冊の本になってしまった…」(柳家喬太郎)

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

落語の師弟関係や芸の継承について深く掘り下げた本書は、柳家さん喬とその弟子である喬太郎の異なる芸風を通じて、落語の魅力を再確認させてくれます。読み始めた動機は軽いものでしたが、二人の思いや葛藤が伝わる...

感想・レビュー・書評

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  • 司馬遼太郎氏の「街道をゆく」から、落語へ、「箸休め」のつもりで手に取ったが、実に失礼な動機であったこと、読み進めるうちに反省。
    各章末の補足説明(※印)も楽しめた。
    新旧落語の演目がたくさん出てくるので、落語に興味があれば、おふたりの生き様を楽しめるかも。

  • お二人の落語や師弟関係に対する思いがひしひしと伝わってきた。
    パブリックイメージとの葛藤。噺家としての矜持。師弟だけど違ったアプローチ。
    それでもお二人とも「粋だな~」と惚れ直してしまう。
    特に、さん喬さんのコーヒーの例え話は、スッと腹に落ちた。

  • 柳家喬太郎さんに対して、嫉妬もあるし、自分ではどうかと思う噺もあったと、正直に語られる柳家さん喬師匠の話が胸に刺さりました。柳家喬太郎さんも、師匠を本当に見ているのだなと。

  • 『#なぜ柳家さん喬は柳家喬太郎の師匠なのか?』

    ほぼ日書評 Day686

    「ビジネス書」として、もっともっと注目評価されるべき一冊。

    本書の真諦は、ビジネスリーダーが読むべきマネジメント本である。

    実際はAmazonでも「文芸書」に分類され、評を見ても落語ファン的なものが多いが、落語家の系譜やネタの解説といった「落語本」とは一線を画する内容。
    出版側もより幅広い読者層を意図・期待していることは、全体の15%にも及ぼうかという注釈のボリュームにあらわれている。

    といって過度に硬い本でもない。
    さん喬・喬太郎の共著という形式を取るが、実際はお二人へのインタビューを再構成した形式を取り、落語ファンでなくても楽しめるエピソードが散りばめられる。
    その懐の深さは、さん喬の師匠である、柳家小さん(先代:人間国宝、一定の年代以上なら「うまいねぇ、これで本当にインスタントかい?」などのTV CMでも知らない方はいないだろう)であることも大きく寄与している。

    「俺がお前たちにやれるものは水しかない。肥やしはやれない」と弟子全員に言っています。

    噺家としての基礎は教える(水をやる)が、そこから大きく育って花を咲かせるのは彼ら自身という考え方。

    特に、若い頃から大型新人、20年に1人の逸材と言われた喬太郎については、その才能を潰しちゃいけない、危うい時だけ声をかける、といった「育成方針」が徹底されることなくしては、喬太郎師匠の今日の活躍はなかったと感じさせる。

    危うい時の例として語られるのが、客におもねる姿勢。喬太郎であれば、「新作」を演ずることを求められ、さらには筋の悪い「企画」に振り回されるような状況。
    芸人であるから、客の期待を裏切ることはできないが、それに答えようとしすぎると、変な色がつく。

    本人にも注意をする一方で、客にも「贔屓の引き倒しにならぬよう…」などとギリギリの発言をすることで、師匠としての責任を果たしている。
    本当は落とし噺がやりたいのだが、人情噺のさん喬といった評判が強くなりすぎてしまった自身を振り返ってということだが、なかなか実践できることではない。
    大いに見習いたい点である。

    https://amzn.to/44dnc2E

  • ・P82:喬太郎を潰さないための我慢
    〜中略〜
    さん喬:「俺がお前たちにやれるものは水しかない。肥やしはやれない」と弟子全員に言っています。

    ---その場合の水というのは、基本的な落語の技術のことですか?

    さん喬:そうです。噺家として、身に付けなくてはいけない部分ですよね。でも、水をやったところで、花を咲かせるのは彼ら自身です。俺はお前たちに花をつけさせることはできない。やれることは水をやることだけだ。それは惜しまない。だけど、花に色をつけたり、大きな花にしたり、可愛い花にしたりするのはお前たち自身だ。俺がお前たちに小さな可愛い花になれとか、大輪になれとか、そういうことは教えられないし、押し付けるつもりもない。

  • 柳家さん喬と柳家喬太郎のインタビュー
    芸は人なり

  • さん喬師の高座を聴きたくなった。
    落語家が自分の矜持を持って弟子を育てること、
    自分のなかに脈々と流れる師匠から受け継がれていること(受け継いだことじゃない)がミソ。

  • 落語家の生活が垣間見える。

  • さん喬師匠が オーサーコーチと重なる部分が。

    喬太郎氏人気が強烈だけれど 以前浅草でさん喬師匠に自分〇をつけていたメモが見つかったので
    柳家の会に行きたいなぁ。。

    また子さん師匠の奥さんの 悪口を言う場から離れないと、相槌をうつだけで自分が言ったことになる、というのも心に留めたい。。。

    『…こいつの芽を摘むことになる。だからそれは、こっちが我慢する。すると後々、あぁなるほど、俺の嫌いなところは、こうやって花が咲いたんだって思うことがありますね』

    『俺がお前たちにやれるのは水しかない。肥しはやれない。…花を咲かせるのは彼ら自身です。…俺はお前たちに花をつけさせることはできない。やれるのは水をやることだけだ。それは惜しまない。だけど、花に色を付けたり 大きな花にしたり、可愛い花にしたりするのはお前たち自身だ。』

    喬太郎氏を知りたくて読んだけれど
    さん喬師匠が好きになる本。

  • 落語家の子弟関係としてはなかなか変わったカタチですが、なんだかほほえましいですね。

  • 大好きな落語家、さん喬さんと喬太郎さんの師弟対談の聞き書き。
    人情噺など古典の名人のさん喬師匠の一番弟子が、新作も大人気の喬太郎さん、というのは面白いなあと前から思っていた。

    お二人はどんな師弟関係なのかな?と

    弟子は心から師匠を尊敬し、心優しい師匠は弟子にアドバイスはするが、やりたいことを尊重してくれる。きちんと水をあげることはできるが、花は自分で咲かせなさい、とあうスタンスで弟子を見守る師匠の目は常に温かい

    だからこそ弟子はのびのびと新作も発表できる。
    本当に困った時は助けてくれて、普段は好きにさせてくれる最高の師匠!

    落語の演目解説もたくさんでてきて、落語ファンにはたまらない一冊

  • 有り 779.1/ヤ/18 棚:19

  • タイトルの趣旨は、古典がお箱の柳家さん喬の一番弟子が新作が得意の喬太郎なのかというところから来てる。それが本のタイトルになるくらい二人の人気が不動のものなんだろう。
    柳家さん喬について、喬太郎は誠実さが着物を着てるような人ということで、喬太郎は2,30年の一人の逸材なので、それをつぶさないようにするにはどうするか気配りをしている。新作の人気が出ると、そればかり求められ、やりたい古典ができなくなる。さん喬も、人情噺に人気がでると、好きな落とし噺ができずに困ったことで、アドバイスするといったようなこと。二人の良好な関係がこの一冊から偲ばれる。それでもさん喬は喬太郎に嫉妬するとこもあるそうで、そうしたことも正直に語っている。二人をインタビューの対象にしたことで、立体的に人物が浮かび上がることと、さん喬の人となりに触れられて面白かった。
    さん喬は喬太郎の良さについて『現代語で古典落語が喋れるんですよ。これはある意味、欠点でもあるんですけど、それがお客さんに聴きやすいんです。今の時代では長所です。』と語っている。
    落研の素人芸は捨てろと言われたか」答え、「捨てろ」とのこと。


    『そばを食べるんだったら、ずるっとすする。そばはあんな音はしねぇよ。だけども、ああいう音をさせることによって、客は本当のことを思い浮かべることになる。本当のそばの音を表現してもダメ。だから、
    嘘は本当、本当は嘘、それが客には面白いんだ。だけど、本当は本当だよ。』

  • 落語ファン、それも18年くらい前からの喬太郎ファンでもあるので、その立ち位置からするとどこを切っても面白い、密度100%、至高の一冊。喬太郎ファンではなく、その上、落語ファンでも無い人にとって面白いのかどうかは、全く分かりません。

    確か、「柳家さん喬(喬太郎の師匠)が、喬太郎を語る」みたいな内容と、「喬太郎が師匠であるさん喬について語る」みたいな内容、そしてふたりの対談、みたいな感じだったと思われます。

    いろいろが面白かったのですが、忘れられないのは、さん喬さんの言葉。喬太郎さんが弟子入りしてきて、「才能がある」と思ってはいたところ、信頼している仲間から、「お前ね、あの喬太郎ってのは、落語界にとって20年に1人、30年に1人、っていうレベルの才能だぜ」というようなことを言われたそうなんです。それからさん喬さんはどう感じてどうしたかというと、「とにかく自分のせいで喬太郎が開花できなかった、という事態だけは避けたい」という思い。言うべきときには意見をし、言うべきで無いと感じたときには放任放置しておく。そして、おそらく適宜にある種の愛情みたいなものは伝える。きっと落語家だろうがなんだろうが、そういうことに尽きるのでしょうが、この「自分が愛している落語界にとって、自分自身よりもよっぽど価値のある弟子を持ってしまった師匠」というドラマって、この本を読むまでは浮かんだことが無かった。面白い本です。そして、さん喬さんのことも喬太郎さんのことも、落語のことも、より愛おしくなります。 

    (読み終わってから相当に経過してから書いているので、記憶が間違っているかも知れません)

  • さん喬師匠も喬太郎師匠も好きで、なんて素敵な本なのだ!と読み始めたら、中身もとっても素敵でした。お2人の対談と、それぞれへのインタビューで、悩みながら、お互いを思いやり、尊重しながら、落語というものをつなげていこうという師匠方。師弟愛でもあり、落語愛でもあり、ますますお2人のファンになりました。

  • 大好きな落語家、柳家さん喬さん、柳家喬太郎さん の対談、インタビュー本。
    お二人の関係性が、非常に可愛らしい。素敵。
    破天荒に見えて、しかしとても繊細な喬太郎さんやら、懐の大きな大きなさん喬さん。お二人の落語が大好きで、表紙を見ただけでワクワクしちゃう本でした。
    欲を言えば、もう少し写真が多くても嬉しかったなぁ。
    寄席、行きたいなー。

  • この本を手に取った人の多くは
    柳家喬太郎はなぜ弟子を取らないのか??というところに
    引っかかっている人だと思う。

    それに関して言えば
    明確な答えとしては答えてないが
    一旦は垣間見えた。

    今日の柳家喬太郎があるのは
    さん喬師匠を枯らさないように、
    外圧からもしっかりと守り
    そばにいてあげたから

    肥やしを与える事は出来ないけど
    枯らさないように水は与え続けますよ。
    という師匠としての示し方は素晴らしい。

    柳家喬太郎が周りから
    20年に1人の逸材というのは
    入ってきた時にわかっていた。

    それをここまでやっても
    柳家喬太郎の師匠という評価しか受けない。
    私は??という熟知たる思いもある。

    師匠がこうしなさいというと
    弟子は逆らう事ができない
    それは封じ手になってしまう
    だからこそなるべく言わないで
    気づかせる
    そっち(間違った道)に行かせないようにする。

    今日で言えば
    喬太郎師匠が贔屓筋や一見の客に
    企画ものを提示されることが多い
    ただそれは消費されて終わってしまわないかと?
    心配している。
    師匠が付き合う相手を考えなさいというのは簡単。
    ただ喬太郎自身はそこから何か生まれるのを楽しみにもしている。のでダメと強固にいうのも、、、、


    最後にポツリと喬太郎師匠が
    さん喬のように私は師匠として出来ない
    大きく待ってあげるということが
    なので他の弟子の子でも何でも聞きにくれば教えますよ。
    流れの中の1つの師匠としてが
    柳家喬太郎かなと思ってますとおっしゃってて
    あぁそういう師匠として生きる覚悟をしたのだなーと
    少し儚くもあり
    ただそれは落語界としてみれば
    還元されてるわけで
    何とも。





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著者プロフィール

1948年、東京都墨田区本所生まれ。中央大学付属高等学校を卒業後、67年に5代目柳家小さんの23番目の弟子として入門。前座名は「小稲」。当初から端正で本寸法の落語家として頭角を現す。72年、二つ目に昇進し「さん喬」と改名、81年に真打昇進。2013年第63回芸術選奨文部科学大臣賞(大衆芸能部門)、14年第42回国際交流基金賞ほか、受賞多数。落語の海外普及に努め、16年には平成28年度文化庁文化交流使としてアメリカ、カナダを回った。17年、紫綬褒章受章。06年から落語協会常任理事を務める。

「2018年 『なぜ柳家さん喬は柳家喬太郎の師匠なのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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