日本全国地魚定食紀行 ひとり密かに焼きアナゴ、キンメの煮付け、サクラエビのかき揚げ...
- 徳間書店 (2021年3月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198652609
作品紹介・あらすじ
北は礼文島から南は波照間島まで、
日本全国の漁港を旅しながら味わった美味なる地魚定食
イラストレーターである著者が、北は礼文島から南は波照間島まで、日本全国の漁港を旅しながら味わった黒ハモ丼、ダダミ、サクラエビのかき揚げ、クジラのオバケにヒラスのカマ焼き、焼きワタリガニなど、とっておきの地魚料理を絵と文で紹介。おサカナファン必見の料理紀行。
<本文より抜粋>
寺泊港は日本海を航行する千石船の寄港地として賑わい、佐渡島と最短距離の港町ということもあって、古くから佐渡と本土を結ぶ拠点となっていた。
寺泊港の目と鼻の先となる『魚市場通り』に足を進め、その賑やかなる景観を楽しむ。訪れたのが平日の午後ということもあって、魚の市場通りはいささかの安らぎを見せていた。
「今焼き上がったばかりだよぉ~。今日は活きのいいサバにアコウ、クルマエビにツブガイなんかがオススメね」
浜焼きのたなびく煙と香りにいざなわれ、『金八』というお店の前でグリル越しに元気なオジサンの口上を聞く。早速大きな焼きサバを購入してがぶりとやったら、たっぷりの脂がじゅわっとお口に広がり、サバ特有の濃厚な旨みに酔いしれた。そしてぺろりと大きなサバを食い尽くしてしまった。
サバがうまかったので、すぐさまクルマエビにツブガイ、イカを注文。こちらも素晴らしい焼き上がりで、クルマエビを殻ごとバリバリとやったら、オジサンはニンマリとアイコンタクトを送ってくれた。食いっぷりを認めてくれたのだと、勝手に解釈して膨らんだ腹を撫でつつ金八の店内へ。
内容(抜粋)
最果ての港、稚内港でカニ丼を味わい、礼文島に渡り究極のウニ丼を食す
青函連絡船の青史を追懐しつついただいた、マグロ中落ち丼とメヌキの粕漬
風待ちの港にて、ヒラメを噛みしめ男鹿しょっつる焼きそばを流し込む
大河川最上川と日本海が育んだ酒田の味、ダダミとニジバイガイに恍惚とする
寺泊の浜焼きに、佐渡島のサザエの味噌焼き、ハチメのあんかけに昂ぶる
イワシ塩焼き、キンメの煮付け、生メバチマグロに喜々とする
マグロ問屋が気魂を込めた三崎マグロとじっくりと囲炉裏で焼いた焼き魚
駿河湾漁港定食ラリーにてサクラエビ、シラス、特上のサバ開きをいただく
日本海を渡り、隠岐島後でヘカ料理に舌鼓を打つ
深い味わいのたら汁に愕然とし、富山湾のフクラギに感涙す
焼きサバとへしこに古往今来の食文化を覚える
瀬戸内二大島を巡り、焼きアナゴとひしお丼を深く吟味す
これぞ地魚定食。ネギと唐辛子でいただくハマチと白ハゼの煮付け
とんねる横丁でヒラスのカマ塩焼き、たらカキ焼海道でワタリガニに血沸き肉躍る
宮古島で煮モズクに驚き、波照間島でカツオのハラゴの塩焼きにうっとり
感想・レビュー・書評
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お魚を食べて食べて食べ尽くした人の飯テロ紀行。魚の旬や魚どうしのちょっとした違い、その町の風まで感じられるとか書いてる間も私はお腹が空いたので私は来週島で魚を食ってやる。二重の意味でも三重の意味でも味のあるお魚イラスト付き。
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長く釣り雑誌などで地方の漁港食堂の食べ
歩きを連載している、うぬま氏。
ゆえに、観光地的な店ではなく、地元に根
付いた食堂を嗅ぎつけます。当然手頃な値
段であることが前提です。
刺身類ばかりではなく、焼き魚、煮魚、汁
物など多種多様であり、日本は本当に魚大
国なのだと再認識させられる一冊です。 -
魚愛に溢れた著者による全国の地魚料理を紹介した活動記。
書評をきっかけに購入。魚を通じて、各地方の食文化をイラストつきで知ることができるため、個人的に大変おすすめ。魚は港近くで地産地消することに限るのだと思う。