アップフェルラント物語 (徳間文庫 た 5-7)

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  • 徳間書店
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198902711

感想・レビュー・書評

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  • 1905年におけるヨーロッパの小国アップフェルラントを舞台とした少年少女の冒険活劇小説。

    少女との出逢いをきっかけに国家にも関わる陰謀に巻き込まれていく主人公、敵対する悪漢達、そして子ども達を助ける正しき大人。定型すぎるかもしれないが、主人公達を鍵としつつ世界を動かすのはあくまでも大人という構成と、歴史的背景や国家間の外交駆引などの絡められた要素が物語を骨太で厚みをあるものにしている。

    全体的にやや時代を感じるが、逆に『古きよき』と感じさせるのは作者の技量だろう。

    個人的に吉岡平さんの解説は見所のひとつ。

  • 痛快冒険小説
     『ゼンダ城の虜』にリスペクトしつつ、問題点も挙げてる。かっこいい。
     吉岡平先生のかっこいい解説がよろしい。

  • 原点回帰の再読です。僕にとって田中芳樹は物語の魅力を教えてくれた大恩人。その中でもこの作品を初めて読んだ時の興奮によって、読書は娯楽であるという僕の考えが成立しました。
    いわゆるボーイミーツガール、謎の悪漢に囚われている少女を助けるために奮闘する少年。しかも大人が大人として少年少女を援助する姿がかっこいいんです。これは少年少女のための物語では大切な要素だと思うんですよ。
    そして毒舌の応酬で場を盛り上げるのも、歴史や政治の裏付けの元に冒険が進められるのも、いかにも田中芳樹! って感じでただただ物語の面白さにどっぷりと浸ることができます。二十数年振りの再読は初読時と同じようにどきどきわくわくを味わえました。

  • 昔大好きだった小説。
    今月お金がなくて本が買えなくて、再読ばかりしていて、その中の一冊。

    懐かしいなぁと思いつつ、気付くと一気読みしてました。
    ああ、昔大好きだった、ではなくて、今も好きなんだなぁとしみじみ思いました。

    作者様だけ見ると、銀河の英雄だったりアルスラーンの戦記だったり創竜な伝だったりが浮かびますが、毛色は全然違います。
    むしろ、ラピュタとか童話物語とか風の白猿神とか、その辺好きにはたまらんタイプのかわいい話ですね。
    健気で芯の強い女の子、その子のためにがむしゃらな男の子、どこかダメだけどかっこいい大人たち。

    たまらんわぁ。
    こういう話、もっと読みたいなぁ。

  • 初めて読んだ田中芳樹作品にして、最高傑作だと思う。

  • オーソドックスだが、宮崎駿の映画を観ているような筆捌きは見事!

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著者プロフィール

1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年「緑の草原に……」で幻影城新人賞を受賞しデビュー。1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞(日本長編部門)を受賞。2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞した。壮大なスケールと緻密な構成で、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』『創竜伝』『アルスラーン戦記』など大人気シリーズを多数執筆している。本書ほか、『岳飛伝』『新・水滸後伝』『天竺熱風録』などの中国歴史小説も絶大な支持を得ている。

「2023年 『残照』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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