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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198655860

作品紹介・あらすじ

「これは『ナウシカ』の世界を旅する中で、すでに体験したことだ」
コロナウイルス、ウクライナ侵攻、AI問題、気候変動……混迷する現代社会を私たちはどう生きるのか。

朝日新聞デジタルにて、2021年3月に第1シーズン、5月に第2シーズンを配信し、読者から大きな反響を呼んだ「コロナ下で読み解く風の谷のナウシカ」。2022年12月に掲載された最新の第3シーズンを加え、すべてのインタビューをまとめて刊行!
コロナウイルスをはじめ、ロシアのウクライナ侵攻、AI問題、ますます激化する気候変動など、混迷化が加速する現代社会を「人類が方向を転換せず、破滅を経験してしまった」仮想の未来を舞台にした宮﨑駿監督の長編漫画『風の谷のナウシカ』を通して連関的に考える。

【収録著者】民俗学者・赤坂憲雄/俳優・杏/社会哲学者・稲葉振一郎/現代史家・大木毅/社会学者・大澤真幸/漫画家・大童澄瞳/映像研究家・叶精二/作家・川上弘美/軍事アナリスト・小泉悠/英文学者・河野真太郎/ロシア文学者・佐藤雄亮/漫画研究者・杉本バウエンス・ジェシカ/文筆家・鈴木涼美/スタジオジブリプロデューサー・鈴木敏夫/漫画家・竹宮惠子/生物学者・長沼毅/生物学者・福岡伸一/評論家・宮崎哲弥(五十音順、敬称略)

感想・レビュー・書評

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  • 「風の谷のナウシカ」を通して“危機の時代”を読み解く、竹宮惠子・大童澄瞳ら参加 - コミックナタリー
    https://amp.natalie.mu/comic/news/511341

    危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』 - 徳間書店
    https://www.tokuma.jp/smp/book/b620554.html

  • いかに漫画版「ナウシカ」が奥深い作品かという事を様々な方が語っています。
    この本を読んでいる最中は常に、「ナウシカ」を読み返したくなってしまいます。その欲求に抗いつつなんとか読み終えました。
    …さて、漫画版「ナウシカ」を出してきますか!

  • 赤坂憲雄『ナウシカ考』を読んだのが2019年。
    まさかの、宮崎駿と鈴木敏夫がこの本を読んでいて、「こんなこと考えて描いていない」「けれども、この本はおもしろい」と感想を述べている。

    漫画版ナウシカが取り上げられるのは、扱っているテーマと今の状況に重なりがあるから。
    でもって、ナウシカが行った最後の選択が、サラッと読むだけでは「よく分からない」からかもしれない。

    「人類全体にとって重要な決断を、ナウシカ一人の直感で決めてしまってよいのか。」と長沼毅は語っている。
    「シュワの墓所の科学力をうまく活用して、人間にとって劣悪な環境を改善し、人間性を向上させていくという物語の展開だったらよかったのに」と。

    でも、私は、ナウシカは「直観」的に、それを選択してはいけないと分かったのではないかと、思っている。

    川上弘美の「『人類が人類として精いっぱい生きる』ということと、『人類がいつかは滅びる』ということ」の両立を述べているように。

    カタストロフィ後の世界を扱った物語として、パッと頭に浮かんだのは、ニアサー後のエヴァの世界、つまり第三村だった。
    文明が後退し、限られた資源を共有しながら、脆弱な人間たちは生きている。

    第三村が「シュワの墓所の超科学力」によって救われる結末は、やっぱり相応しくないと思う。

    インタビュアーは敢えて、現実世界には「生命を操る技術」(たとえばワクチン)が必要とされていることを、何度も問いかける。
    今の我々にはまだナウシカ的解答が出来なくとも、逆説的に?ナウシカが出した答えは、一つの古典に昇華したのだと思う。

  • 私のナウシカとの出会いは、映画だった。

    その物語は少女が自然と共に生き、欲しがりすぎるわけじゃなく、自然に生きることの当たり前さがよかった。

    数年前に、劇場で上映した。ナウシカともののけ姫を見に行った。ナウシカで大人として信じられないぐらい泣いた。悲しいのでも嬉しいのでもない。愛や慈悲や無垢なるものへの憐憫みたいなものだったのか。

    漫画のナウシカも見つけては、買って読み、発売の間隔が空いているため、重複して買ってしまったりしては、読んでいた。

    コロナの始まりの頃、福島の温泉ドミトリーに泊まりにいった。そこの本棚にナウシカ全巻が揃ってた。気軽な気持ちで読み始めたら、止まらなくて。持っていった赤ワインのボトルを1人で開けてしまうまで(ん?)飲みながら読んだ。泣きながら。

    それぐらい、ナウシカとは人生の中で、時々深く関わる。もちろん、今はウチにナウシカの漫画全巻を揃えてある。この後読む。絶対に。

    清濁併せ持った、人間というものを、これだけ受け止めて、そのものであることを受け入れる。ナウシカの「母性」と呼ばれるところだろう。

    この本の中で、ナウシカのことをこれでもかというほどのすごい人たちが考察する。 

    俳優、映像研究家、軍事アナリスト、作家、生物学者、漫画家、文筆家、英文学者、漫画研究者、現代史家、評論家、社会哲学者、民俗学者、ロシア文学者、社会学者。

    読む人が、考えさせられる。素通りはしにくい。なんなら、途中で読むのを止めた人もいる。そんな読みにくい漫画だからこそ、たくさんの人が読んで、あれこれ考察したくなる。

    コロナウィルス、ウクライナ侵攻、気候変動、こんな時代だからこそ、ナウシカのような芯を、持ちたい。

  • 漫画版ナウシカが好きなので読んでみた。いろいろな視点からの考察が読めてそれなりに面白かった。
    ナウシカ本筋とはあまり関係ないが、以下の文章が心に響いたのでメモ・
    「あらゆる自然現象は時間が経過するにつれて、坂を下るように秩序が崩壊し、乱雑さ、混沌さへと向かっていく。なぜ、生命だけがこれに抗して、動的平衡という秩序を維持し、坂をのぼろうとしているようにみえるのか。
    それは、自然による秩序の崩壊を先取りするように、生命が自らの身体組織を率先して「分解」しているからです。しかも「分解」する速度の方が「合成」する速度よりもわずかに速いから、坂をのぼる力を得られる。総合的にみれば、生命は「自らを少しずつ壊すことで、坂をのぼろうとする力を得ている存在」ということになる。自分で自分を壊していく過程が「老化」であり、最終的に自分がなくなってしまう「死」は避けられません。」

  • この本を読むにあたって、「ナウシカ」ざっと読み返した。
    なるほどと思えることも、飛躍しすぎではと思うこともあったんだけれど、いろいろと考察出来る、してしまうことがこの作品「ナウシカ」の一番の魅力ではないかと思う。
    読み終えたあと、再び「ナウシカ」を読まねば、という気になった。

  • 教養がないと読み切れない対談集、難しい内容だと感じる本だった。これほどの知識人、文化人がその立場や専門分野から様々な考察がされる。宮崎駿作品ならではのことだろうと思う。それこそ20年以上前に、ナウシカの漫画本を途中までだか、読んだ記憶はあるのだが、自説を語れるほどの読者ではないので、偉そうなことは何も言えない立場ではある。

  • 何年も前に読んだナウシカをまた読みたくなったきっかけだった。
    こんなに深い視点がいっぱい詰まった作品だったとは思わなかった。当時読んだ時は20代前半でまだ世の中の現実や厳しさなどほとんど知らない世界で過ごしていたためか、ほとんど心に残っていなかった。というよりも理解できていなかったのだと思う。
    もう一度ナウシカを読み始めて、同時にこの本も読んでたくさんの人の考察を見ると、全然見える世界が変わった。
    本書の誰かも書かれていたけれど、過去に読んだ時と別にもう一度読み直すと見える世界が違う。まさに自分もそうだった。

  • 漫画版ナウシカは本当に深い傑作だ。
    この漫画について、様々な人がその想いを熱く語る本。
    もちろんアニメ版もあの音楽(細野さんのではなく)や映像も秀逸ではあるが、なにせ序盤のみである。
    アニメは見たが、漫画全巻を未読の人にはまず最終巻の7巻をいきなり読んでしまうのも良いとのこと。アニメを見ていれば予備知識は有るので問題ないようだ。庵野秀明も特に7巻を映像化したいと語っていたらしい。
    是非シン・ナウシカの制作をお願い致したい。

  • 心情をセリフで表す鬼滅の刃とそれらを絵で表すナウシカ。この間が漫画。

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著者プロフィール

2005年朝日新聞社入社。総合プロデュース室・メディアディレクター。
週刊朝日記者として教育系記事等の執筆を担当した後、データ ベース事業部でデジタル商品企画開発に従事する。その後、新規事業部門「メディアラボ」で子ども向け教育サービス「朝日こどもニュース」を立ち上げた。
朝日新聞社のグループ企業との連携によって、新聞業にこだわらない子ども向けサービス開発を担当している。
『はじめての論理国語』シリーズの制作に携わりながら、多数の子ども向けワークショップ講師を務める。


「2017年 『これからの論理国語 小1~小2レベル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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