「天皇」の原理

  • 徳間書店 (2023年3月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198655099

作品紹介・あらすじ

世界に比類のない日本の天皇はどのような原理によって存在してきたのか。神からのぞみの地を約束された民は世界でも日本人とユダヤ人だけ。ユダヤ教との比較に始まり、キリスト教、仏教、儒教、イスラム教といった世界宗教の根本理解から日本の天皇を位置づける。世界の奇跡ともいえる天皇の本質を碩学が徹底的に追究した本質の書。小室直樹氏の弟子でもある副島隆彦氏が解説と絶賛推薦!

みんなの感想まとめ

日本の天皇がどのようにしてその存在を確立し、歴史の中で復活を遂げてきたのかを深く探る本作は、天皇の神格化とその社会的役割に焦点を当てています。著者は、天皇の本質を理解するために、ユダヤ教やキリスト教、...

感想・レビュー・書評

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  • こりゃだめだ!
    タイトルと内容があっていないと思います。

    「天皇の原理」ということで、天皇論が語られるのかと思いきや、なんと、80%以上が、宗教論。
    それも、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教などなど!
    他宗教との対比で語ろうとしているのでしょうが、その宗教論にはついていけませんでした。

    大学の宗教論の講義をそのまま文章化したような記載内容で、レベルが高くてついていけない(笑)
    難しい...

    しかし、結局のところ、
    キリストの復活がキリスト教の根本となったことと同様に、天皇の復活(承久の乱からの復活)が日本の神としての「天皇の原理」になっていると理解しました。

    多分、あっていると思う(笑)

  • 日本人の信仰など大部分はご都合主義だという気がするが、戦前までの日本人は天皇を真に「現人神」と信じていたのだろうか。単にシンボルや大義名分として政治利用していただけではないのか。以前も何かのレビューで書いたが、明治維新以降の新政府は確実に天皇を利用してきたのであり、天皇は利用されたのだから戦争責任を問われないという道理ではないのか。

    明治期以降の国家神道体制のもとでは「天皇は天照大神の子孫であり、神性をもつ存在」という思想教育が全国民に浸透させられてきた。ただ、これは必ずしも「神を信じるような個人的信仰」ではなく、「国家の秩序と一体化した儀礼的信仰」であり、「制度化された権威への信服」であった。

    その中で、幕府に代わる正統性を確保するために「万世一系の天皇」が神話的・歴史的根拠としての大義名分、戦時には「天皇の軍隊」というプロパガンダに利用されてきた。これが受け入れた理由は、宗教的というよりも「共同体的・儀礼的な信念」だから。つまり、個人の内面で論理的に信じるというよりも、ある種の合意事項であった。

    小室直樹は、この天皇の存在を他の宗教との対比で解き明かそうとする。本書は天皇論よりも、こうした宗教比較論の割合が多い。いつもの小室直樹節だが、やや論理の荒さを感じるのは比較を並べるだけでは並べられない、別次元の独自性を追いきれないからだ、という気がする。

    ー 日本人とユダヤ人。世界で、この二つの民族にかぎって、神は理想的土地を与えたもうた。
    が、決定的なちがいは。日本は無条件。ユダヤは条件つき。

    神の全てを正しいとするか否か。信じる者、戒律を守るものを救おうとするか否か。こういう設定は人間たちへのプロンプトになり、神の原理は、信仰を通じて信者の原理になる。AIから暴力性を取り除く人類が、その神のプログラミングに暴力の物語を書き込んだことこそ、悲劇である。

  • マクニール『世界史』(上)でみた文明と宗教の広がりをながめ、次の図書はこちらにしようと積読から開放した。

    小室直樹の天皇の原理は、「世界に比類のない日本の天皇はいかにして日本の歴史を動かしてきたのか。」について世界宗教、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教、仏教、儒教と日本の宗教を比較しながら論じていく。

    半分すぎてもなかなか本題に辿りつかぬ。なんといっても日本が出てこない!いよいよ6章で日本について法の不在を説明し始めるが、ここでまた日本教の成り立ちを他宗教との比較で説明する。が、これらが壮大な前振りであったことに気付かされる。自分の見てきた浅い歴史を小室直樹の絢爛豪華な知識で紡ぎ直すとこんなに違った景色が見られるんだな。な。

    「天皇は神である」とする古代以来の天皇イデオロギーは承久の乱で死んだ。そして崎門の学を中心とする論争過程を通じて幕末に復活する。

    キリストが死から復活して真の人、真の神になったように。
    神が我々に平等か不平等か?なんて人間の基準で決めるのなんてちゃんちゃらおかしい。神の言う事は絶対。キリストの予定説について理解が深まってきた。統治者の思惑はわかったとして市民の生態はどうだったのだろうか。これらは民俗学とかでわかるのかな。また新たな欲がでてきた。

    高ければ高い壁のほうが登ったとき気持ちいいもんな。な。

  • 天皇は歴史の中で何度もその地位を失いながらも、明治維新や昭和の敗戦後に復活を遂げ、現在に至るまで存続している。この過程で天皇は神格化され、日本の象徴としての地位を確立した。
    天皇は古代から現代に至るまで、何度もその地位を失いながらも復活を遂げてきた。特に明治維新や第二次世界大戦後の復活は奇蹟である。日本人にとって、天皇は現人神であり。誇りである。本書は天皇の原理を知る上で必読書となること間違いない。

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著者プロフィール

1932年、東京生まれ。京都大学理学部数学科卒。大阪大学大学院経済学研究科中退、東京大学大学院法学政治学研究科修了。マサチューセッツ工科大学、ミシガン大学、ハーバード大学に留学。1972年、東京大学から法学博士号を授与される。2010年没。著書は『ソビエト帝国の崩壊』『韓国の悲劇』『日本人のための経済原論』『日本人のための宗教原論』『戦争と国際法を知らない日本人へ』他多数。渡部昇一氏との共著に『自ら国を潰すのか』『封印の昭和史』がある。

「2023年 『「天皇」の原理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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