アンサンブル

  • 徳間書店 (2023年12月1日発売)
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本 ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784198657178

作品紹介・あらすじ

童謡「シャボン玉」発表から100年。
国民的作曲家・中山晋平
知られざる波乱の人生。

「日本ならではの
新しい音楽をこしらえたい」

何者でもなかった青年は
なぜ名曲を生み出すことができたのか。

【著者からのコメント】
島村抱月の出身地、島根県浜田市は、
私の故郷でもあります。人気女優、松井須磨子と
スキャンダルを起こして恋愛に走り、
大学教授の地位も家庭も捨てて
一座の興行主に成り下がった男、島村抱月。
郷土の偉人といえばかならず名が挙げられるのに、
そのじつ侮蔑と揶揄をもって人物が語られる。
子供ながらに、疑問に思っていました。
ほんとうに、スキャンダラスなだけの人物だったのか。
ほんとうは、何をしたかったのか。
彼の書生、中山晋平の視点を借りて抱月の真の姿に
迫ろうと試みたのが、本書『アンサンブル』です。

――日本に新しい演劇を!
 高い理念を掲げる師、抱月に出会い、
長野から上京した晋平の人生が動き始めます。
――日本に新しい音楽を!
 家庭の安定、仕事、進むべき道、創作、恋。
 もがき、迷い、悩んだ末に
 彼らがたどり着いた境地とは……。
 ぜひ、本書をお手に取っていただけると嬉しいです。


【あらすじ】
18歳で長野から出てきた中山晋平は、
島村家の書生として「早稲田文学」の
編輯補佐をしていた。しかし、師の抱月や
編輯部員たちの文学談義はちんぷんかんぷん。
知識も才能もない晋平は、
どこか居心地の悪さを感じている。
俳優養成所の設立、海外作品の翻訳・演出から
新劇の発展に情熱を燃やす抱月に接するうち、
晋平の心中に表現への希求が芽生えてきた。
「カチューシャの唄」「ゴンドラの唄」
「てるてる坊主」
100年経った今なお歌い継がれる名曲に
秘められた想いとは。

「この信念は理屈じゃない」
師を信じ、大衆の音楽を作り続けた
音楽家人生の幕があがる。

感想・レビュー・書評

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  • 歴史の勉強になる

  • 少し前に、他の作家さんが別の角度から同じ時代を書いた小説を読んでいたので新鮮でした。

  • 中山晋平の物語というより彼から見た島村抱月である。妻と松井須磨子の間で揺れる心情と芝居への熱き想い、そして唐突な死。芸術は大衆の物であるという理念を中山晋平も抱月から受け継いで、曲作りをしたというのが肝かなぁ。

  •  明治〜昭和まで 内容に興味があります。時が時代を作り、時代が人をる❢ 面白いです。

  • 中山晋平が主人公のわりには、
    描かれ方が薄いなあと思っていたが、
    この話は、中山晋平の話でははなく、
    中山晋平の目を借りて、
    島村抱月を描いた話だと思えば、すっきり納得。

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著者プロフィール

1971年、島根県生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、会社勤務を経て、2003(平成15)年「七転び」で第83回オール讀物新人賞を受賞。2013年『春はそこまで 風待ち小路の人々』が第148回直木三十五賞候補に。清廉な人物描写、江戸の気配を情感豊かに伝える文章に定評がある。その他の著書に『手のひら、ひらひら 江戸吉原七色彩』『煌』『花鳥茶屋せせらぎ』『ご縁の糸 芽吹長屋仕合せ帖』がある。

「2022年 『かんばん娘 居酒屋ともえ繁盛記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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