YUKARI

  • 徳間書店 (2024年2月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (144ページ) / ISBN・EAN: 9784198657598

作品紹介・あらすじ

『ギフテッド』『トラディション』著者が描く、『源氏物語』を題材とした歌舞伎町文学の新境地。



三浦瑠麗氏推薦「与えたい女、奪う男――「多情」の心の裡がみごとに綴られている。」

【あらすじ】
婚約者との結婚を控え、何の不自由もなく暮らしていた紫。あるダンサーとの過ちを機に、高校時代に惹かれた柿本先生に手紙を出すことに。そこで綴られるのは、幾度となく先生が話してくれた『源氏物語』のことだったーー。


【本文より】
私はどれか一人の女ではない、また私と同じ店で働いてきた四十も五十もいる女たちがそれぞれいずれかの女性像に似ているのではないのです。お客が次々に女を変えて、多様な女たちが彼の夜の生活を彩るわけではない、私たちは一人であるのです。

【目次】
■一の手紙 浅茅が露にかかるささがに
■二の手紙 山の端の心も知らで行く月は
■三の手紙 波路へだつる夜の衣を
■四の手紙 嘆きわび空に乱るるわが魂を
■五の手紙 今はかひなき恨みだにせじ
■六の手紙 風に乱るゝ萩の上露
■七の手紙 草の原をば問はじとや思ふ

感想・レビュー・書評

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  • 夫と出会い、ようやく幸せを手に入れられたのに、夜の世界や学生時代に恋をした先生が忘れられず、手紙を出す女。自分を保つために男に媚びを売って、近況と、相手を慮る言葉を投げかけるところが、キャバクラに居そうな女という印象を受けた。かつて恋をした先生に妻がいると知りながら、手紙を出す神経がよく分からず、液体をかけられるのもまぁ、自業自得だろうなといったところ。夜の世界は、お金で動いているということがよく分かった。人間の心理を上手く利用し、大金を注ぎ込ませており、楽しむつもりが、楽しまされているという怖い世界だと思った。コンカフェに興味を持ったことがあるが、アイドルのように、20代前半までしかちやほやしてもらえず、あとは萎れていく。女が消費される世界なんて足を踏み入れたら簡単に抜け出せないことも含め、どす黒い世界だと思った。あの時、1番貴女を想っていたと言いながら、複数の男性に内容の異なる手紙を送っているところが、結婚詐欺師のようで小賢しく、人の心を化かす狐のような女だと思った。

  • 相手によって自分を都合よく変える独白型の手紙を通して、自身の生き方が正しかったと確認しているのかなぁ、という印象。女のズルい所も伝わるが、ポエミーなので自分に酔ってる感じ。まあ、ここで感想書いてる内に上手く書こうとしてる私も変わらんけど。しかし美人でも若くもない主婦の私が1番共感できたのは薬品かけた奥さんだったのであった。

  • 歌舞伎町でキャバ嬢をしていた、そして間もなく結婚によって水揚げされる思しき女性による、書簡体小説。相手からの返事などはなく、ただ彼女から一方的に複数の男性に宛てられているのが斬新で、私はけっこうこの主人公が好きかもしれない。
    源氏物語がテーマでもあるようで、各手紙の冒頭には源氏物語の和歌が配されているのだが、ストーリーそのものに絡んでいるわけではないみたい。ただ、こんなふうに多情で気まぐれで思わせぶりで適度にポエミーな様子の人は、いつの時代にもいるのだなと思った。

  • 女はみんな女優(宇多田ヒカル)
    女の子は誰でも 魔法使いに向いてる(椎名林檎)

  • 今までの鈴木涼美さんの本では一番読みやすかった。

    ジンくんのことを一番好きなようで、本当は先生に一番気持ちを持って行かれているのかも、と感じた。

    正博さんへの手紙は、取り繕いと嘘ばかりに思える。
    これ、一番最初が正博さんでその後に先生だったらもっと「え?」と思えて楽しかったかも。

    夜の世界の人たちにハマる人たちへ、あなたたちはこんな愚かな者たちに弄ばれているのですよ、というメッセージのようにも感じた。

  • こんな手紙送られてきたら男は恐怖だろうな。ざーっと斜め読み。

  • 書評はブログに書きました。
    https://dark-pla.net/?p=4798

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著者プロフィール

鈴木涼美

作家。1983年東京都生まれ。慶應大環境情報学部在学中にAVデビュー。その後はキャバクラなどに勤務しながら東大大学院社会情報学修士課程修了。修士論文は後に『「AV女優」の社会学』として書籍化。日本経済新聞社記者を経てフリーの文筆業に。書評・映画評から恋愛エッセイまで幅広く執筆。著書に『身体を売ったらサヨウナラ』『可愛くってずるくっていじわるな妹になりたい』『ニッポンのおじさん』『JJとその時代』、『往復書簡 限界から始まる』(上野千鶴子氏との共著)など。

「2022年 『娼婦の本棚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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