北朝鮮拉致工作員

  • 徳間書店 (2000年3月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198912857

感想・レビュー・書評

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  • 【277冊目】北朝鮮の金正日政治軍事大学というスパイ養成機関において工作員としての教育を受けた筆者が脱北し、日本向けにその実態を書いた本。小泉純一郎訪朝の1回目は2002年で、金正日はその時に日本人拉致を認めたわけだが、本書は1997年に出版されている。

     金正日政治軍事大学において筆者がどのような教育を受けてきたかの回顧もそれなりに衝撃的(地下に韓国の街並みをそっくりそのまま再現した空間が存在し、そこで韓国潜入時の韓国人としてのふるまいを練習するなど)だが、本書のハイライトはやはり、筆者が在学中に会ったことがあるという日本人拉致被害者の描写。
     はっきり言って胸が悪くなる。筆者が悪いわけではないのだと思う。筆者は、北朝鮮の体制を非難し、また、自らがその工作機関の一員であったことを反省している。それでも、それが事実の描写だったとしても、横田めぐみさんが屈託のない笑顔を北朝鮮で見せながら生活していたという観察結果は、めぐみさんに何が起こったかを想像し、その心中を察すると怒りとともに読まざるを得ない。

     金正日が拉致を認める5年も前に出版された本書。当初はその記載内容を疑う声が北朝鮮のみならず日本からもあったようだが、今となってはその多くが真実だったと明らかにされているように思う。ただ1つ、金王朝の崩壊の預言だけが大きく外れているが…

  • ★横田夫妻が涙を流しながら自分の娘のことを尋ねる。

    日本国民は今からでも遅くないから勇気を出して、拉致された日本人の救出を強力に求めなければならないと思う。
    このまま拉致被害者たちのことを見殺しにして、北朝鮮に支援をして国交を樹立することは、北朝鮮の日本人拉致を容認していることと同じ。

    一体、日本には真の愛国者、正義感を持っている国民はいないのだろうか。
    日本人拉致と各種謀略行為を黙認していることと同じ。
    今この瞬間にも日本で工作員たちが活動している。

    ★北朝鮮に拉致された日本人の話が沢山でてくる。

    バカにされまくっている日本人拉致被害者の男性は、全学生や教官や人の前で叱責を受けたとき、「ハイ、ハイ」と言って頭を下げて誤る姿の態度に、学生たちは「やはり日本人だな」とバカにしていた。

    大学には日本人教官もいて、日本語を習っていた。その日本人の先生は誰が拉致してきたのかと大学で私たちは噂し合っていた。
    若い男子学生たちからジロジロ見られて恥ずかしかったのか、日本人女性教官たちは頭を下げて自分たちで何かしゃべったりしていた。
    教官の中の「横田めぐみさん直接拉致当事者」で日本専門に侵入する「丁」工作員という奴は、生徒たちによく日本人を拉致した話をしていた。
    「めぐみさんは現在大学にいて、偶然出会ったが、こちらを見ても知らんふりしている。たとえ自分に拉致されてきたものの、それも何かの縁であるのに、彼女から知らんふりをされてちょっと寂しかった」などの話までして、自分の「成果」を誇っていた。
    さらに「丁」教官は、大学の表彰式で、学生たちに日本人女性教官の一人を指さしながら、「あの髪の短い女性が私が連れてきた娘だ。当時よりずっときれいになった。学校に戻ってから一,二回彼女と出会うことがあって、懐かしくて私から挨拶したが、知らんぷりされて寂しかった。北朝鮮に連れてきてからもう一〇年も経過しているので、私の顔を忘れているのかもしれない」などと学生たちに自慢していた。
    記念式典と表彰式が終わった後、学生たちは会議場の外に出てタバコを吸いながら丁指導員を囲んで集まり、拉致してきためぐみさんにまつわる話をきき、丁指導員からめぐみさんを連れてきた経緯を説明された。
    船で泣き叫び抵抗するので船倉に閉じ込めて清津まで帰還した。
    船倉でもずっと「お母さん、お母さん」と叫んでおり、出入り口や壁などをあちこちひっかいたので、ついてみたらめぐみちゃんの手は爪がはがれそうになって血だらけだった。
    スパイ戦の船底は拉致した人間や密輸品を隠す場所が別に用意されており、中は真っ暗闇。
    めぐみちゃんは暗黒の船倉にひとりきりで四〇時間以上も閉じ込められていた。
    どんなに恐ろしかったことかと思わずにはいられない。
    その真っ暗闇の船倉にめぐみちゃんの他にも何人ものたくさんの老若男女の日本人も拉致監禁されて北朝鮮へと運ばれた。

    めぐみちゃん拉致実行犯丁教官は再び日本に潜入したとき、街のあちこちにめぐみちゃんを探すポスターが貼られていたので、ポスター写真を1枚剥がして持ってきて、いまでも自宅に保管していると言った。

    めぐみさんをはじめとして北朝鮮に捕らえられたままの日本人拉致被害者である日本人教官たちが、将来自分と同じ日本人を拉致するために教育されている北朝鮮の学生たちと接する。
    その日本人拉致被害者たちの精神状況は想像を絶するものがあります。
    当時、日本人教官たちは監禁状態の生活を送りながら、衣食から生活用品まで全部日本製品を使っていた。

    故郷の日本に帰れない心理的苦痛や、両親や兄弟のことを思い続けたあげくの病気ではないかと思われる、神経性のひどい胃腸病にかかっていた女性の顔色は真っ青だった。

    ほとんどの日本人男性は北朝鮮が選んだ女性とお結婚したり、子供まで設けていると聞いていた。

    しかし、日本人女性はなかなか結婚しない。その理由は北朝鮮が日本人女性の結婚を容易に許可しないから。
    話によると、日本人女性は幹部のために自分の肉体まで捧げなければならないこともあったという。日本人女性がそれを拒否すると、逃亡罪や、金日成・金日成の思想に反対したなどの理由で、幹部連中共に脅迫されるという。
    幹部に逆らうと、悪くすれば命まで落とす可能性もある。

    彼女たちは日本で発行される新聞や雑誌も読めるし、テレビ番組の録画ビデオを見ることもできるそうだ。
    そうした日本の様子を目の当たりにしたとき、どんなに望郷の念にかられたことだろう。北朝鮮に強制的に連行されて、山奥で暮らさなければならない自分の運命をどんなに惨めに思ったことだろうか。
    だからそうした人の中には精神に異常をきたして入院したり、胃腸障害など各種の新京成の病気に苦しんでいる人たちもいた。侮辱的な要求を拒むと、規律や命令に従わない、思想性が疑わしいなどと言いがかりをつけられて脅される三号庁舎での一日一日は、彼らにとって辛い地獄のような生活だろう。

    九一五病院には拉致されてきたのは日本人だけでなく、アラブ人、中国人も数多く見かけた。
    北朝鮮国内の体格の良い人間を選抜して整形手術をして外国人になりすまさせようとしたり、ロシア人や東ヨーロッパの人々と北朝鮮市民との間に生まれた子供も選抜していた。

    ヨーロッパ、東南アジア、中東から北朝鮮が拉致してきた女性たちの中には金正日とその側近のために体まで捧げなければならない人たちもいたという。
    招待所は外国高官と北朝鮮高官のためのいくつかあり、そこでは拉致されたり、騙されて連れてこられた外国人女性たちが自分の体を捧げて奉仕しているという。

    北朝鮮スパイは成績優秀な工作員は韓国侵入に回され、成績の悪いものが日本侵入に配属される。
    工作員は日本を自宅のように出入りできる
    日本の海上保安庁はいくら追跡してきても、武器を絶対に使わないので、恐れもしない。
    幹部は、日本でなら船ごと北朝鮮へ拉致することもできるとまで冗談めかして言っていた。
    日本の海上警備よりも、荒波のほうがはるかに気になる。

    祖国統一の偉業を完遂するためならば、36年間、植民地統治をしながら朝鮮民族に苦痛を与えた日本人の犠牲は当然であり必要だというのが、金日成・金正日の主張。
    工作員たちは日本の海岸に侵入し、海で漁をしている日本人、海辺に遊びに来た日本人、海岸でぶらぶらしている日本人、日本の内陸で工作員に騙されて海辺におびき出されてきた日本人などをかまわず拉致している。
    日本に侵入したときは可能な限り日本人を拉致してくることが、彼らに与えられたもう一つの任務。
    袋は革や強いナイロンの拉致用の袋を特別に作って使用した。
    この袋はようやく人間一人だけが入れるようになっており、その中で抵抗したり暴れたりすると、ますます体が締め付けられるようになっていた。息を吸える空気孔が一、二ヶ所開いているだけで、獣を捕獲するのとまったく変わらない。
    拉致する相手を気絶させるためには、昔は急所を今日出ししてショックを与えたり、最近ではハンカチのような布に強力な麻酔剤をしみこませて使用する。
    気を失った人を拉致用袋に押し入れると、小さな豚一頭のように縮こまる。
    また失神させたあと担ぎやすくするために、手と足を縛る場合もある。

    北朝鮮が現在まで拉致してきた日本人が正確に何名になるかはわからない。
    しかし、おそらく日本政府や日本国民が考えているより、はるかに多くの日本人が北朝鮮に拉致されていった。

    ❞神戸の実業家だった文東建=息子は文弘亘1950年9月2日生まれ
    アスコホールディングスの会長を務めるサッカー女子代表「なでしこジャパン」のワールドカップ(W杯)優勝時「INAC神戸レオネッサ」の会長。が北朝鮮に寄贈した「東建愛国号」は、日本に入港して大っぴらに違法な物質を運送していた。❞
    無念なことにも、こんな厚かましく、太々しいこの一族共達が日本で今現在も大っぴらにもてはやされ続けてしまっています。

    ”作者は最後に、あなたに歴史と天の審判が下ることを願いながら………。❞
    と記されています。
    ですが、厳しく天罰が下り、歴史と天の審判がくだらなくてはいけないのは、金日成・金正日・金正恩一族たちだけでいいのでしょうか。
    拉致被害にあったのは日本人だけではありません。ですが日本人拉致被害者たちは北朝鮮で、そして日本に住む多くの日本人たちも、「36年間、植民地統治をしながら朝鮮民族に苦痛を与えた日本人の犠牲は当然」、「だから自分たちは日本人に対してはなにをやっても正当化される」と主張され、洗脳されていきます。

    これだけ数多くの老若男女の日本人たちが現代において、現在進行系で、日本での家族との生活、人生を奪われ、”誘拐””強制連行””強制労働””性処理係””性奴隷””生きながら奴隷”にされ続けてきて、なかにはあきらかに❝拉致被害最中に殺された❞❝北朝鮮で惨めに亡くなり❞続けさせらてきているわけです。

    それにもかかわらずにも、今現在も朝鮮総連系だけではなくて、数多くの拉致協力・加担・犯罪者である「文東建・文弘亘」親子達を含めて、誰一人として日本人による裁き、罰も、天罰も、歴史の審判も下ってはいません。

    拉致被害者たちが惨めなだけではなくて、未だに❝拉致犯罪者共達"を野放しに、のさばらせ続けて、この地球上に生きていることを許し続けてきてしまっている、わたしを含めたすべての日本人たちが、本当にどうかしていて、"とても惨め"だと思わざるを得ません。

  • 『兎、波を走る』の参考文献に挙がっていたので読んだ。何が本当なのかはわからないけれど、人間は追い込まれると何でも出来てしまうし、やってしまうのかな、と思わされた。

  • 元対南工作員の手記。
    工作員養成教育や拉致の実態がつづられている。

  • どこまで本当なのかは分からないが、ハラハラする。
    北朝鮮のスパイがどのように教育されているかがよくわかる。

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