秘色の契り 阿波宝暦明和の変 顛末譚

  • 徳間書店 (2024年11月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (392ページ) / ISBN・EAN: 9784198659059

作品紹介・あらすじ

『秘色の契り 阿波宝暦明和の変 顛末譚』著者の言葉 木下昌輝

江戸時代、こんなにややこしい殿様は他にいなかったかもしれない。
小藩から25万石の大藩に養子入りし、苛烈な藩政改革に取り組んだ。
誰にも負けぬ弁舌と知識、厳しい倹約令と公共投資の両立、当時の身分制度を破壊する新法、そして、どこにもない市を生み出そうとしたが……
蜂須賀重喜という男が愚者なのか賢者なのか、勝者なのか敗者なのか。
皆様の目で確かめてください。
**********************

三十万両もの巨額の借財を抱える徳島藩。藩政改革を担ったのは、型破りな人物だった。
気鋭の作家・木下昌輝が、現代にも通じる政治改革と、経済立て直しを目指す藩主と家臣団の奮闘を描く。
阿波には特産の藍があった。
江戸時代中期の宝歴3年(1753年)から、明和6年(1769年)に起こった徳島県蜂須賀藩のお家騒動の真相とは…。

徳島藩蜂須賀家の物頭、柏木忠兵衛は新藩主候補・佐竹岩五郎との面会のため、江戸に急いだ。藩の財政はひっ迫している。
新たなまとめ役が必要だった。しかし――。
「政(まつりごと)には興味なし」
新藩主となった岩五郎改め、第十第藩主・蜂須賀重喜はそう言い放つ!
家老たちの専横に抗して、藩主の直仕置(直政治)による藩政改革をめざす忠兵衛ら中堅家臣団。
対立が激化するなか、新藩主が打ち出した驚きの改革案とは!?
そして、徳島藩を狙う大がかりな陰謀とは……。
「殿と一緒にやりたいのです!」

アクション&サスペンス満載、著者渾身の痛快歴史エンタテイメント長編! 

徳島藩を二分する家臣団の対立が勃発する。
新藩主として第十代藩主・蜂須賀重喜を迎え、気鋭の中老たちは、藩政改革と藍玉の流通を取り戻そうと闘い始めた…。
ところが、新藩主はあまりにも斬新な改革案を打ち出した!
特産品の「藍」は借財に苦しむ藩を救うのか?

「改革で大切なのは、人の心を変えること!」

みんなの感想まとめ

江戸時代の徳島藩を舞台に、財政難に苦しむ藩主と家臣たちの改革の奮闘を描いた物語が展開されます。新藩主・蜂須賀重喜は、型破りな改革案を次々と打ち出し、家老たちとの対立が激化。若手藩士たちが結束し、藩を救...

感想・レビュー・書評

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  • 史実に基づいた時代小説。30万両の借金を抱えた徳島藩。頑迷な5人の家老達と中堅若手4名の若手藩士が藩の運営で対立する。4名の固い約束が「秘色の契り」となり、これが他藩より養子に入った殿様にまで繋がる。この殿様が問題児で賢いのか馬鹿なのか、味方なのか敵なのかハッキリしない。やっと若手と動き始めたら、皆んなが反対する策を唐突に推し進める。
    強引な計略で5人の家老を没落させて、若手を家老にする。ここまでは良いのだが、突然、謎の集団が現れてきたり、また反対された策を推し進めようとする。
    最後は信頼で結ばれた4人にもヒビが入る。改革が実を結ぶのは100年後とか。途中からスッキリしない展開に気が重くなってくる。史実とは言え、もっと明るい結末は無かったのだろうか?

  • 3.8

    副題「阿波宝暦明和の変 顚末譚」。養子として迎えた異色の藩主重喜を支えて藩政改革に邁進する4人の若侍。時代小説&経済小説。直木賞候補(2024下半期)
    直木賞候補と聞いて図書館予約しましたが、表紙を見てビックリ。御家騒動を扱った時代劇を観ているようでした。読了感は、まぁ良かったです。

  • 財政難の徳島藩を救うべく、改革を進める新藩主の重喜。
    途中、家臣の誰が敵か味方か入り乱れてわからなくなってしまったり、重喜が多くの人が反対する政策を打ち出したり…と、なかなか荒れた展開だなと思いながら読んだ。
    でも、史実に基づいた小説だということで調べてみると、内容とほぼ一致している。
    江戸時代って実際にこんな感じだったの?と改めて驚いてしまった。
    急展開に戸惑いつつもテンポよく物語が進んでいくので、どっぷり浸かりながら読んだ。

  • 徳島藩の藩政改革のお話。
    知らない登場人物ばかり、藩政についての議論が少なくないにも関わらず、わかりやすく難しくなかった。
    手に汗握る展開があったり、武士それぞれの矜持や絆があり、とてもおもしろかった。
    江戸時代の価値観が、旧規こそが正しく、前例のないことは「新規」とみなされ先祖に顔向できない行為とされるのには驚くし呆れる。
    思わず、古すぎる!とこの歴史小説に言いたくなる。
    改革がどんなに大変なことだったかを感じた。
    誰の心も縛らない、蜂須賀重喜がかっこよかった。

    星4.5

  • 歴史小説は苦手なのですが、こちらの小説は前のめりで読みました。
    登場人物の描き方がストレートだからかもしれません。

    正しい人間は最後まで正しく。
    悪い人間は最後まで悪く。

    人の立場があっちに行ったり、こっちに行ったり、と変わらないからかもしれません。

    それにしても、旧体制を新体制に変えるのは、本当に難しいですね。

    旧体制で得をしていた人間がそれなりの地位についている事が多いので、そう簡単には変わらないんですよね。

    そんな旧体制に立ち向かうためには、カリスマ性のあるリーダーとその部下たちが一丸となる必要があります。

    私は、この本を読んで、リーダーに必要な要素を学びました。

    ・人を信じる忍耐力

    ・人を巻き込む力

    ・人を動かすカリスマ性

    それらに「運」がプラスされた時、「一丸」が生まれ、実力以上の力が出せる組織が生まれるのでは?と感じました。

    この小説に出てくる重善ら新組織は、かなりいい線いってるんですけどね。
    重善はいかんせん短期なもので。
    自分が実行したいと思った施策をすぐに導入しようとするんだな。
    合理的に正しいものでも、人の心とはそう単純なものではないのですよね。
    人の心を動かしてこそ、導入した施策が活きる。
    重善もそのことは学んだと思うのですが、最後の最後に我が出てしまいましたね。

    ラストも非常に現実味のある感じで、面白く読ませていただきました。

    歴史ものが苦手な方でも、サラリーマン小説のような感じで読めるストーリーとなっております。爽快感がある!

    明日も頑張ろう!

  • 途中、緊張が走ってからはもう止まりません。なんだこれは。ずっと緊張したまま読み続けないといけない。またまた当直明け一気読みの作品でした。

  • ようやく、、
    面白かった。若くて熱いわ。
    個人的に徳島というと、若い頃は毎年何度か遊びにいったりして、
    和歌山と文化やら味付けやら、妙に似ているところもあって、
    勝手に親近感を抱いてます。
    あと、蜂須賀氏というと、鳥屋的には蜂須賀正さんが
    すぐに頭に出てきます、ドードーの研究者。
    藍産業も有名ですよねぇ。
    重喜のころに日本国内の藍をほぼ独占してたとか
    習った記憶があったんだが、
    吉川本とか読んだ記憶が、、
    なんか、田沼意次っぽい重喜だったような、、内容がおぼろげだが。
    ともかく、本作
    大変軽く読みやすく、テンポもいいし
    ほんとのところはともかく、
    重喜像としてはするりとはいってきた。
    まあ、老害とか凝り固まった組織VS若く新しい波
    テンプレとはいえ、テッパンですな。

  • これほど面白いとは思ってなかったが直木賞候補作だったと知り納得した。徳島藩の改革に奮闘する若い武士たちのそれぞれの思いや奮闘ぶりに惹きつけられた。他家から迎えた藩主の頭の良さにも敬服した。
    長い年月を要する努力がどう実を結んだのか、史実に基づく小説らしいからいつか調べてみよう。

  • 第172回直木賞候補。

    借財に悩む阿波の国で末期養子で藩主となった蜂須賀重喜と彼を支える若い(身分の低い)藩士たちの奮闘を描いた時代小説です。

    藩政を憂う主人公たちは、既得権益を守ろうとする家老たちと対立し、新たな「名君」を求めて重喜を藩主として迎え入れます。
    藩内の反発を受けながら、少しずつ改革を進めてゆく様子や、藩内外の反対勢力に一つずつ打ち勝ってゆく過程は見ごたえがありますし、韓国ドラマを見ているようなワクワク感もあります。
    お互いに策をぶつけ合う頭脳戦や経済をめぐる対立は「半沢直樹」シリーズを彷彿とさせるでしょうか。

    「誰の味方か」という旧来の武士らしい考え方から離れて、藩主と家臣の対立の間で自分の歩む道を迷う忠兵衛の姿と彼の決断は、何が正しいのかを自分なりに考え、時間をかけてもそれをやり遂げようと努力することの大切さを改めて感じさせてくれるものだと思います。

    登場人物全員が歓喜するハッピーエンドとはなりませんでしたが、読後感の清々しい小説でした。

  • 徳島藩の藩主となった蜂須賀重喜は明君か暗君なのか。その政治手腕はいかに評価されるのか。歴史が評価するのだろうが、政治を動かしている当時の当事者は何が正解なのか模索しながら政を進める。政治改革が必要なのはみんが分かっているが、何をやろうとしても必ず反対する人も出てくるのは現代と変わらない。100年先を考えて重喜と柏木忠兵衛は藍で染めた手拭いで誓いを結ぶ。政敵との謀略が飛び交うところ、やり遂げる姿は爽快だ。時代小説だが現代小説のようにも読める。それだけ人間のやることの本質は変わってないのだなあと改めて思った。

  • ●読前#秘色の契り
    歴史小説は、登場人物が多かったり名前が覚えづらかったりで没入できないことが多く、相性が悪いジャンル。本作は普段ならスルーだが、芥川&直木賞候補作は思い込みは捨てて手にすると決めている。結果はどうであれまずは読んでみる
    https://mnkt.jp/blogm/b241101a/

    ●読後#秘色の契り
    苦手意識のある歴史小説なのでおそらく途中で断念、と思っていたが間違いで、先の展開が気になりすぎてのまさかの一気読み。ページ初めにあるイラストの登場人物表のおかげで展開をちゃんと理解することができ、没入できて楽しめた
    https://mnkt.jp/blogm/b241101a/

  • 久しぶりに手に取った木下昌輝さんの直近作。スピード感があり、頁を捲るたびに誰が味方で誰が手を翻すかわからない展開に、読みながら胸躍りました。

    舞台は徳島蜂須賀藩。美味しい食べ物と渦潮観光で何度か旅行したことがあるのだけれど、こんな歴史があったことを初めて知りました。

    登場人物は多めですが、巻頭にイラスト入りの簡単な説明があり助かります。

    同じ思いを持っているようでいて、人は受け入れらることと相容れないことの微妙な違いを持ちながら、同じ社会で生きていることを感じます。

    当初掴みどころのないように思われる佐竹藩の血を引く10代藩主 蜂須賀重喜の本懐が様々な出来事を経て、次第に露わになっていく展開にどんどん引き込まれました。

    また一見悪者のように描かれていながら、深い部分でこの国の行く先を案じていた商人の金蔵の存在もぴりりと効いていると感じました。

  • 藩政改革を行う難しさ、、、蜂須賀の、政に興味なしの言葉に驚く。

  • Amazonの紹介より
    三十万両もの巨額の借財を抱える徳島藩。藩政改革を担ったのは、型破りな人物だった。気鋭の作家・木下昌輝が、現代にも通じる政治改革と、経済立て直しを目指す藩主と家臣団の奮闘を描く。阿波には特産の藍があった。江戸時代中期の宝歴3年(1753年)から、明和6年(1769年)に起こった徳島県蜂須賀藩のお家騒動の真相とは…。
    徳島藩蜂須賀家の物頭、柏木忠兵衛は新藩主候補・佐竹岩五郎との面会のため、江戸に急いだ。藩の財政はひっ迫している。新たなまとめ役が必要だった。しかし――。
    「政(まつりごと)には興味なし」
    新藩主となった岩五郎改め、第十第藩主・蜂須賀重喜はそう言い放つ!家老たちの専横に抗して、藩主の直仕置(直政治)による藩政改革をめざす忠兵衛ら中堅家臣団。対立が激化するなか、新藩主が打ち出した驚きの改革案とは!?そして、徳島藩を狙う大がかりな陰謀とは……。「殿と一緒にやりたいのです!」
    アクション&サスペンス満載、著者渾身の痛快歴史エンタテイメント長編!徳島藩を二分する家臣団の対立が勃発する。新藩主として第十代藩主・蜂須賀重喜を迎え、気鋭の中老たちは、藩政改革と藍玉の流通を取り戻そうと闘い始めた…。ところが、新藩主はあまりにも斬新な改革案を打ち出した!特産品の「藍」は借財に苦しむ藩を救うのか?
    「改革で大切なのは、人の心を変えること!」



    直木賞候補作ということで読んでみました。
    古い体制から新しい体制へ。
    人を巻きこんで改革を進めることの難しさ・大変さを感じましたし、成し遂げようと奔走する描写がエンタメ性もあって面白かったです。善人側、悪人側といった立ち位置がしっかりとしていて、想像しやすかったです。
    個人的に全員の登場人物を紹介してほしかったです。
    主要メンバーだけだと、サブキャラがどんな人だったとか振り返れないので。

    他にも、藩の人達を支える妻の存在も大きく、全体的に緩急があって楽しめました。

  • 2025.2.19発売の雑誌『CU』の書評コラムで紹介させていただいた1冊。直木賞候補にも選ばれた歴史エンターテインメント!ばちくそ面白かった!!

    舞台は江戸時代の阿波藩(今の徳島県+淡路島)。
    改革を進めたい殿様と、既得権益を守りたい老中たち。混乱する徳島から漁夫の利を得ようとする大坂の商人たち。今の政治ドラマにも共通するところがあり、昔からこんなんやってたんやな~と思わずにいられなかった。

  • 胸が熱くなる場面もいくつかあったけれど、なんとなくすっきりせず読みづらかった。

  • なんというか、こう話の展開がやけに早いというか。ちょっとした場面展開でさらっと数年が過ぎたりして読んでいて面食らうことも。こういう書き方されるのって大体史実が元になった感じで年表通りに進んでるからってのが多いんだよなあ・・と思ったらホントにそうだった。まあ日本藩だとか人斬りとかはフィクションでしょうけど。
    だからこう、藩政の改革という現代でいう会社小説っぽい感じかと思いきや金蔵みたいな悪党との大立ち回りなんてのまであって・・・話のバリエーションに富んでいるようなどっちつかずなような。

  • まずまず。
    江戸時代、諸藩運営は難しかったのだろう。
    既得権益は今も昔も同じ。

  • 江戸時代中期に起こった徳島県蜂須賀藩の藩政改革とお家騒動の真相とは。
    蜂須賀重喜という型破りな殿様にメインフォーカスが当たっていますが、語り手は物頭(中堅家臣団)・柏木忠兵衛。
    山盛りの借金を抱えた藩をどうにかするため、忠兵衛らは藩主の直仕置による藩政改革をめざします。重喜を殿様にしたものの、この方「政に興味なし」。そこからどう重喜を動かし、動いたら動いたで型破りすぎて中堅家臣団ですら追いつけない改革案だったりで、中々大変です。

    このにっちもさっちも行かない感じに、とても現代味を感じます。
    こういう改革モノって、途中までは一致団結するけど、うまくいったあとに内部分裂することが多いんですよ。なので、この小説もどうなるんだろう…と少し(かなり)ハラハラしながら読み進めてました。いやだって、目次の十一章で「主君押し込め」ってタイトルがあるからして不穏じゃないですか…!登場人物も多いので、人物表を見ながら読み進めつつ、金蔵が表紙絵にまで登場していた理由が最後の方でわかります…なるほどそうきたか。十二章目がエピローグなのですが、まだ救いのある内容でほっとしました。ほんとこういう史実をもとにした歴史小説って容赦ないから…

  • 阿波徳島藩の改革と頓挫、お飾りの殿様をその気にさせ家老たちを除き藍玉を軸に藩政を立て直す物語。日本藩ならぬ盗賊の暗躍などエンタメとしても面白い。

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著者プロフィール

木下 昌輝(きのした・まさき):1974年奈良県生まれ。2012年「宇喜多の捨て嫁」でオール讀物新人賞を受賞、14年単行本デビュー、15年歴史時代作家クラブ賞新人賞、舟橋聖一文学賞、咲くやこの花賞を受賞。著書に『天下一の軽口男』『つわもの』『敵の名は、宮本武蔵』『戦国十二刻 始まりのとき』『応仁悪童伝』『剣、花に殉ず』『愚道一休』など。

「2024年 『大江戸綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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