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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784198653170
作品紹介・あらすじ
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抜きたい!
斬りたい!!
殺したい!!!
時代小説史上、最凶最悪の殺人者あらわる!
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清水次郎長一家に突然やって来た
旅の博徒、皐月雨の晋八。
敵に囲まれた森の石松に
加勢したことがきっかけで、
一家に草鞋を脱ぐことになった。
大政に素性を問われても
笑顔でかわすばかりで謎は残る。
しかし、武闘派で鳴らした石松が
「強ぇ」と感嘆するほど、
とにかく腕が立つという。
折しも、次郎長一家は
甲州の卯吉一家と抗争の真っただ中。
即戦力として一家の客分となるが――。
無慈悲に血の雨を降らすこの男、
いったい何者なのか!?
みんなの感想まとめ
冷酷な殺人者が主人公の物語は、任侠の世界に新たな視点をもたらします。清水次郎長一家に加わる謎多き男、晋八は、強力な武闘派ながらも感情移入しづらいキャラクターです。彼の不気味な笑みと殺人への渇望は、読者...
感想・レビュー・書評
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江戸時代の清水の次郎長一家に喧嘩の助太刀成り行きで客人扱いとなるさみだれ事晋八を主軸とした話。。
矢野隆さんは、最近著名だがちょっと題材としては珍しい歴史小説に好感が持てるも本作はちとイマイチ。。
甲府でのいざこざで死に淵にあった石松を助け石松と一緒に清水に戻りその一件で命を狙われる事から次郎長夫婦、大政、小政、石松等と清水を離れ昔世話した久六等に裏切られ、名古屋の長兵衛宅に身を寄せる。次郎長の妻お蝶の具合が悪く何とか医者に診せるも亡くなる。数ヶ月後清水に戻った次郎長一家は、久六を殺めに出向き晋八が仕留める。その後、晋八は次郎長との盃を受け一家の一員となり、久六等は伊勢の大親分丹波屋伝兵衛に通じて一連の騒動は伝兵衛他の縄張り拡大に起因すると気づく。伝兵衛に通じる下田の赤鬼こと金平一家の殴り込みを躱すも晋八は金平を後一歩で逃げられる。その後、伝兵衛一家の刺客仙右衛門にフグ毒を盛られるも大事に至らず晋八は仙右衛門と共に伊勢の伝兵衛一家へ戻る事を諭される。その裏には晋八が伝兵衛の実子で且つ、仙右衛門は従兄弟で晋八が尽く伝兵衛の企みを潰す行いの報復で次郎長と伝兵衛の手打ち条件となっている事に晋八は気付き最後は、伊勢行きを断り仙右衛門を倒すも小政に殺される。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
任侠界のスーパースター、清水次郎長に材を取った長編。
だが、この小説、なんか変。
次郎長が、全然かっこ良くないのだ。
優柔不断で、喧嘩が嫌い。
これでよく子分がついてくるものだと訝しむレベルなのである。
それより何より視点人物の「晋八」。
森の石松の喧嘩に助っ人として加勢したことで、客文として次郎長一家に迎えられるのだが、この人物、とても共感できないのだ。
終始、不気味な笑みをたたえ、ただただ人を殺すことを渇望するのみ。
とても感情移入できる主人公ではない。
通常、小説の主人公というのは、どこかしら読者の共感を呼ぶ部分があるもの。
どんなに冷酷な人物でも、ある場面では情を見せたり、抜けているところがあったり。
翻って、晋八には「隙」というものが全くない。
ひたすら冷酷、非道、人間味というものが皆無なのである。
それどころか、物語が進むにつれ「一体、この男は何者なのだろう」と謎は深まるばかり。
途中、本筋とは無関係に見られるシーン(もちろん、晋八の生い立ちや来歴にからむのだろう)が何度も差しはさまれ、読者として晋八を心の底から毛嫌いしているのに、彼に対する興味は増す一方なのである。
こんなふうに主人公と向き合う小説って、任侠ものに限らずあまりない。
しかも、そうした手法がこの小説の魅力を極限まで引き出しているのだから、あっぱれというほかない。
最後まで楽しめた。
もっとも、ぼくがこの小説を最後まで楽しめたのは、清水次郎長が大好きだから。
広沢虎造の清水次郎長伝のCDを何枚も持っているし、次郎長の研究書も持っている。
どれも次郎長は男ぼれするカッコよさで描かれている。
それだけに、本作での情けない次郎長像は意外だったが、ヤクザの親分というのは案外、この手の人物も少なくないのかもしれない(余談だが、溝口敦のヤクザを題材にしたノンフィクションには責任逃れや事なかれ主義に走る親分が何人も出てくる)。
それも含めて、この任侠小説は全く新しい地平を切り開いている。
ぼくは満点。 -
ご存知、清水の次郎長が出てくる文章で読む迫力満点の殺陣の素晴らしい任侠時代劇を堪能しました。読んでいて手に汗握るシーンの連続に興奮してください。
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