一億円のさようなら (文芸書)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 494
レビュー : 84
  • Amazon.co.jp ・本 (541ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198646554

作品紹介・あらすじ

加能鉄平は妻・夏代の驚きの秘密を知る。今から30年前、夏代は伯母の巨額の遺産を相続、そしてそれは今日まで手つかずのまま無利息口座に預けられているというのだ。結婚して20年。なぜ妻はひた隠しにしていたのか。
そこから日常が静かに狂いはじめていく。もう誰も信じられない――。鉄平はひとつの決断をする。人生を取り戻すための大きな決断を。
夫婦とは?お金とは?仕事とは? 今を生き抜く大人達に贈る、極上の娯楽小説

感想・レビュー・書評

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  • 途中のストーリーはそこそこ面白いのだが、結末は意味無い。今までの苦悩はなんだったのか。その後が書かれていないので断言できないが、1億程度には負けなかった鉄平といえども、結局40億に抗うことは出来なかった、という人間の悲しさを書いたものなのだろうか?
    色々闇の心を持った幼馴染の代議士や美しい女将(この人も唐突に本性が明らかに・・・)、そして何より鉄平が、その闇を発露すること無く完結してしまったのも残念。
    鉄平の美貌の妻も良くわからない。長い話の中に出てくる、金沢の町や料理やベンツやらのくどい説明も必要性がわからない。様々に広がった末節の話も?
    だれることなく一気に読みきったのだから、つまらなくは無いのだが、この読みきった感の無さは何なのだろうか。
    やはり著者は、所詮人間なんぞ数十億円の前には、ひれ伏すだけの存在なのだと言いたかったのだろうか。

  • 結婚して20年の夫婦、鉄平と夏代。鉄平は夏代が叔母より巨額の遺産を結婚前より相続していたことを知る。さらに、息子と娘の交際についても夏代のみが知るのみ。会社内では抗争あり。鉄平は家族、会社誰も信じられなくなり、妻より渡された1億円で新たな人生を進むことに決めた。家族のことだけではなく、悪人が出てきたり、会社内抗争の話が出てきたり、新規事業の立ち上げ、盛りだくさんの内容。妻をはじめ裏切られたっていうのはわかりますけど、みんな好き勝手なことやってるなあって(結局夏代の手の内でしたって感じだし)。誰にも共感を得なかった。一億円を手にした男がどうするって気になったんだけれど、なんか現実離れしているというか、そんなうまくいくもんですかねえ〜、と。金沢の街については魅力的でした。

  • 読み応えたっぷりなんだけど、ずっと読み続けていたいような文章だった。

    急に親戚の遺産が入ってきたら人はどうするだろうか。
    大概の人は喜び好きな事に使うだろう。
    だけど主人公の妻(遺産をもらった本人)は無いものとして一切手をつけず夫にも内緒にしていた。
    ふいに弁護士の電話でそれを知る事になる主人公鉄平。
    それだけじゃなく、息子や娘の重大なる出来事を妻は一切言わず、会社も居心地がいい場所でなく、
    いろいろあったすえ1人金沢に旅立つ、というより勝手に引っ越す。
    どんどんなぞってしまうが、鉄平は金沢で事業を始め、いろんな人と出会い前に進んでいくんだけど、
    妻はじっと帰りを待っている。

    とにかく賢い妻、の一言。読み進めていくうちに最後は思っていた通りになった。
    巨額のお金があるって凄い。使うべきところで使う。
    たしかに妻にはかなわない。

  • 自分の好きなアイドルが実写ドラマに出るのをきっかけに読んでみた。

    本の中で出てくるお金の額が非現実的で取っ付きにくい部分もあったけど、感情を表す描写が具体的で分かり易かったのですいすい読めた。
    登場人物が多めで整理するのに苦労したが、それぞれの人となりやキャラクターが全部主人公の人生に影響していたので上手くできてるなと思った。

    でも、あれ?これで終わり?と感じてしまう終わり方だった。自分の理解力が原因なのかと思ったけど、他の人の感想を読む限り同じ思いをされてる方もたくさんいらっしゃるみたいなので、もうちょっと細かく主人公の感情移行の過程を書いて欲しかったな〜。それかどんでん返し欲しかったな〜。

    夏代さんみたいな一途な女性、すてき〜。

    それから、金沢、福岡と、それぞれの土地の具体的な地名が沢山出てきていたのでドラマでどれほど実現されているのか楽しみ。

  • 物語としては楽しめるが、無駄な描写が多い。主人公の家族観に共感する部分もあり入り込める。ラストがびっくり感もないし、主人公の心変わりする様の描き方が弱い。

  • 男からみても、男にとって都合の良い話だなぁと思う。おまえ人の金じゃん。

  • 書籍の厚さにめげそうになったけれど、楽しみながら読了。

  • 子育てをそろそろ終えそうな世代50代以降、ーー特に男性ーーには、共感を呼ぶ内容だろう。
    結婚前から妻が抱えていた秘密が判明、しかもそれは桁違いの遺産。なぜ今まで秘密にしていたのか、裏切られた気持ちになる。夫婦間の「信頼」というものにヒビが入ったと感じても仕方ないかもしれない。
    そこから始まった家族の崩壊と主人公の新たな旅立ち。重苦しい発端から話は始まるが、話はテンポよく展開していき、その後の展開はどのようになるのかと、ページをめくらずにはいられない作品になっている。
    私が女ということもあるかもしれないが、ある意味男性にとっての理想の展開で話は進んでいき、結末を迎える。
    子供が巣立った後、第二の人生の始まりでどのような一歩を踏み出すのか、またその時点で夫婦関係が変化していくということがわかる。大人の新たな人間関係もどのようなものか、過去と現在の人間関係が複雑に絡み合うのはこのような年齢以降の人たちだからと感じる。
    また「お金」というものが人間にどのように作用していくかということも考えさせられる。
    色々な要素を取り入れながら、一つの読み応えのある作品になっている。
    また、福岡と金沢を舞台にして「食」「お酒」等も細かい描写があり、食やお酒に興味がある人たちにも飽きさせない作品だ。

  • 20年一緒に暮らした妻が黙っていたもの。それを知ってから物語は動き出す。結婚、夫婦、家族、会社、仕事、お金。20年の夫婦生活は一体なんだったのか。そういった回顧だったりこの先の生きかた。夫婦としての生きかたと個人としての生きかたのズレ、大切なものへの想いのズレ。ひとつの出来事、言わずにいたことから起こる別々の道の選択。自分の思うように生きよう、新しいことを始めようとする主人公は身勝手かもわからないけれどその姿がなぜかいい。金沢の風景や街、人、美味しそうな食べ物のどれもがとても素敵。この先どうなるかわからない日々の中で、それでも案外楽しく生きていけるんじゃないかという気にさせてくれる。

  • 2020年10月から11月のNHK BSプレミアムのドラマの原作。ドラマの方は半分まで見てるけど、原作通りに後半進めるのは無理だよね。どうやってドラマは着地させるのかが楽しみ。
    原作の話に戻るが、結構ジェットコースターストーリー。最後の最後まで予想外だった。金沢の町に多少土地勘があるので、読んでて楽しい

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著者プロフィール

1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。出版社に勤務しながら、2000年に『一瞬の光』を刊行し、多方面で絶賛、鮮烈な作家デビューを果たす。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞、10年『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞。『不自由な心』『すぐそばの彼方』『私という運命について』『神秘』『愛なんて嘘』『ここは私たちのいない場所』『光のない海』『記憶の渚にて』『プラスチックの祈り』『君がいないと小説は書けない』など著作多数。

「2020年 『一億円のさようなら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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