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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198907884
みんなの感想まとめ
北朝鮮の秘密工作員の告白を通じて、冷戦時代の緊迫した状況とその影響を深く掘り下げた内容が描かれています。著者は、金賢姫のインタビューを基に、彼女の経験や北朝鮮の内情を明らかにし、特に日本人拉致問題に対...
感想・レビュー・書評
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1997年(底本1990年。原文初出89年)刊行。
著者は朝鮮日報出版局副局長。
1987年、ペレストロイカ下のソ連が崩壊を目前に迎える中、朝鮮民主主義人民共和国の工作員が大韓航空機を爆破し、世界を震撼させた。
その工作員の生き残りが金賢姫。日本人拉致被害者李恩恵(田口八重子氏?)に日本語教育を受けたことでも知られる存在だ。
その彼女に初めて長時間インタビューを敢行して編まれた記事を纏めたのが本書。そして、北の秘密工作員の内実を開陳した記事を加え3部構成になっている。
確かに、金賢姫とは今更の感なしとしない。
しかし、工作員の内実は、金正日の後継金正恩が北を支配する中で、今も続く、また目の前の問題であることは論を待たない。
勿論、平壌が北朝鮮の生活における外国へのショーウィンドーでしかないことなど、公知の情報も含まれるし、食糧不足問題など今とは異質な状況開陳も含まれている。
とはいえ、
➀ 主体思想の骨格が実は聖書であること(神を金日成ないし金一族に準えると理解し易い)。
➁ 日本人化教育や中国人化教育と雖も、机上かつ新聞やテレビなどの公知情報媒体に依拠した上っ面でしかない点。
➂ 原忠明氏を拉致した辛光洙。日本で主に活動していた彼が韓国公安に1985年に逮捕されたが、逮捕以降、日本の公安警察の捜査の非積極性・非協力性が浮き彫りになった。
また、
➃ 工作員侵入に関し、日本は事実上障壁がなく、韓国でも90%は実現できていた
などの指摘が印象的である。
なお、拉致被害における、拉致当時から暫くの、日本の公安警察を含む警察、さらに外務関係の問題点を明らかにした書は殆どない。情報も公開されていないのは如何なものかとはいつも思うが、上記③➃に関わる箇所を見るにつけ、その印象はますます亢進してきている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
金賢姫について知りたくて読書。
原書は1990年2月の本。ソ連が崩壊する前であるため、当時の韓国、日本、中国の様子が興味深い。著者のインタビュー自体はソウル五輪後の89年4月だという。
まえがき、著者あとがき、訳者あとがきを精読した。
著者の指摘するとおり、もし金賢姫が美人ではなかったらどうなっていたか・・・・・。考えると恐ろしい氣もする。
90年時点で日本人拉致問題についても書かれているが、当時の日本の世論はあまりにも無関心だった。一体なぜなのかと思う。拉致を隠し、地上の楽園という妄想を宣伝し続けた社会党や諸団体勢力が多かったからであろうか。今彼らの責任や考え方どうなっているのか知りたい。
個がない人間は強いと同時に怖い。教育の質を徹底的に落とし、個を捨てさせることで強力な人間という武器に変えていく。大学生レベルで小学生の知識もない。ハングルの創始者、自分の名前の漢字、苗字の由来、自国の歴史や文化、日食や月食といった自然現象などの知識もない。
主体思想は、聖書の内容に近いが衝撃的。ということは伝統的な朝鮮儒教はキリスト教に近いということになるのか。だから、韓国ではキリスト教信者が多いのか。受け入れやすい風土があるからなのかなどなどますます興味がわいてくる。
読書時間:約1時間15分
本書はお借りしたものです。有り難うございます。
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