クラリネット症候群 (徳間文庫 い 51-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198927769

感想・レビュー・書評

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  • 読んでて楽しいっ 奇妙な体験が味わえる2つの不思議な青春ミステリー #クラリネット症候群

    気が付くと自分の意志に反して体が動き始めてしまう、一体何が起こったのか?
    クラリネットが壊れてしまったことから、自らの体がおかしくなってしまい…
    以上2編が収録された、特殊設定ミステリーの短編集。

    どちらの作品も登場人物が生き生きとしていて魅力的。また青春時代ど真ん中の設定でさわやか!いいっ

    全般的に軽く、アニメやティーン向けのTVドラマになりそう。この作風に重厚感を求めるのは難しいけど、謎解き部分にパズル的な要素以外にも深みを持たせると、ミステリーファンにも納得させられる作品になるかなと思いました。

    ■マリオネット症候群 ★3
    人格転移ミステリー、面白い発想で読み口もかなりライト。序盤は不可思議な雰囲気ながら、中盤以降は楽しさ抜群。ここまで前向きに書いてくれると、気持ちよく読めていいですね。
    ミステリーとしても技が効いており、さすが乾くるみさんといった感じでした。

    ■クラリネット症候群 ★4
    暗号解読ものミステリー。良くこのパズルをもとに作品を作った、あっぱれ!ですね。作りこみすぎ感すらあります。伏線も登場人物たちの会話も、よくできていて素晴らしいですね。
    特にこちらは登場人物たちが可愛く、主人公への感情移入が止まりませんでしたよ。淡い切ない学生時代を思い出しました。

    不思議で楽しいミステリーなので、あまり推理小説を読んだことがない人に、ぜひ読んでほしい作品でした!

  • いろいろな要素が入っているにもかかわらず、よく組み込まれているのかスッキリしている。

  • 毎回だけど、すんごい展開。笑笑

    うぉーーーーそうくるか!!!!!っていう。
    ホント、読んでて毎回驚く展開です。

    乾くるみの頭の中がどうなってるとこうなるんだろう。と毎度毎度ながらジェットコースターさながらの展開について行くのやっとです。

    笑笑
    突然にして、これで終点!?嘘でしょ!?

    の終わり方だし。笑笑!!!!!!

    もうホント斬新も斬新。

    そうくるか!?の連続なんで、日々退屈に塗れてるそんなあなたにぴったりです。笑笑

    クラリネット症候群はトリックもなかなかしっかりしたつくりでミステリとして楽しめるんだけど、ドとレとミとファとソとラとシの音が聞こえなくなる青年の会話。面白い。そんなぁーっていう。

    もう読んで、一回!

    って思うほどに新しい展開に振り回されまくります。笑笑

  • 中編集の小説とも言えようか。
    本作は、表題作のクラリネット症候群に2001年に徳間デュアル文庫から発刊されたマリオネット症候群が抱き合わせで収録されている。単に韻が踏めるからこのようにしたのか、マリオネットの姉妹作を作ろうという着想の元でクラリネットを思いついたのか、真相は定かではないが、私のようにどちらも未読の人にとっては一度に二度美味しい仕様だ。どちらもページ数にして200ページほど。二作でちょうど標準の文庫本のページ数に達する分量だ。

    作品の仕掛けとしては人間憑依もの。これで真っ先に思い浮かぶのは一昨年大ヒットした映画、「君の名は」であろうし、ミステリー小説として有名なのは東野圭吾の「秘密」だ。

    もう一つの表題作であるが、私は申し訳ないが受け付けられなかった。クラリネット症候群の根底とは言え、読んでいる際にフラストレーションしか感じなかった。

    二つに共通することは、まるでメリーゴーランドのような怒涛のどんでん返し。その人によってはこじつけだと一蹴するかもしれないが、長々としたストーリーで語ることなく、手っ取り早く驚きを畳み掛けるような描き方はさすがだ。

  • あれ? この話、知ってると思いつつ読んでたら、最初の話は「マリオネット症候群」だった。本書は「クラリネット症候群」の二本立て。

    「マリオネット症候群」
    再読。
    目覚めたら自分の身体が乗っ取られてたという人格転移の話。
    最初のほうは面白いのだが、ラストはハチャメチャ。

    「クラリネット症候群」
    クラリネットが壊れたと同時に、ドレミファソラシドの文字が聴こえなくなってしまう話。
    主人公との会話は、ドレミファソラシドを抜いて書かれているので、とにかく読みにくい。ストーリーが頭にはいってこなかった。
    (図書館)

  • この本は『クラリネット症候群』だけではなく『マリオネット症候群』も収録されています。
    昔出版したマリオネット症候群に書き下ろしのクラリネット症候群を加えて発行した形みたいです。

    いつものドロドロ感はないですが両作とも乾くるみ先生のいいところがよく出ていてとても気に入りました。
    オススメです!

  • 面白く無くなって読むのをやめた

  • 主人公の耳が「ドレミファソラシ」が聞こえなくなるという変わった設定。文章もその音が関わるところは空白にして歯抜けの文章。超ドタバタ劇な感じで書いてあるんだけど、クラリネットを使った謎解き、伏線の張り方など仕掛けがかなり凝っててそのギャップが面白い。他、マリオネット症候群も収録。こちらは相手を殺してしまうと殺された方の精神が殺した方の精神に上書きされてしまうというこれまた変わった設定。元々の精神は奥の方に行って肉体を通して周りを知覚はできるものの、自分ではもう体を動かせなくなる…。道尾秀介のような不気味な話でした。

  • ドレミファソラシドが聞こえないってどういう…。私はマリオネット症候群のほうがすきだった。死んだらその人の体内に入ってしまって生き続けるみたいな、いや想像したら一番きつくないか?意識はあるのに体が動かせないんだよ。最終的に主人公だと思ってた人は昔階段から突き落とした妹で、家族全員体の中で会話してるの面白かった。展開も新しいね。けど乾くるみ様、私はセカンドラブやリピートのような話が読みたい。あとスリープも最高だった。

  • 「マリオネット症候群」
    操り操られ内面に閉じ込められ。
    殺したいと思っていた相手を殺して満足する暇も無く、目覚めたら自分では無くなっており被害者が本人に成り代わっていたら殺した意味がなくなりそうだよな。
    自らを殺した犯人が分かっているのに、それが今は加害者本人になってしまったとなると告発も出来ないよな。

    「クラリネット症候群」
    楽器と共に壊れた世界に生きる。
    自分達が優勢だと思う者達に彼がどう反論しようが、火に油を注ぐだけであり彼自身にも危害が加わっていた可能性を考えるとなんとも言えないな。
    彼女の心には最初から彼への復讐しかなく、二人にとって大切な楽器も道具に過ぎなかったのだろうな。

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著者プロフィール

静岡県大学理学部卒業。1998年『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。著者に『イニシエーション・ラブ』、『スリープ』など。

「2020年 『本格ミステリの本流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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