沙高樓綺譚 (徳間文庫)

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  • 徳間書店
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レビュー : 102
  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198923297

感想・レビュー・書評

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  • 連作短編。
    どの短編も秀逸な浅田節。
    中でも「小鍛冶」と「雨の夜の刺客」が好み。
    「雨の~」は苦しいほどに切なく、生命に満ちている。

  • 手順前後で『草原からの使者』を先に読んでしまったが、沙高樓はこっちが本家。おそらくシリーズ化を決定付けたであろう第一作「小鍛冶」は傑作。さすがにこの緊張感とクオリティを全作に求めるのは酷というもので、サイコ・ホラーあり、幽霊譚あり、ミステリーあり、義侠小説ありとバラエティに富むものの、いずれも(水準遙かに以上とは言え)今一。

    最近、浅田次郎ばっかり読んでいる気がするな。

  • この人は実にいい。なぜ?  ・・・・解らない。何冊か読み足してみるとしよう。
    「百年の庭」が秀逸
    カバーデザインも又いい。

  • ある日、主人公は国立博物館に出かけた。目的は宝刀。閉館30分前の到着であった。千年の鉄色の前に30分は瞬く間に過ぎ、後ろ髪を惹かれる様に立ち去ろうとしたとき、目に留まったのは小竜景光、楠木正成の佩刀であった。あまりの美しさに目を奪われ閉館時間を無視することに決めたとき、ふいに横合いから名前を名を呼ばれた。振り向けば、旧知の小日向、現、三十四世徳阿弥家(刀剣の鑑定家元)であった。 小日向は、主人公をある会合に誘う。その会合は、沙高楼と呼ばれるビルの一室で開催される。 小日向曰く「高みに上り詰めた人は、誰もが必ず決して口にすることが出来ぬ秘密を持っているものです。そうした毒を吐き出す集いがここで催されるのです」。主人公は、この怪しげな会合、綺譚に加わる。 まずは、小日向が口火を切り、その後4人が各々の毒を吐き出す。なんとも不思議な話が展開する。それぞれの話は、荒唐無稽なようで、でもどことなく、あるかも知れぬというなんともいえない微妙な感じで到底要約できない。この歯切れ悪さが、気持ち悪い人は、読んでみてください。決して損はいたしません。

  • 今宵、打ち明けられるのは映画のカメラマンやガーデナー、おヤクザさんなど、心の内に隠していた行き場のないお話。刀鍛冶やガーデニングなど、浅田さんの引き出しの多さにも驚かされました。その中でも、1番最後の「雨の夜の刺客」は特に読んでほしい。まともすぎるくらいまともな人間の語る死生観は、目を背けてしまいたくなるほどの真実で、言葉の重みにうなり声をあげてしまいました。この短編を読むだけでも、この本を読む価値はある。

  • 功成り名遂げた人々が人には話せない秘密を語る場、『沙高
    樓』で語られる物語。
    刀剣からヤクザまで話題は広くて深いです。どれだけの知識を持っていらっしゃるのか…と思います。

    幕末の志士の幽霊?の話がしんみりとして私は一番好きでした。

  • 「沙高楼」というサロン?で角界の名士たちが語る5つの物語。
    外では話せない秘密、墓場まで持っていくべき秘密を「沙高楼」という幻想的な世界観の中で語るという設定。
    ブラックっぽい話もあれば、お化けの話もあります。

    語られる物語は以下の5つ
    小鍛冶
    糸電話
    立花新兵衛只今罷越候
    百年の庭
    雨の夜の刺客

    「小鍛冶」は刀の真贋を見極める鑑定士の話。本物と間違いないと思っていた刀の作者は実は..といった話
    「糸電話」は一途に思いを寄せる女の話。語り手は精神科医。その女の行動は精神科医への恋心なのか、それとも復讐なのか..
    「立花新兵衛只今罷越候」は幽霊もの。池田屋騒動の映画撮影に紛れ込んでしまった立花新兵衛。勘違いしっぱなしの頓珍漢な会話がちょっと面白い。語り手はその映画のカメラマン。
    「百年の庭」はブラック系。庭守として大金持ちの主人に使えた老女が語る半生。そして、最後で語られる今の主人への思い..
    「雨の夜の刺客」は任侠系。やくざの大親分が語る自らの秘密。ひょんなことからやくざの世界に巻き込まれ、そして、結果的に出世につながる事件の中での真相。5物語の中では一番わかりやすい作品です。

    と、5つの物語がさまざまな語り手を通して語られていきます。当然、語り口調も変わり、まさに自分がその場で話を聞いているかのような感じ。でも、おどろおどろしていて、ちょっとなじめないです。さらにこの「沙高楼」の主人は女装のオーナー。
    話し方とか雰囲気で、美輪明宏さんをイメージしてしまった(笑)

  • ひやっとするような(お化け…とかではなく)
    んんっ…?となるような
    皆々さま違う話を話されるからおもしろい。
    (そしておそろしい)
    浅田さんはすごいなあ

  • 20160602 短編集。最初の刀の話が一番面白かったかな。後は最後のヤクザ屋さんの話。

  • 個人的に平日の閉館前に行くことの多い国立博物館から始まる、百物語的な短編集です。 

    誰もいない展示室って、贅沢な緊張感も魅力のひとつ。

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著者プロフィール

浅田 次郎(あさだ じろう)
1951年、東京都出身。
1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員』で直木三十五賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、2008年『中原の虹』で吉川英治文学賞を、2010年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞、2016年『帰郷』で第43回大佛次郎賞それぞれ受賞。2015年には紫綬褒章も授与されている。
2018年現在、日本ペンクラブ会長、直木賞、柴田錬三郎賞、山本周五郎賞の選考委員を務める。2018年12月15日、『輪違屋糸里』が藤野涼子、溝端淳平、松井玲奈らの出演で映画化。

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