熱球

  • 徳間書店 (2004年12月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784198921682

感想・レビュー・書評

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  • 「逃げてもいい」…良い言葉だなと思った。同じように、そういう言葉をかけられる人もやさしい人なのであろうと思う。そして主人公のヨージの、「俺は逃げたことは一度もない」という大人に対する考え方もよかった。◆このお話は、あとがきであるように、筆者の周りでいろいろなことがあったためか、作品中でも色々なことがいりまじって起こっていく。それが妙にリアルで、さらに作品に入り込むことが容易となっている。是非、読んでみてくださいな

  • 神野さんのザワ爺の話のところに感動しました。

    負けても胸を張れ
    勝ち続けている人など、きっと、誰もいない


    自分を応援してくれる誰かがいるというのは、本当に幸せなことなのだ

  • やや、焦点がボケていますかね。
    かっての不祥事の当事者である恭子の生き方や、奥さんの和美、父親のキャラはなかなか良いのですが。むしろそれに押されて、主人公がボンヤリしてしまった感じがあります。
    主題も、美奈子が受けるイジメ(重松さんの得意分野)と中年男性の悲哀(これもですね)、父親の家族愛など、いくつかの要素はあるのですが、ちょっと多すぎて、どれも描ききれてないような気がします。
    小説としての上手さはどんどん上がってるのでしょう。でもデビュー当時の鮮烈さは少し薄れてきた感じなのでしょうか。それとも、この作品固有の問題でしょうか。
    とは言え、☆3つはちょっと厳しすぎるかな。4つでも良いかも知れないと思いつつ。。。。

  • 負けること、逃げること、やさしさ……読んでいるといたくなる

  • 逃げる事も選択の一つ。
    逃げるからダメじゃないんだなと思うと、なんだか気持ちが楽になる事もあるんだな…。

  • 終始、意気地の無い主人公にイライラしながら読みました。
    それと、愛すべきザワ爺がイイ!

  • 東京から娘を連れて山口県の田舎に戻った男が、
    高校時代の苦い思い出と向き合いながら、
    自分探しのような時間を過ごす日々を描く。
    穏やかなような、物悲しいような、中年世代の切なさを感じた。

  • 重松節満載で、青春時代~中年おじさんへの物語が流れる・・・誰にでも思い浮かぶ風景ではないだろうか・・。

  • ざ・重松ワールド。
    おっちゃんになった仲間達も
    現代を育った子供達も。

    山口弁がまたいい味。

  • なんだか、自分の田舎のことを少し考えた。初夏がいいかな。

  • 人に借りた重松さんのお話。
    スポーツ青春系かとおもうようなタイトルだけど、家族、友情、故郷、仕事などテーマが身近なもので登場人物それぞれ深みのある人ばかりでした。
    大きな盛り上がりにはかけたけど、心温まる場面が何度かあり、涙が出てしまう所は、さすが重松清だなぁ。

  • なんか良いんですよ。
    この人の本を読んでると心がもやもやして、それを流してくれる。
    一回ホコリを下に落として、掃除機かけると奇麗になるみたいな感じ。

    物語は仕事を辞めて故郷に帰省した38歳の既婚者で子持ちの物語。
    親の面倒を見なければいけないから。人生の休日だから。とかとにかく言い訳が先に出る。
    自分が中途半端でどうしようもないから心に染みる。

    故郷の悪口ばっか言って、でもそこにいて、子どもは気を遣ってて、親も妻も友達も、全部分かってても、俺は何をしてるんだろうか。
    故郷に帰れば何かが見えてくるものでもない。優しくしとけばみんなが優しくなるわけでもない。誰にでも愛想を振りまける少女はいじめられない訳でもない。

    いろんな時代や、環境があるけど、結局悩むところはみんな一緒でその普遍を描けるこの作品は色あせない。


    作中名言
    「『誰かのために』っていうのは、『誰かのせいで』と根っこは同じだと思う」

    「優しくなると途方に暮れてたたずむことが多い。
    優しくなると辛くなる。
    帰って来ると優しくなる。
    帰るためにはいったん出て行くことが必要。」

  • これ、私の母校がモデルです! 高校に入学したらまず、校歌よりも先に「熱球」を覚えさせられました!

  • 疲弊した中年の主人公が実家に帰り過去の因縁を乗り越えるという話。相当どうでもいい話に思えるのに最後まで興味を失わせず読ませてしまう筆力は素晴らしい。どのキャラクターもリアリティーを失わず、しんみりと着実に読者の心の中に入ってくる。

  • 重松さんのゆるやかな感じで進むのに
    いろいろな変化がおこる世界が素敵です。

    サワ爺が大好きです。

  • 野球大好きの私は重松さんが野球を題材にした家族、友情、青春、思い出とホロリとさせる物語がとても好きだ。

  • 野球っていいもんだ。改めて感じさせられた。わが家の息子も京都大会1回戦でシード校の峰○高校に逆転負け。悔しい2010年の夏でした。

  • 良いタイミングに読んだかな、と。
    大阪桐蔭に勝つ東大阪大柏原を見て、シュウコウを連想してしまったww

    重松清の本は基本的に好きなんやけど、今回の作品も他に違わず好きです。
    「高校野球とは、負けることにある」って言葉は、ものの見方として新鮮やったけど、めっちゃ的を射てるなー、って思った。
    最後は優勝校を除いたすべてのチームが負けるわけなんやから。

    でも、それでも頑張るし、一時の勝利に喜ぶし、わかってても負けたら泣く。
    そんな人間の純粋で、愚直な姿に人は心を打たれるんやろなー。

    負けることは悪いことではない。
    逃げ場を与えられる人間でありたい。

  • 次は何を読もうかと重松清の棚を見ていて選んだ一冊。高校野球の話かと思いきや、そう単純にはいかないのが重松清。田舎とか一人っ子とか家族とか二世帯住居とか・・・時代は変われど人の考えることっていうのはそう簡単には変わらないみたいだ。

  • 野球ってそこまで好きじゃないのに・・なんでこんなに揺さぶられるんだろう。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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