愚か者の身分 (文芸書)

  • 徳間書店 (2019年9月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784198648961

作品紹介・あらすじ

第二回大藪春彦新人賞受賞作!


今野敏氏「秀逸なラスト」
馳星周氏「突き抜けた何か」


選考会にて両選考委員激賛!


戸籍ビジネスの闇に蠢く半グレを描いた
新時代のクライム群像劇!

================

身寄りなし。
身分証なし。
金なし。

そんな優良人物をSNSを駆使して
探し出すのがマモルの仕事だ。

狙うは戸籍。

女性を装い言葉巧みに
相手の個人情報を引き出して、
売買が成立すれば報酬をもらえる。

ある日、マモルは上司から
不可解な指示を受けた。


タクヤと距離を置け。


自分にこの仕事を紹介してくれた先輩に、
なにが起きたのか。
翌日、タクヤの部屋の掃除を命じられた
マモルが見たのは、
おびただしい数の血痕だった。
もう、タクヤはこの世にいない。
悲しみにくれるマモルに
一通のメールが届いた。

それは、タクヤからのメッセージだったーー。

===

【作者より】

受賞作の短篇に、その先の物語と背景を描いた
書下しの長篇です。

舞台は東京。

闇ビジネスを背景に、登場人物それぞれの
浅はかな「愚かさ」を書いてみました。
ある者は運命的に。
ある者はちょっとした弾みで、
意識のないまま犯罪に手を染めていきます。

そんな「愚か者たち」のお話です。

西尾潤

みんなの感想まとめ

テーマは、戸籍ビジネスの闇に巻き込まれる人々の姿を描いたクライム群像劇です。登場人物たちは、ちょっとしたきっかけで反社会的な世界に足を踏み入れ、運命を大きく変えてしまいます。彼らの選択は、ほんのわずか...

感想・レビュー・書評

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  • ちょっとしたきっかけで、半グレの世界に足を踏み入れてしまう人、戸籍を手放してしまう人など、一見遠い存在のようで、実は私たちのすぐ隣にいるかもしれない。
    本書には、そんな人々が描かれています。

    反社会的な組織を肯定する理由は、どこにもありません。
    けれど、誰しもが弱さを抱えて生きている中で、そんな世界に“関わる人”と“踏みとどまる人”の差は本当にわずかなものなのだと痛感させられます。
    踏みとどまるために必要なものは何なのか。
    読みながら、何度も自分に問いかけました。

    良心とは何か。その答えを探すように読み進めてしまう一冊でした。

  • 生きとった!
    死んだか思った。
    映画になってる事は知ってて、まだみてないので本から読もうと。
    想像したらめちゃ痛々しい、頭痛もする。
    頭痛は今日の雨のせい。
    続き読みたいが続きは図書館にはない。
    なぜ?
    マモルはどうなるんだろう、タクヤは助かるのか。気になる、どうしよう。
    途中、誰が誰かわからなくなったけど読めた。あと2千万はどうなる………

  • 映画を観てから、本を読んだら、映画では描ききれなかった登場人物、探偵の仲道や、江川の幼なじみ真貴が登場。騙される側の江川の絶望が辛いです。ほんと、江川のばかーーー
    せっかくタクヤが残してくれたお金を…
    探偵仲道の助手が、レベルAの時とCの時があるのは面白い。私も母業AモードCモード使い分けたい。

    たくや、梶谷、マモルは、悪の組織の人間だけど、悪になりきれない心もまだ持ってて。完全に悪の心に染まる前に引き返すべき!と思ってたら梶谷はギリギリのところで正義の心を取り戻した。

    真っ暗な世界で食べる味の煮付け。
    床に転がったおにぎりをこっそり拾って自分が食べる梶谷。
    悪い奴らだし、自業自得だし、救えないんだけど、でも優しい世界があってまだ諦めちゃいけないよって、言ってあげたくなる。

  • がっつり闇バイトの怖さを書いた小説だと思っていたけど「戸籍売買組織の下っ端」「下っ端を手伝う女」「戸籍を売った男」「売った男を探す探偵と幼馴染」「運び屋の男」のショートストーリーが繋がってる話しで裏社会の怖さはそこまで書いてはなかった。


    気になるのは真貴が全裸からどうやって生還したのか、マモルはどうなったのか…
    梶谷達はこれからどうなるのか…


    あと、中道がアイコに「家の前にいるかもしれません」みたいなラインしたやつ、アイコは廊下に飛び出したのに中道にはそれが見えてないっぽいのがすごいモヤモヤする。なんだったんだ?????

  • 戸籍ビジネスに手をそめる半グレたち。SNSよりふさわしい人を探し出し、巧みに近づき戸籍売買を成立させる。第2回大藪春彦新人賞受賞作とのことです。若い半グレたちの群像劇。
    一話一話主人公が変わり視点を変えて物語は進み、最後は全体的な結末となる。荒削りで少々浅い感はあるけれど、引き込まれて一気に読んでしまった、繋がりが、全体像が気になってね。最後は先行き明るく終わる、内容的にはいいんだけれど、うまく終わらせたかなあ(あっけなさを感じる)。哲学やら人間の優しさが出ているところが良いかなあ。次回作に期待を寄せる。

  • コーン、と衝撃を受けるような色鮮やかなシーンがいくもあった。
    特に魚を持ち出す一章のラストや、目をえぐられた彼が喋り出すところは、想像を超えてつきぬけていた。
    生魚という血生臭いモチーフがとても渋くて、この作品全体の必死に生きている人々にぴったりと合っているとも思った。

    最後まで読んだときに、カタルシスがある作品。

    映画も楽しみ。

  • 昨年の映画化により興味を持った作品。
    どうせなら読んでから観ようと。

    これタクヤが主人公なのかな?と思ってたら、クライム群像劇なのね。
    北村匠海さんと林裕太さんのキャラはすぐに分かったけど、綾野剛さんのキャラがどれなのか最後に出てきて納得。
    そこまでに出たキャラと映画のCMで観た綾野さんでは結びつかなかったから。

    櫛木理宇さんが好きなので、そこそこグロ耐性も付いたかと思ってたけど、タクヤの描写には怖気が立った。
    痛めつけられ方というより「その状態で生きてんの!?!?」の怖気。 
     
    闇移植っていうけどさ、無菌でもない普通の部屋で獲ってきたもん自分の身体に突っ込むの怖くない??
    と買い手の倫理観と恐怖心の無さも気持ち悪い。 
     


    明確な着地点のないラストで、各キャラクターの先が気になるから、先を読んでみたいなと思う作品でした。

  • 戸籍を売り買いする反グレ達の物語。
    最初の一章が2018年、第二回大藪春彦新人賞を受賞し、二章から五章は後から付け足されて1つの小説になっている。
    至る所にフラグがたっていて、最初はよくあるクズ達のどうしょうもない小説かと思って気分が悪かったけれど、後半になるにしたがってバラバラな人達が繋がってエンターテイメント性が強くなっていき、ワクワクしながら一気に読めた。
    お偉い方々が文章や構成について色々批評しているが、それに反して、とても読みやすいし、わかりやすい。しかも、登場人物がみんな魅力的で書き分けも十分だと思う。当然、突き抜けた疾走感と躍動感を感じられる。
    読後感も良く、結末は結構好き。

  • 最初の一篇だけ 賞に入選して
    後から他の章を考えたらしいが
    だとしたらよく出来てる
    驚いた
    むしろ上手く終わってた話を無理矢理
    痛みとともに広げたわけだから

    選評のごとく
    小説の体はなしていないが
    つき抜きた何がある
    それに引っ張られて最後までイッキ読み

  • 第2回大藪春彦新人賞受賞作。
    同賞は短編の章なので、受賞したのは1章の部分のみ。
    第2章~5章を大幅加筆されたのが本作になります。
     
    巻末に掲載されている馳星周さんらの選評を読むと、厳しい! のひと言なのですが、「本当にこれが新人の作品なの?」と疑いたくなるくらい完成度が高い作品と個人的には感じました。
     
    身寄りなし。写真付きIDなし。金なし。そんな優良人物をSNSを駆使して探し出すのがマモルの仕事だ。狙うは戸籍。
     
    戸籍の売買を商売にする闇組織。
    そんな仕事に携わるどうしようもない面々。
    半グレと呼ばれる世の中から隔絶された存在。
     
    しかし、そこはヒト。
    心の底から悪、なんてのはいないのかもしれない。
    主体として描かれなかった海塚や佐藤だって、本当は人間味のある奴かもしれない。
     
    暗い題材ながら、最後は清々しささえ覚えるラストは秀逸。
    西尾潤。
    この作者からしばらく目が離せないかも。

  • 映画を観てから読了。
    映画では描ききれていない人物の話を知れたし、逆に映画は人を絞って描かれていて、ここから映画を作った製作陣もすごいなと。
    普段生きていて関わることのない世界だからリアリティとかは全くわからないけど、こんな世界もあるんだろうなと思ってみた。それを知ることが大事な気はした。

  • いろいろムチャな設定があるなと思いました。

  • のめり込み一気に読み終わった。
    読んでいる間は面白かったが、後から思い出すとあれはどうなったんだ?と思うシーンがいくつかあった。

  • ☆2のような3のような感じの……
    結末はご自由に系

  • 図書館の司書さんのおススメで読みました!

    途中までは面白かったんだけども。ラストの回収が、、、イマイチ。
    これで終わりか、、、って感じではあったかな。
    なんともキレの悪いしまい方でした。

    どうやら、初めての著書だったみたいなので、これからは期待なのかな!!
    滑り出しはよかった!!
    楽しそうな予感はしてたし、割とするする読めたから、色々上手ではあるんだと思う!

    ラストまでもう少し綺麗に伏線回収して、できたらいい感じにスッキリさせて欲しいなぁ、、、、

    軽めに残便感の残るような印象で
    もう少し出そうなんだけどな。

    って気分にさせられました。

    笑。そんな気分。

    そう考えると。やっぱり宮部みゆきとか東野圭吾とか、北方謙三とかの大御所はすごいよなぁ。
    うまくまとめるもんなぁ。

    #初著書
    #司書さんおススメ
    #今後は期待できそう!
    #ラスト
    #もう少し
    #残便感あり
    #なんかなぁ、トイレから出られないような気分
    #スッキリ出ない
    #伏線の回収がイマイチ雑かなぁ
    #読みやすい
    #愚か者って初めて漢字で書いた
    #読めるけど書くことないよね

  • マモルへのメールのあたりから気になって一気読み。不幸な人が多い、でも最後うっすら救われるけど読後はどんより…怖い

  • 現代では、このような事も日本のどこかであるんじゃないかと思ってしまう内容。こわかったけど、あっという間に読み終えた。
    全てが単なるフィクションだと思い込みたい内容。

  • 登場人物の全てが主人公のように…。
    とても読みやすく、
    なお感慨深いストーリーでした。

  • 最後の救いがあって良かったよ。
    ネットカフェの話、リアルだったな。もう行きたくない…。

  • 話が重すぎずテンポもよかった。ちょっと時間感覚がわかりにくい箇所があったが
    それもあまり気にならなかった。

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著者プロフィール

大阪府生まれ。大阪市立工芸高等学校卒業。ヘアメイク・スタイリスト。2018年、第二回大藪春彦新人賞を受賞。2019年、受賞作を含む『愚か者の身分』(徳間書店)でデビュー。

「2021年 『マルチの子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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